<新型コロナウイルスワクチンを接種しても100%感染しないというわけではなく、無症状病原体保有者と同様に、他者に新型コロナウイルスを感染させる可能性はある...... > アメリカ食品医薬品局(FDA)は、2020年12月11日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を許可し、12月14日、米国でその接種を開始。 アメリカでは483万人以上が1回目のワクチン接種を終えた 12月18日には、米モデルナの新型コロナウイルスワクチンの緊急使用も許可され、2021年1月5日時点で、米国で483万人以上が1回目のワクチン接種を終えた。いずれの新型コロナウイルスワクチンも、約4週間の接種間隔をあけて2回接種すると、約95%の有効性が確認されている。 米国に先駆けて12月8日に接種を開始した英国では、新型コロナウイルスの急速な感染拡大を受け、12月30日以降、2回目の接種よりも、重症化リスクの高い人により多く1回目のワクチンを接種させることを優先している。 しかし、ファイザーが「新型コロナウイルスワクチンの単回接種で、接種から21日後に感染から予防することを示すデータはない」と述べているように、新型コロナウイルスワクチンの単回接種でどのような免疫反応があるのかは明らかになっていない。 ワクチンによる免疫の持続期間は解明されていない これまでの新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で検証されたのは「被験者が新型コロナウイルス感染症に発症しないかどうか」だけだ。つまり、ワクチンによって新型コロナウイルス感染症の発症は予防できるかもしれないが、100%感染しないというわけではなく、無症状病原体保有者と同様に、他者に新型コロナウイルスを感染させる可能性はある。 新型コロナウイルスワクチンによる獲得免疫は6ヶ月程度持続できるとみられているが、その持続期間は完全に解明されていない。また、臨床試験で約95%の有効性が示されているとはいえ、臨床試験と実際の集団予防接種では、ワクチンの保管や運搬など、様々な条件が異なるため、ワクチンの有効性が同じであるとは限らない。 ワクチン接種が進んでも、マスクの着用、手洗いは不可欠に 人口のどれくらいの割合が新型コロナウイルスに対して免疫を持てば、感染拡大の抑制につながる「集団免疫」を獲得できるのかも、現時点ではわかっていない。米ギャラップによる世論調査では、2020年11月時点で、米国人の37%が新型コロナウイルスワクチンの接種に消極的な姿勢を示しており、集団免疫を妨げる要因となることも懸念されている。 世界各国で集団予防接種がすすむとしても、新型コロナウイルス感染症の発生が続いている限り、ソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用、手洗いといった感染予防策の徹底は不可欠だ。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)では、新型コロナウイルスワクチンを2回接種した後も、マスクの着用とソーシャルディスタンスの確保を継続して行うよう呼びかけている。