<仮想通貨で7億円の資産を築いた「億り人」へのインタビュー後半。初心者へのアドバイスと、今後の見通し> ※インタビュー前半:「仮想通貨で7億円稼いだ『億り人』の意外な素顔と『成功の条件』」 今年1月に一時400万円を超える水準に達したビットコインをはじめ、暗号資産(仮想通貨)への注目が今また高まっている。2017年の「バブル」を彷彿させる状況だが、当時はその波に乗って億を超える資産を築いた「億り人」なる人々も話題となった。 そんな億り人たちは、その後の価格の急落や現在の再上昇をどう見ているのか。また暗号資産で巨額の利益を得た彼らはどんな人物で、どんな生活を送っているのか。現在の価値で約7億円の資産を暗号資産で築いたA氏に、本誌・藤田岳人が話を聞いた。 ──資産額が大きいと、保管方法にも気をつかうのではないですか? (インターネットに接続されておらず、ハッキングなどに対する安全性が高い)ハードウェアウォレットに半分くらい入っています。まったく手を付けていないものです。残り半分はパソコン上のウォレットに入れていますが、これはネットワークにもつながっているので、正直に言って「ざる」です。 リスクのある保管方法をしている理由は、DeFi関連で操作しなければならない分だからです。ハードウェアウォレットを使ってもできないことはないのですが、めんどくさくて......。 ──知識や技術があっても、めんどくさいんですね。 そうなんです(笑)。 ──暗号資産の話に戻りますが、ほかに最近注目されているものはありますか? もう1つ、DeFiの世界の話ですが、流動性マイニングというものがあります。暗号資産の販売所を個人が行うイメージで、例えば自分が持っている暗号資産のETH(イーサリアム)とビットコインを「流動性プール」と呼ばれる場所に置き、そこで誰かがその通貨をトレードしてくれると報酬が得られるという仕組みです。 市場は大きくなってきているのですが、仕組みが非常に難しいので、実際に行っているのは業界の中でも技術に明るい一部の人が中心です。株など伝統的なトレードから暗号資産に入ってきた人などは、あまりDeFiには手を出していないようです。 DeFiは裏側の仕組みが本当に難しいこともあって、ポンジ・スキーム(投資詐欺の一種)もたくさんあります。明らかにポンジ・スキームだろうというものに日本人がたくさん集まっている姿も見かけます。よく調べないまま金利のよさに釣られ、大損する人もいます。 ===== ──やはりよく分からずに深入りすると危ない世界ではあるわけですね。 本当にその通りです。DeFiの仕組みや、誰がどうやって儲けているのかをきちんと分析せずに踏み入るのは、かなり危険と言えるでしょう。初心者の人には注意してもらいたいです。そういう場合は、取引所が提供しているレンディングのサービスを利用するなどの方法もあります。 ──初心者はどういったところから始めるべきですか? 結局はギャンブルがやりたいのか、ちゃんと資産形成をしたいのか、ということだと思います。ギャンブルがやりたいのなら何でもいいですが、資産形成をしたいのなら、まずは暗号資産に限らずどのように資産形成すべきかの基礎から勉強すべきです。 暗号資産の勉強としては、まずはスタンダードに取引所の(ユーザー同士が暗号資産を直接売買する)「板取引」から始めるのがいいと思います。どれくらい資産形成したいか、どれくらいリスクを取れるかを考えたうえで、板とチャートを使って売買すると相場観も養われます。板取引にはすべてが凝縮されていて、例えば流動性が高い低いでどう変わるのかなど、いろいろと勉強になります。 最初から高いレバレッジをかけて一攫千金を狙う人もいますが、それだと本当にギャンブルですね。相場観やリスクをどこまで取るかといった感覚を養わないまま、ギャンブル的なことをしてもうまくいかないと思います。 ──周りにギャンブル的な投資をする人はいますか? 周りにはぜんぜんいなくて、Twitterなどで「こういう人がいるんだな」と見ている感じです。ただ若い人に暗号資産を教えていると、ギャンブル的なことをやりたがっているように感じます。 例えば英語で情報収集したり、調べ物をしたり、日々の価格をチェックしたりといったことが、私にはまったく苦ではないんです。それでお金が増えるわけですし、ゲームのような感覚です。でも、それが楽しいと思えない人もいるのだと感じました。ギャンブル的ではない自分のような人の方が、もしかすると世の中的にはレアなのかもしれませんね。 ただ、ギャンブル的でない人の方が生き残っているのはたしかです。ギャンブルをやっていれば、いつか負けるのは当然ですからね。結局、残っているのは初期から始めている技術者出身の人や、ビットコインの思想に共感している人なのではないかと思います。 ===== ──取引所はどこを使っていて、どういう基準で選んでいますか? 暗号資産の売却などにはビットバンクを使っています。自分が利息などで得た利益を換金するときにはETHやXRP(リップル)という暗号通貨を使っており、ビットバンクはXRPを含むオルトコインが取引される「板」の流動性が世界的に見ても非常に高いからです。 換金するときは、その暗号資産の取得単価を過去にさかのぼって平均化し、売値との差額が課税対象となります。私の場合、ビットコインの取得単価は10万円未満になるので、課税額がものすごく高くなるんです。 ──億り人ならではの選び方だと思いますが、初心者に取引所の選び方をアドバイスするなら? 間違いなく「板取引」で選ぶべきです。どれだけ取引が多く行われているかですね。ユーザー同士の取引ではなく、販売所から暗号資産を買う場合、胴元となる販売所の取り分である手数料が高いんです。安全性に関しては、どこも監査を受けていて、暗号資産の分別管理をしているはずなので、大きな差はないのではないかと思います。 ──昨年末からビットコインが大きく値上がりしていますが、この状況は予想されていましたか? まだまだ上がると思っているので、今の状況は予想していたことになります。個人的にはいくらになっても利確することは考えていませんが、たとえ1000万円になってもぜんぜん驚きはしないです。昔から「ビットコイン大好き」という感じだった人たちは、だいたいこういう考えだと思います。 ──どういう状況の変化が、値上がりをもたらしているのでしょうか? 最初は、「インターネットのおもちゃ」という感じで、技術に明るい人たちが使い始めました。あとは、非中央集権的なビットコインの思想に共感した人たちですね。それが去年くらいから、アセットクラスとしてのビットコインという認識が広まってきたと考えています。 アメリカで年金を運用するような機関投資家などがどんどん入ってきています。資産の数パーセントではあっても暗号資産への投資をし始めており、その動きは今後も拡大していくと見ています。さらに、その動きを見越して、さらに値が上がるという事情もあります。 ──今後も長期的に上がり続けると見ているわけですね。 日本円やドルに対しては永遠に上がり続けると思っています。