<2019年にフロリダ州で座礁していたクジラが、新種のクジラであったことがわかった......> 2019年1月29日、米フロリダ州エバーグレーズ国立公園で、体長38フィート(約11.5メートル)のオスのクジラが座礁しているのが見つかった。 アメリカ海洋大気庁(NOAA)らの研究チームが分析した結果、メキシコ湾で生息するヒゲクジラ類の新種と同定され、2021年1月10日、海洋哺乳類専門学術雑誌「マリンママルサイエンス」でその研究論文が発表された。 ライス博士にちなんで「ライスクジラ」と名付けられた この新種のクジラは、メキシコ湾にクジラが生息することを1990年代に初めて発見した海洋哺乳動物学者のデール・ライス博士にちなんで「ライスクジラ」と名付けられている。 当時、これらのクジラはニタリクジラだと考えられていたが、2008年、アメリカ海洋大気庁のパトリシア・ローゼル博士を中心とする研究チームがメキシコ湾で採取した試料から得た遺伝子データを分析し、ニタリクジラとは遺伝的に異なることを示した。しかし、クジラの新種の同定に不可欠な頭蓋骨がなかったため、これには至らなかった。 2019年1月にエバーグレーズ国立公園で座礁していたクジラの死骸は、体長測定などの検査や剖検を行った後、一旦埋められたが、国立自然史博物館(NMNH)の研究チームによって、数ヶ月後に骨が掘り起こされ、ワシントンD.C.郊外にある国立自然史博物館の倉庫に搬入された。 現時点で100頭未満であり、絶滅が危惧されている 研究論文の筆頭著者であるローゼル博士と共同著者で国立科学博物館の山田格博士は、2020年、このクジラの頭蓋骨を初めて形態学的に観察し、ヒゲクジラ類に属する他の種とは異なる特性を特定した。この形態学的相違と2008年にローゼル博士らが収集した遺伝子データをふまえ、「このクジラはヒゲクジラ類の新種である」と結論されている。 ライスクジラは、体長が最長42フィート(約12.8メートル)で、ニタリクジラもやや小さく、体重は最大で6万ポンド(約27.2トン)に達する。なお、個体数は現時点で100頭未満であり、絶滅が危惧されている。