<豪シドニー大学らの研究チームが4年かけて10億年にわたるプレートの完全なモデルを構築することに成功した...... > 地表を覆う固い岩盤、すなわち「プレート」は、地表のあらゆる生命体に影響をもたらす生命維持システムだ。1年あたり数センチのペースでゆっくりと移動しながら、地球の気候や潮汐、火山活動、動物の移動や進化などに作用してきた。このような地質作用ゆえに、地球は生命体を宿すことができたと考えられている。 4年かけて完全なモデルを完成させた 従来、時代区分や地域ごとに研究がすすめられてきたため、地質学データや古地磁気データはばらばらであったが、豪シドニー大学らの研究チームが4年かけてこれらのデータを同化し、10億年にわたるプレートの完全なモデルを構築することに成功した。一連の研究成果は、地球科学専門学術雑誌「アース-サイエンスレビュー」(2021年3月号)で掲載されている。 研究チームは、10億年にわたって地球のプレートが途切れることなく移動する様子を40秒のアニメーション動画で示した。 南極大陸は、かつて赤道直下にあった この動画をみると、プレートが絶えず揺れ動き、地球がいかに動的であるかが一目でわかる。海洋が開いたり閉じたりする一方、大陸は分裂したり、定期的に再結合して、巨大な超大陸を形成したりしている。たとえば、南極大陸は、かつて赤道直下にあった。 研究論文の責任著者でシドニー大学のディートマー・ミュラー教授は「この完全なモデルは、地球がどのようにして複雑な生き物の住みかとなったのかを解明するのに役立つ」と解説。 このモデルを用いることで、「気候や海流がどのように変化してきたのか」、「地球深部から栄養素がどのように流れ出し、生物学的進化を刺激したのか」といった謎の解明がすすむと期待されている。 また、一連の研究成果は、「海洋底拡大や火山活動を介して、地球の内部がどのように対流し、化学的に混合し、熱を失っているか」についての解明にもつながるとみられている。