<ポーランド首相府長官は、欧州17カ国に広がった接種停止は「計画的な偽情報キャンペーン」ではないか、と批判。淡々と接種を続ける国もある> ポーランドのミハウ・ドボルチク首相府長官は3月16日、アストラゼネカ製ワクチンの安全性をめぐって欧州に広がる懸念について、「計画的な虚偽情報キャンペーン」の結果と考えられると述べ、ポーランドは今後も接種を続けると語った。 欧州諸国でアストラゼネカ製ワクチンの接種を一時停止する動きが3月10日から1週間で少なくとも15カ国に広がっていることに対する発言だ。関連性はまだわからないが、接種後に血栓ができ、なかにはそれで死亡した事例が報告されたためだ。 ユーロニュースの編集者によればドボルチクは、「(アストラゼネカの)ワクチン接種を一時的に中断している国のほとんどは、メディアのセンセーショナルな報道によってパニックに陥っている」と述べた。 「私の見るところ、我々は現在、計画的な虚偽情報キャンペーンと、メディアの野蛮な扇動に直面している可能性があると思う。疑惑を煽るメディアは、本国政府の支援を受けている可能性もある」とした上で、アストラゼネカ製ワクチンの接種を中断した国々も、「すぐに接種を再開するだろう」と付け加えた。 さらに、ポーランド政府がなんらかの決断を下すとすれば、それは科学者と医師が提供する「確かなデータのみに導かれるだろう」と述べた。 イギリスのアストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発した問題のワクチンは、2020年12月にイギリスで使用が承認され、翌月には欧州連合の27の加盟国でも認可された。 科学的根拠より恐怖が先行 しかし2021年3月16日時点で、17の欧州諸国がアストラゼネカ製ワクチンの接種を中断している。接種によって、「血栓塞栓症」につながる危険な血栓が生じる可能性があるとの報告を受けてのことだ。 これまで欧州連合(EU)とイギリスで接種を受けた1700万人超のうち、血栓が報告されたのは37人。また、イタリアでは接種後に突然死した事例も複数発生しているが、そうした事例がワクチンに直接関係しているかどうかはまだ確認されていない。 アストラゼネカ製ワクチンの接種を中断または中止した国は、オーストリア、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、アイスランド、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ルーマニア、スロベニア、スペイン、スウェーデンの17か国だ。 BBCの報道によれば、接種を継続しているのはポーランドのほか、ベルギー、チェコ、ウクライナだ。 世界保健機関(WHO)、欧州医薬品庁(EMA)、英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)などの多くの保健当局は、アストラゼネカのワクチンと血栓形成の関連性を示す証拠はないと強調している。 ===== 欧州医薬品庁はアストラゼネカ製ワクチンの調査を現在も継続しており、安全性に関する最新の調査結果を3月18日に発表する予定だ。 EUの主要3か国(ドイツ、フランス、イタリア)は3月15日、18日の欧州医薬品庁の判断を待ったうえで、接種を進めるか否かを判断すると発表した。 アストラゼネカは16日付の声明のなかで、自社製ワクチンを擁護し、「すべての人の安全性は当社の最優先事項だ」と述べた。 「当社は、国内の保健当局や欧州の関係当局と協力しており、今週発表される検証結果に期待している」とアストラゼネカは続けている。「現在までに、EUと英国で1700万人前後が当社のワクチンを接種している。この集団内で報告された血栓の事例数は、一般集団に接種した場合に予想される数百例という事例数よりも少ない」 アストラゼネカ製ワクチンは、アメリカではまだ使用が承認されていないが、同ワクチンを評価するフェーズ3臨床試験は、早ければ4月にも完了する見込み。 (翻訳:ガリレオ)