<メキシコ北東部で発見された化石を分析し、翼のように大きな胸びれを持つサメが白亜紀の約9300万年前に生息していたことを明らかになった......> フランス国立科学研究センター(CNRS)らの国際研究チームは、メキシコ北東部バジェシージョの石灰石採石場で2012年に発掘された化石を分析し、翼のように大きな胸びれを持つサメが白亜紀の約9300万年前に生息していたことを明らかにした。この新種は「アクイロラマナ・ミラルカ」と名付けられている。 サメとエイのキメラのような外観 2021年3月19日に学術雑誌「サイエンス」で発表された研究論文によると、この新種は、頭から尾までの長さが1.66メートルであるのに対し、1.9メートルもの長い胸びれを持ち、頭が短く、口が大きい。これらの特徴は、マンタ(オニイトマキエイ)やイトマキエイと似ている。 その一方で、ジンベイザメやイタチザメのような非相称の尾びれも持つ。つまり、この新種は、サメとエイの形態学的特徴を兼ね備えた、キメラのような外観となっている。 この新種は、尾びれで推進力を得ながら、胸びれを使って体を安定させ、比較的ゆっくりと泳いでいたとみられる。また、化石では歯が見つかっていないものの、幅広の大きな口には小さな歯があったものと考えられ、ジンベイザメやマンタのように、プランクトンを食べていたと推定されている。 頭から尾までの長さが1.66メートル、1.9メートル胸びれを持つ...... Image credit: Wolfgang Stinnesbeck サメの進化の解明に役立つ この新種の発見は、白亜紀の海洋生態系やサメの進化の解明に役立つものとして注目されている。 プランクトンを摂食する海棲生物は、現在、ジンベイザメやウバザメのような紡錘形の体型の種と、マンタやイトマキエイなど、翼のような胸びれを持つ種に分類される。 プランクトンを濾過摂食する白亜紀の海棲生物は、すでに絶滅した「パキコルムス科」のみが確認されていたが、この新種によって2種目が見つかった。この新種は、マンタやイトマキエイが現れる3000万年以上前に生息していたことになる。 これらのことから、研究チームは、「プランクトンを摂食する大型の海棲生物は、すでに白亜紀に生態形態学上、2つに分かれており、翼のような胸びれは、プランクトン食性のサメとエイでそれぞれ独立して進化したのではないか」と考察している。 メキシコで見つかった太古のサメの新種 Grupo REFORMA-YouTube