<京都の1200年にわたっての「花見」、「観桜会」の記録は、気候変動の生物学的影響を示す世界的に貴重な記録であることが示された...... > 京都地方気象台は、2021年3月26日、さくらの満開を発表した。平年より10日早く、過去1200年で最も早い。 京都では、遷都以来、「花見」、「観桜会」、「さくらの満開」など、さくらにまつわる出来事が日記や年代記に数多く記されてきた。大阪府立大学生態気象学研究グループ青野靖之准教授の研究チームは、これらの日記や年代記などを対象に史料調査を行い、812年以降のさくらの満開日をデータでまとめている。これによると、これまでに最も早かった満開日は、1236年、1409年、1612年に記録された3月27日であった。 京都のさくらの記録は、1200年にわたって遡ることができる点で、過去の気候の再構築に役立つとともに、気候変動の生物学的影響を示す代替的な指標のひとつとされている。 満開日のグラフは、「ホッケースティックのようだ」 米ボストン大学らの研究チームは、2009年4月に発表した研究論文で「9世紀まで遡る京都での花見の記録は、過去の気候を再構築し、地球温暖化や都市化に伴う気温上昇を示す、季節学で世界最長の記録だろう」と述べている。 ウィスコンシン大学ミルウォーキー校らの研究チームが2006年1月に発表した研究論文では、「地球温暖化に伴って、北半球の春が早く到来している」ことが示されている。 京都でのさくらの満開日をグラフで表わすと、約1000年にわたって比較的安定していた満開日が1830年代以降、どんどん早くなっていることがわかる。ワシントン大学の地球化学者エリック・スタイグ教授は、このグラフを「ホッケースティックのようだ」と表現する。 (資料:大阪大学) 「地球温暖化が過去数千年で例を見ないものであることを示す」 ペンシルベニア州立大学の気候学者マイケル・マン教授は、米紙ワシントン・ポストで「さくらの記録は、我々が現在直面している人為的な地球温暖化が過去数千年で例を見ないものであることを示している」と警鐘を鳴らしている。 ===== ●参考記事 ・2100年には1年の半分が夏に ・こんなに動いていた! 10億年のプレートの移動が40秒の動画で示される ・北磁極の移動速度が加速している......シベリアに向けて移動し続ける