<回答の選択肢に「中国ではげっぷをしたら唇を切り落とすのが普通」と記載> 米テキサス州の中学校で、社会科テストの設問に中国人に関する差別的な記述があり、担当教諭3人が休職処分を受けた。中学校を管轄する学区が、事実関係の調査を進めている。 問題が起きたのは、テキサス北部のブララック中学校。社会科の授業を受けていた女子生徒の姉が、テストの設問の写真を撮影した。設問には、このように書かれていた「以下のうち、中国で普通に行われていることとして正しいものはどれか?」 地元テレビ局KHOUによると、設問の選択肢は次の通りだった。「A.) レストランでげっぷをした人の唇を切り落とすのは、中国では普通のことである。B.) 飴1つを盗んだ子どもを杖で50回打つのは、中国の一部では普通のことである。C.) 猫や犬を食べるのは、中国の一部では普通のことである」 my sister's 6th grade social studies class took a quiz today and......... this is ridiculous.. harmful rhetoric in our education system is exactly why anti-asian hate crimes and racism persist today @CFBISD @BlalackMS do better pic.twitter.com/MCIjc0WI3z— joy (@joyjuheelim) March 30, 2021 (問題のテストを投稿したジョイ・リムのツイッター) 中国人団体が謝罪要求 写真を撮影した姉のジョイ・リムは、自身も同じ学区の中学校の卒業生で、ツイッターにこの写真を投稿して学区に連絡した。 「妹の肩越しにこの設問が見えたとき、とにかく衝撃を受けた」と、リムはKHOUに語った。「あれで問題ないと、いったい誰が考えたのか理解できない。教師がアジア系アメリカ人だったら、あの設問が出されることはなかったはずだ。自分が家にいて、この現場を押さえられてよかったと思う」 3月31日に学区が出した声明では、次のように弁明している。「テストの設問で使われた言葉は、侮蔑的で、人を傷つけるものだ。関係した教師らについては、調査が完了するまで、休職させる措置を取っている」 また、「よりインクルーシブ(包摂的)で敬意をもった環境を作る取り組みとして」、職員向けの多様性トレーニングを開始したばかりだとも述べた。 Statement Released by CFBISD#CFBISD pic.twitter.com/ZRJ88mgjgs— CFBISD (@CFBISD) March 31, 2021 (教師3人の休職を発表した学区の声明) 一方、テキサス州の中国人団体「ダラス・フォートワース・チャイニーズ・アライアンス」は4月1日、この学区に対して、関係した教師の解雇と、すべてのアジア系の生徒、保護者、コミュニティーに対する謝罪の表明を求める申し立てを行った。多様性への感受性を育てるトレーニングをすべての教師と生徒に受けさせることも求めた。 「担当の教師3人は、社会科教育テストで中国系アメリカ人に対する人種差別的な言語表現を用いたことで、アジア系アメリカ人の生徒を公然と差別し、いじめる行為をおこなった」と申し立ては述べている。「この学区や近隣コミュニティーのアジア系の生徒と家族は、ひどい侮辱を受け、憤っている」 ===== 新型コロナウイルスの感染拡大以降、アジア系アメリカ人を標的にしたヘイトクライムが全米で急増しており、それに抗議する「#StopAsianHate」(アジア系に対するヘイトをやめろ)運動も立ち上がっている。カリフォルニア州立大学の憎悪・過激主義研究センターの調査によると、全米の人口上位16都市で2020年に起きたアジア系に対するヘイトクライムは122件に上り、2019年から150%近く増加した。 別団体の「ストップAAPIヘイト」の調査で、2020年3月のパンデミック以降、アジア・太平洋諸島系(AAPI)に対する暴行の報告が3000件以上あったことがわかった。 今回のテストの問題が発覚する2週間前には、ジョージア州アトランタでヘイトクライムの疑いがある銃乱射事件が発生し、アジア系女性6人が殺害された。 トランプが煽った差別意識 民主党のグレース・メン下院議員(ニューヨーク州選出)や、暴力に反対する社会活動家らは、こうした暴力増加の責任はドナルド・トランプ前大統領によるパンデミックに関連した反中発言にあるとしている。 メンは2020年9月、アジア系アメリカ人を標的とするヘイトクライムの増加に言及しながら、「『チャイニーズウイルス』とか『武漢ウイルス』とか『カンフル(Kung-flu)』(カンフーとインフルエンザを組み合わせた表現)のような差別的な言葉を、とりわけトランプや、共和党下院院内総務のケビン・マッカーシーといった政治家が使うのは、もうたくさんだ」と述べた。 さらに「アジア系アメリカ人コミュニティーを利用して、新型コロナに対する人々の不安を煽ることも、もうたくさんだ」と、メンは述べている。 (翻訳:ガリレオ)