新型コロナウイルス感染症が世界に蔓延し、1年が過ぎた。 このコロナ禍は世の中のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を推し進めたが、コロナ対策においても国レベルの「デジタル力」が問われている。 「デジタル」を武器にコロナ制圧に成功している国と言えば、まずは「監視国家」の中国が挙がるが、もちろんそれだけではない。 ほかにはどんな国があるか。 接触確認や感染経路追跡、ワクチン接種証明......。ここでは「優等生」を4カ国選び、その取り組みを手短に紹介する。 なお、4月13日発売の「日本を置き去りにする デジタル先進国」特集(2021年4月20日号)では、中国の「デジタル・コロナ対策」の実態に迫る一方、台湾人も「監視」を受け入れているのはなぜかを検証した。 日本はそこから何を学べるのか――。 台湾 昨年2月にはデジタル担当相のオードリー・タン(唐鳳)が主導し、マスクの市中在庫をリアルタイムで確認できるアプリを3日間で開発する偉業もあったが、コロナ封じ込めに何より力を発揮しているのは徹底した感染経路の追跡だ。 隔離対象者には携帯電話を渡し、携行を義務付け。健康確認に使うだけでなく、隔離場所を離れるとすぐに警告を出す。 デジタル競争力世界11位の実力をいかんなく発揮し、感染者数は累計1000人強にとどまっている。 イスラエル 人口当たりのワクチン接種率は世界一。 接種を完了した人や感染後に回復した人は、アプリを通じて免疫があることを証明し、ホテルやレジャー施設などを利用できる「グリーンパス」を導入済みだ。 また3月には、帰国者や特定の国から入国した人は、空港でコロナ検査を受け、陰性の場合は国営ホテルで隔離期間を過ごすか、現在地を監視する電子ブレスレットの着用が義務付けられた。 隔離を守っていない場合は当局に通知が届く仕組みだ。 韓国 コロナ禍の初期から、注目を集めた「ドライブスルー方式」のPCR検査や、クレジットカードの利用履歴・監視カメラ映像などを活用した徹底した感染経路追跡を実施してきた。 感染者は1人1人、何月何日の何時にどこを訪れ、その後はどこに移動し......と行動履歴を当局のサイトで公開される(匿名化はされている)。 これで感染経路は特定できるが、それでも4月8日には新規感染者が3カ月ぶりの700人超に。気の抜けない状況が続く。 ===== イギリス 国営の国民保健サービス(NHS)が医療を一手に担うが、遅れていたそのDX化がコロナ禍で一気に進んだ。 集中治療室(ICU)内では、専用アプリを通して医療チームが意思疎通を図ったり、各自のタスクを管理。 また機械学習モデルを導入し、ICUのベッドや人工呼吸器の需要、患者の入院期間を予測してリソースを効率よく使えるようにした。 ビデオ会議ツールも広く導入され、医師と患者、家族間のコミュニケーションを容易にしている。