<インドで見つかった二重変異株への警戒が強まる中国だが、間もなく2億人が移動する「労働節」が始まる> 中国疾病予防コントロールセンター(CCDC)は4月29日、インドで見つかった新型コロナウイルス「二重変異株」の感染者が、中国国内でも確認されたと発表した。中国では、5月1日の「労働節」から5連休に入る。 CCDCが4月29日に北京で行った会見で、首席感染症専門家の呉尊友(Wu Zunyou)は、「インド変異株」の感染者が「国内複数の都市」で確認されたと発表した。ただし、詳細は明かされていない。この会見をきっかけにオンライン上では、5月1日からの労働節5連休中は水際対策を強化すべきだという声が多く飛び交っている。 約16カ月前に世界初の新型コロナウイルス感染者が確認された中国は、「二重変異株」である「B.1.617」による新たな感染拡大への懸念を抑え込むべく、公衆衛生対策にさらに力を入れようとしている。 呉は、国民が変異株に不安を抱くのは当然だとしたうえで、「新型コロナウイルスは、パンデミックの発生当初からずっと変異を続けている」と指摘。そして、パンデミックが終息するまで変異し続けるだろうと述べた。 「封じ込め対策を実施することが、変異株の感染拡大を止めると同時に、新たな変異を阻止するカギとなる」と呉は述べた。 呉の発表を受け、中国のメッセージアプリ「ウェイボー(微博)」では、新たに「中国の一部の都市でインド二重変異株が確認された」というハッシュタグが生まれた。記事の執筆時点では、このハッシュタグがついたメッセージが8000万回以上も閲覧されている。 中国の新規感染者は海外からの帰国者 中国の国家衛生健康委員会(NHC)によると、4月28日に中国国内で確認された新型コロナウイルス新規感染者は20人で、全員が海外からの帰国者だった。それ以外にも、無症状の感染者が14人確認されている(中国は、無症状感染者については別にカウントしている)。 28日の新規感染者のうち、11人は香港籍の貨物船「フアヤン・チャオヤン」の乗組員だ。この貨物船は、乗組員20人を乗せてインドを出発し、中国東部に位置する浙江省の寧波舟山港に入港した。 無症状者1人を含む感染者11人は全員、地元の衛生健康委員会の指示で隔離された。同委員会によると、地元住民との接触は確認されていないという。11人が感染しているウイルスが、インドの二重変異株なのか、ほかの変異株なのかは不明だ。 中国では、5月1日の祝日「労働節」から5連休が始まり、国内の旅行客は記録的な数に上る見込みだ。ほとんどが国内旅行で、5連休中は2億人以上が移動するとメディアは予想している。 ===== そんななか、ウェイボーのユーザーたちは、インドの二重変異株が中国でも拡散するのではないかという不安をあらわにしている。あるユーザーは、「インドからの航空便がまだ禁止されていないのはなぜなのか?」とコメントした。 「お願いだから、30日間の厳しい隔離を徹底してほしい」というコメントもある。 パンデミックが始まって以降、中国の感染者数は合計10万2474人、死者数は4845人にのぼっている。一方、インドでは世界最悪レベルで感染が急拡大している。4月28日の新規感染者だけでも37万9000人に上り、過去最高となった(編集部注:30日発表の新規感染者は38万6452人)。 二重変異株B.1.617は、2020年10月にインドで初めて確認された。この変異株の感染拡大が、同国における病床数と酸素の不足、さらには同国のコロナ対策が崩壊寸前に追い込まれている原因だとされている。 現地の様子を撮影した写真を見ると、畑や駐車場に当座しのぎで設置された場所で火葬が行われているようだ。28日には、これまでの合計の死者数は20万人を突破。感染者数も1840万人に迫り、非常に厳しい状態となっている。 (翻訳:ガリレオ)