<アメリカ海洋大気庁(NOAA)気候予測センターは、2021年の北大西洋のハリケーンは、「60%の確率で平年以上となる」との予想を発表した> 北米・中米に大きな被害をもたらした昨年のハリケーンだが、アメリカ海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)は、2021年6月1日から11月30日までの北大西洋のハリケーンシーズンについて「60%の確率で平年以上となる」との予測を発表した。 これによると、風速39マイル(約62.7キロ)毎時以上の熱帯低気圧が13〜20回、風速74マイル(約119キロ)毎時以上のハリケーンが6〜10回発生し、そのうち3〜5回は風速111マイル(約178キロ)毎時以上の大型ハリケーンになるとみられる。 海水温の上昇が熱帯低気圧の活動を活発にしている 気候予測センターでは、これまで、1981年から2010年までをもとに「熱帯低気圧12回、ハリケーン6回、大型ハリケーン3回」を平年値としていたが、2021年のハリケーンシーズンから、1991年から2020年までの最新の30年間をもとにこれを更新し、「熱帯低気圧14回、ハリケーン7回、大型ハリケーン3回」を新たな平年値と定めている。 また米コロラド州立大学でも、4月8日、2021年の北大西洋のハリケーンシーズンの予測を発表。これによると、熱帯低気圧17回、ハリケーン8回、大型ハリケーン4回が発生すると予測されている。 平年値が上昇した背景には、海洋大気庁の次世代環境観測衛星など、観測プラットフォームの改善に加え、気候変動に伴う気温や海水温の上昇により、熱帯低気圧の活動が活発化していることがあげられる。また、北大西洋の平均海面水温が数十年周期で変動する「大西洋数十年規模振動(AMO)」において、海水温が高い時期にあることも影響している可能性がある。 ハリケーンの風速は、60年前の2倍以上に 40年にわたる4000以上の熱帯低気圧の分析は、地球の気温が上昇するにつれてこうした嵐が頻繁になり、強さを増していることを示している。バミューダ諸島を襲ったハリケーンの風速は、60年前の2倍以上になっており、温暖化した海から強烈な破壊力を引き出している。 また、過去10年間のハリケーンが10%多い降雨量で、沿岸地域を氾濫させており、その数は今世紀末までに、30%上昇する可能性があると示されている。 このように北大西洋では平年以上のハリケーンシーズンになると予測されている一方、中央太平洋での熱帯低気圧の発生は平年並みもしくは平年以下と予測されている。 気候予測センターは、5月19日付の発表で、中央太平洋の2021年のハリケーンシーズンは「45%の確率で平年並み、35%の確率で平年以下」と予測している。 ===== 2021 Atlantic hurricane season expected to be more active, researchers say ●参考記事 ・太平洋上空の雲で史上最低気温、マイナス111度が観測される ・北極の氷が溶け、海流循環システムが停止するおそれがある、とのシミュレーション結果 ・米ミシガン州「500年に一度」の洪水被害 最高水位1.5mで1万人避難