<増加するいっぽうのスペースデブリ。国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されているロボットアームにスペースデブリが衝突した痕跡が見つかった> 1957年に世界初の人工衛星「スプートニク1号」が打ち上げられて以降、これまでに約1万1670個の衛星が地球周回軌道に送り込まれ、特定のミッションを行うことなく軌道を浮遊する「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」が増加している。 欧州宇宙機関(ESA)によると、2021年5月20日時点で、その数は10センチ以上のものが3万4000個、1センチから10センチまでのものが90万個、1ミリから1センチまでが1億2800万個と推定され、その総質量は9400トンを超えている。 ISSのロボットアームに衝突した痕跡が見つかった カナダ宇宙庁(CSA)は5月28日、「12日の定期検査の際、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されている『カナダアーム2』でスペースデブリが衝突した痕跡が見つかった」と発表した。 「カナダアーム2」は2001年に国際宇宙ステーションに搭載された、アームの長さ17メートル、重さ1497キロのロボットアームだ。その両端にはラッチ式エンドエフェクタ(LEE)が装備され、国際宇宙ステーションのメンテナンスや物資、機器などの移動、補給機とのドッキングのサポートなどを担っている。 カナダ宇宙庁とアメリカ航空宇宙局(NASA)の専門家チームは、痕跡が見つかった領域の画像を分析し、衝突の影響を評価。損傷はアームと耐熱ブランケットのごく一部に限られており、「カナダアーム2」の運用には影響がないという。事前の計画どおり、作業を継続してすすめる方針だ。 小さなサイズのデブリは追跡されていない 2016年には、国際宇宙ステーションに搭載されている欧州宇宙機関(ESA)の観測用モジュール「キューポラ」のガラス窓に微小デブリが衝突し、直径7ミリの丸い傷がつくという事象も発生している。 ハッブル宇宙望遠鏡に残された衝突の痕跡 (NASA) 世界中の宇宙機関がこのスペースデブリ問題を認識しており、23,000以上のソフトボール大以上のデブリは地球低軌道で追跡されている。しかし、それ以下のサイズのものは、小さすぎて追跡できていない。それでも、衝突する場合は、相対速度が秒速10~15kmの超高速衝突となり、金属板を突き破るなどの重大な損傷を与える可能性がある。 欧州宇宙機関のティム・フローレス氏は「宇宙での運用がもたらす科学、技術、データの恩恵を受け続けるためには、宇宙船の設計や運用において、スペースデブリ軽減に向けた既存のガイドラインをしっかりと遵守することが不可欠だ」と指摘し、宇宙の持続可能な利用の必要性を訴えている。 Space Debris-ESA