<OECDの調査では「女の子のほうが読書力も情報要約力も高い」とされるが、親として子供を読書に導く方法はある> 読解力では女の子のほうが男の子よりはるかに優秀――OECD(経済協力開発機構)でおなじみのこの調査結果は、オーストラリアの全国一斉テストNAPLAN でも見られる傾向だ。研究では、読書量が多いほど識字能力のさまざまな指標での成績も高くなることが示されている。典型的に、女の子のほうがより頻繁に読書し、本好きも多い。 両親も、娘のほうにより多く読み聞かせをするようだ。これは女の子を有利にするだけでなく、本は女の子のものとの認識を広げてしまう。 それでは、親や教育者は男女の読書ギャップをいかに埋めてやれるだろうか。まず、男の子と読書を結び付ける方法を探す必要がある。従来は、「男の子向きの」本を勧めるのが重要だ、とされていた。つまり、男の子が好むと言われるノンフィクションがその典型だった。 だがこの主張は、最近の数量調査ではむしろ裏付けられない。例えばOECD などの調べでは、男の子はフィクションをより好んだ。勝手な思い込みで男の子にノンフィクションを勧めるのは、いい結果につながらない。 フィクションはノンフィクションよりも、言語能力や読解力などの識字能力に結び付くことが多い。さらに、ノンフィクションを読む子はフィクションを読む子より読書の頻度が低いと調査は示している。 男の子にマンガを読むよう勧めることもあるかもしれない。子供はさまざまなタイプの文章に触れることで得るものがあるだろうが、マンガやメール、SNS 投稿、新聞、雑誌からは、フィクションと同程度の読書力を身に付けることはできない。 加えて、フィクションを読むことが、共感力やさまざまな視点から物事を見る能力など、社会的な力にもつながることが研究で示されている。男の子を読書に導き、読書に熱中させる6つの戦略を紹介しよう。 本人の興味に合わせて本を選び、親が手本に 1. 大人が同年代・同性の人々と興味や考え方が異なるように、男の子だって多種多様な興味と好みを持っているし、時とともに変化もする。 彼らが本当に興味を持つ本をマッチングしてあげるために、彼らの興味を常に把握しておくべく、読書の楽しみについて日常的に話し合おう。 2. 学校では授業で図書館を用いる機会も多いが、自由時間に図書館に通うのは女の子のほうが多い。だから授業で図書館を使う機会が減ると、男の子の読書量も減りがちだ。読書を推進するためには、本に触れる機会を増やすことが欠かせない。 3. できる限り長い間、男の子に読み聞かせをし、一緒に読書しよう。彼らの多くが、いくつになっても親との読書体験を楽しんでいる。 4. 忙しい毎日でも、家や学校で黙読する時間を与え、励まそう。 5. 紙の本に触れさせるようにしたい。日常的によく本を読む男の子は、女の子よりもむしろ、電子書籍で読むのを選ばない傾向がある。 6. 親が手本となり、読書を楽しくて満足できる娯楽に仕立てよう。自分が愉快に読書する姿を、子供たちに見せてやるといい。 OECD は、「男の子より女の子のほうが読書力も情報要約力も高い」と分析するものの、「男女間の能力の差よりも同性での個人差のほうがずっと大きい」と指摘している。だから、子供に何とか読書させたいと願う親は、男女の差ではなく、子供それぞれのニーズに応えるべきだ。 Margaret Kristin Merga, Senior Lecturer in Education, Curtin University This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.