<トランプ元大統領が政治活動を再開したが、「2020年の大統領選では勝ったのは自分だ」などの主張は陰謀論者にも通じなくなっている?> ドナルド・トランプ前大統領は6月26日、オハイオ州ウェリントンで退任後初めて大規模集会を開催し、支持者の前で演説を行った。 だが陰謀論を信奉するグループ、QAnon(Qアノン)をはじめとするトランプの長年の支持者はトランプの演説に不満を爆発させ、2020年の大統領選挙での敗北に関する「相も変わらずの」不満の繰り返しだと非難した。 最も狂信的なネット上のトランプ支持者を含むQアノンは、テレグラムという暗号メッセージング・アプリを通じて、トランプが「2022年(中間選挙)のための初の選挙集会」と称するこの場での演説に対する退屈と怒りを表明するメッセージを次々と投稿した。 彼らは、トランプが1月6日の米議会襲撃事件でトランプの呼びかけに応えて議会に押し寄せたために刑務所入りになった支持者たちに一言も触れなかったと、攻撃した。 また、「ワクチン」という言葉を口にしたことでも大いに顰蹙を買った。彼らは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)などデマでだと信じているからだ。 同じ不満、同じ批判 だが主なQアノンメンバーによるコメントの大半は、トランプの演説に対してあからさまな退屈を表明した。2020年11月の大統領選で自分は民主党候補のジョー・バイデンに勝利していたという根拠のない主張にはQアノンも飽き飽きしているようだ。 「私はトランプを100%支持しているが、文字通り3分前のトランプの演説で変節した。トランプの演説はもうたくさんだ」と、Qアノンを名乗るジェイコブはメッセージを送った。 「私のルームメイトは一般のトランプ支持者だが、彼らもトランプの演説にはうんざりしているようだ」と、別のQアノン信者は書いた。「私はトランプを支持するが、これじゃ話にならない」 「トランプ大統領のことは大好き。でも正直に言って、使い古した話ばかり。同じ話を何千回も聞かされたことか」と、アンマリー・カラブロはコメントした。 選挙集会を政敵の攻撃に利用するのはいつものことだが、民主党のナンシー・ペロシ下院議長やトランプの弾劾に賛成票を投じた共和党の下院議員アンソニー・ゴンザレスなど、攻撃対象はいつも同じだ。 トランプはアメリカが指導力を失ったせいで、アメリカ中心の世界秩序は崩壊の一途をたどっていると言い、その悲惨な実態を描写してみせた。「殺人、強姦、暴動、略奪、不正選挙がアメリカ全土で常態化しており、留まるところがない。どこを見ても大量殺人事件だらけだ」と、トランプは語った。 この大げさな表現を20年の大統領選で共和党の候補指名を目指したジョー・ウォルシュ元下院議員はツイッターで引用し、「まあそんなところだろう。僕は犬と散歩に行くよ」と、皮肉に付け加えた。