<年間500万人以上が「非最適温度」によって死亡している可能性があることが明らかとなった> 世界で年間500万人以上の超過死亡が異常低温や異常高温といった「非最適温度」に起因している可能性があることが明らかとなった。地球の気候変動と死亡率の関連を示す研究成果として注目されている。 死亡者全体の9.43%を占める 1880年以降、地球の平均表面温度は10年ごとに0.07度上昇し、1990年代以降は、その上昇幅が3倍になっている。2000年から2019年までの地球の気温は10年ごとに0.26度上昇し、産業革命以前から最も暑い期間となっている。 豪モナシュ大学と中国・山東大学の研究チームは、日本の43地点を含む、世界43カ国750地点を対象に、2000年から2019年までの異常低温または異常高温に関連する死亡率について調査し、2021年7月1日、オープンアクセスジャーナル「ランセット・プラネタリーヘルス」で研究論文を発表した。 これによると、世界で年間508万3173人が異常低温または異常高温により死亡し、死亡者全体の9.43%を占めている。この割合は、英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)らの研究チームが13カ国384地点を対象とする研究結果で示した7.71%よりも高い。異常気温に関連する超過死亡は、人口10万人あたり74人に相当する。 異常気温による超過死亡全体の50%がアジア 異常気温に起因する死亡の大部分は異常低温によるものだ。異常低温と関連する死亡者は年間459万4098人で、死亡者全体の8.52%を占める一方、異常高温と関連する死亡者は全体の0.91%にあたる年間48万9075人であった。また、2000年から2003年までの期間と2016年から2019年までの期間を比較すると、異常低温に関連する超過死亡率は0.51%低下した一方、異常高温に関連する超過死亡率は0.21%上昇している。 異常気温が死亡率にもたらす影響は地域によって異なる。異常気温による超過死亡全体の51.49%をアジアが占めており、23.88%のアフリカがこれに次ぐ。アジアとアフリカでは異常低温と関連する死亡者が多く、アジアでは年間約239万人、アフリカでは約118万人が死亡している。一方、異常高温と関連する死亡者は欧州や東南アジアで多く、欧州では年間約17万9000人が死亡している。 2019年度「世界の疾病負担研究(GBD)」では、心血管疾患や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、下気道感染症などを引き起こすおそれがあるとして「非最適温度」が危険因子のひとつに挙げられている。 異常高温に関連する死亡が増加し続ける 研究論文の共同著者でモナシュ大学のユーミン・グォ教授は「長期的な気候変動では、異常高温に関連する死亡が増加し続けることから、死亡負荷は高まるだろう」との見通しを示し、「気候変動下での『非最適温度』の実際の影響をより正確に把握するためには、地球のあらゆる地点からデータを収集することが重要だ」と説いている。 ===== 49.6°C: Deadly Canada heat wave shatters temperature records | DW News Death Valley scorched by 130F as blistering temperatures hit West Coast fuelling wildfires