<哺乳類や鳥類の多くは、労せずに食餌を得るよりも、何らかの対価を払って得ることを好む傾向があるが、ネコは例外だった......> イヌ、クマ、ブタ、齧歯類、霊長類などの哺乳類や鳥類の多くは、労せずに食餌を得るよりも、何らかの対価を払って得ることを好む傾向があり、これを「コントラフリーローディング(逆たかり行動)」という。 性別、年齢、差異はみられず、活動的なネコでさえ... 一方、ネコにはコントラフリーローディングがみられない。1971年に発表された研究論文では、実験室で、飼い猫6匹に、タスクをこなすと得られる餌とトレーから自由に食べられる餌を与えた結果、すべての飼い猫がトレーにある餌を食べたことが示された。 米カリフォルニア大学デービス校のミケル・デルガド博士らの研究チームは、この研究結果に対して「家庭環境にいるネコならばコントラフリーローディングがあるのではないか」、「活発なネコにはコントラフリーローディングがあるのではないか」との仮説を立て、規模を拡大して同様の実験を実施。その研究成果を2021年7月26日に学術雑誌「アニマル・コグニション」で発表した。 この実験では、室内で飼育されているイエネコ17匹を対象に、ネコが餌を探しながら食べる仕掛けを施した給餌器「フードパズル」と餌がそのまま入っているトレーを床に配置。イエネコに活動量計を装着し、室内の様子を動画で撮影して、行動を観察した。 その結果、いずれのイエネコも「フードパズル」の餌よりもトレーの餌を多く食べ、うち8匹は「フードパズル」の餌にほとんど手をつけなかった。また、性別、年齢、「フードパズル」の経験の有無で差異はみられず、活動的なネコでさえ、トレーの餌を選んだ。 なぜネコにコントラフリーローディングがみられないのかは謎 とはいえ、ネコが「フードパズル」を好まないというわけではない。デルガド博士らの研究チームは、2016年4月に発表した研究論文で、「フードパズル」がネコの減量や問題行動の軽減などに寄与することを明らかにしている。 なぜネコにコントラフリーローディングがみられないのかは謎のままだ。デルガド博士は、獲物を待ち伏せして捕らえるネコの狩猟行動に着目し、「『フードパズル』がネコの狩猟本能を刺激しなかったのかもしれない」と考察している。