「アステイオン」の記事一覧

アメリカを統合する大前提が「今回壊れた」可能性は何パーセントか

<アメリカのフェアネス(公平性)、イギリス・カナダとの違い、そしてカギとなるのは2026年だという発言も飛び出した。バイデン時代のアメリカはどうなるのか。フォーラム『新しい「アメリカの世紀」?』より(後編)> 「超大国アメリカの没落」など、「アメリカの世紀の終わり」はしばしば議論されてきたが、今後はどうか? 論壇誌「アステイオン」編集委員長の田所昌幸・慶應義塾大学教授と、同編集委員で特集責任者の待鳥聡史・京都大学教授、小濵祥子・北海道大学准教授によるオンラインフォーラム『新しい「アメリカの世紀」?』...

繰り返される衰退論、「アメリカの世紀」はこれからも続くのか

<トランプからバイデンへと代わるが、今後のアメリカはどうなるか。今回の「アメリカ衰退論」はこれまでと違うのか、アメリカ・ファーストとは何だったのか......。フォーラム『新しい「アメリカの世紀」?』より(前編)> 2021年1月20日、バイデン政権へと交代する。「アメリカの終焉」「超大国アメリカの没落」など、「アメリカの世紀の終わり」はしばしば議論されてきた。それでもアメリカの動向に世界がいまだに注目し続けていること自体は、現在も「アメリカの世紀」が続いていることを示唆している。 しかし、今後のア...

今のアメリカは「真ん中」が抜け落ちた社会の行きつく先

<アメリカ社会は「真ん中」が抜け落ちてしまった。「文化戦争」が激化し、共和・民主両党の支持者の一部が相手党を「国の脅威」と認定するまでになっている。論壇誌「アステイオン」93号は「新しい『アメリカの世紀』?」特集。同特集の論考「真ん中が抜け落ちた国で」を3回に分けて全文転載する(本記事は最終回)> ※第1回:労組に入らず、教会に通わない──真ん中が抜け落ちたアメリカ ※第2回:報道機関の「真ん中」の消失、公共インフラの惨状が深めた分断から続く 妥協を困難にする「文化戦争」 こうなると「真ん中」が抜け...

報道機関の「真ん中」の消失、公共インフラの惨状が深めた分断

<『ルポ トランプ王国』で話題の金成隆一氏は、アメリカ社会は「真ん中」が抜け落ちたようだとする。「真ん中」の2つ目は「パブリックの軽視」だ。論壇誌「アステイオン」93号は「新しい『アメリカの世紀』?」特集。同特集の論考「真ん中が抜け落ちた国で」を3回に分けて全文転載する(本記事は第2回)> ※第1回:労組に入らず、教会に通わない──真ん中が抜け落ちたアメリカから続く 真ん中が抜けたメディア メディアも、他者と出会える場としての中間集団と捉えることができないだろうか。メディアが多様な視点を伝えていれば...

労組に入らず、教会に通わない──真ん中が抜け落ちたアメリカ

<『ルポ トランプ王国』で話題の金成隆一氏は、豊富な有権者取材の経験から、アメリカ社会は「真ん中」が抜け落ちたようだとする。そしてその「真ん中」には3つの意味があるという。論壇誌「アステイオン」93号は「新しい『アメリカの世紀』?」特集。同特集の論考「真ん中が抜け落ちた国で」を3回に分けて全文転載する(本記事は第1回)> 私は2014年から4年半ほど、ニューヨークを拠点に各地を取材して歩いた。2015年11月以降はトランプ支持者を中心に有権者の取材に力を入れ、トランプ政権の発足後も定点観測を続けてい...

大学入試「現代文」の人──山崎正和から託されたもの

<2020年8月19日、86歳でこの世を去った山崎正和。「戦後最後の知識人」などと訃報が報じられたが、「劇作家」が唱えた「社交」、そして「公徳心」という私たちへのメッセージとは何だったのか> あなたが山崎正和の名を初めて見聞きしたのはどこであっただろうか。政府・行政機関の有識者として新聞などメディアを通じて知っている人もいるだろうが、多くの人にとっては「水の東西」『社交する人間』『柔らかい個人主義の誕生』など、大学入試や模試の「現代文」での出合いだったのではないだろうか。 その「現代文の人」は今年8...

丸山眞男研究の新たな動向

<資料のコピーや構想メモから校正刷りまで、物を捨てない性格だった丸山眞男。そのことが丸山眞男研究をこれからも発展させ続ける可能性を持つ> 『リベラリストの肖像』(二〇〇六年)を刊行し、サントリー学芸賞を頂いてから、早くも十四年がたった。この旧著は、原則としてすでに公刊されている丸山の著作・講義録と対談・座談会、そして自筆の手稿や書簡を翻刻した本を資料に用いてまとめたものである。 しかし、書いていたときにはそれだけを参考にしたわけではない。丸山眞男の旧蔵書と、自宅に遺された草稿・ノート・メモの類は、す...

コロナ騒動は「中国の特色ある社会主義」の弱点を次々にさらけ出した

<政治の民主化なくとも経済発展は可能という中国式の社会市場経済(中国模式)は一帯一路を通じて、特に発展途上国の見本となってきた。しかし、新型コロナウイルス問題の発生で状況は一転する。論壇誌「アステイオン」92号は「世界を覆うまだら状の秩序」特集。同特集の論考「習近平の社会思想学習」を2回に分けて全文転載する> ※転載前半:中国経済は悪化していたのに「皇帝」が剛腕を発揮できた3つの理由より続く。 「習近平=神」論 ここ数年、中国は「一帯一路」を通じて、「中国模式」を世界に鼓舞するようになった。すなわち...

中国経済は悪化していたのに「皇帝」が剛腕を発揮できた3つの理由

<中国式の社会市場経済(中国模式)は、習時代になるまで成功を収めていた。その後経済は悪化したが、個人情報が取り放題の中国はAIで世界をリードするかに思われた。そんなときに新型コロナウイルス問題が起こり、ジャーナリスト近藤大介氏の仮説は揺らぐことになる。論壇誌「アステイオン」92号は「世界を覆うまだら状の秩序」特集。同特集の論考「習近平の社会思想学習」を2回に分けて全文転載する> この原稿を執筆している二〇二〇年四月現在、日本のニュースは新型コロナウイルス関連一色と言っても過言ではない。私が日々、イン...

ロシアの脅威と北欧のチャイナ・リスク──試練の中のスウェーデン(下)

<ヨーロッパにおけるロシアの勢力拡大、民主主義の脆弱性を突いてくる中国は、東・西や保守・革新といった従来の対立軸とは異なる問題をあぶり出している。論壇誌「アステイオン」92号は「世界を覆うまだら状の秩序」特集。同特集の論考「変わりゆく世界秩序のメルクマール――試練の中のスウェーデン」を3回に分けて全文転載する> ※第1回:スウェーデンはユートピアなのか?──試練の中のスウェーデン(上) ※第2回:保守思想が力を増すスウェーデン──試練の中のスウェーデン(中)より続く。 再認識されるロシアの脅威 この...