「アフガニスタン」の記事一覧

米軍はベトナムで起きた悲劇を、アフガンでも繰り返そうとしている

<米軍のアフガニスタン完全撤退は8月末に迫っているが、タリバンの報復を恐れる「米軍協力者」たちの国外退避は進まず> バイデン米政権は8月末までにアフガニスタンから米軍を完全撤退させるとしている。だが米軍が去れば、米軍に協力してきた通訳などのアフガン人が反政府武装勢力タリバンに報復される恐れがある。 タリバンが支配地域を急速に拡大するなか、多くの現地協力者とその家族が国外退避を希望。アメリカに永住できる特別移住ビザの申請件数は2万件に達しているが、手続きは遅々として進んでいない。タイムリミットが迫るな...

バイデンはアフガン人戦争協力者を見捨てなかった

<9.11テロの20周年を前に米軍が撤退した後、タリバンの報復を受けることを恐れていた現地協力者は、特別なビザで空路、国外退避することになった> 8月末までにアフガニスタンからの米軍撤退を完了させ、9.11同時多発テロ後20年続いた米史上最も長い戦争を終わらせようとしているジョー・バイデン米大統領は、現地で駐留米軍の通訳などとしてアメリカに協力したアフガニスタン人を空路で退避させることにした。米軍が去った後、米軍と戦った反政府勢力タリバンの報復を受ける恐れがあるためだ。同計画に詳しい2人の人物が本誌...

米軍に協力したアフガニスタン人、アメリカに見捨てられタリバンに殺される危機が迫る

<移民ビザの発給が間に合わなければ、米軍とともに働いた現地の通訳やその家族らはタリバンに殺される危険性がある> サイゴン陥落でベトナム戦争が終結した1975年4月。南ベトナムにいたアメリカ人がヘリコプターで一斉に脱出するなか、ワシントンでは若き上院議員がこう主張していた。「1人だろうと10万人プラス1人だろうと、アメリカには南ベトナム人を救出する責務は一切ない」 救出計画つぶしの急先鋒だったその議員こそ現在の米大統領、ジョー・バイデンだ。 そして、20年に及んだ戦争の末に米軍がアフガニスタンから撤退...

プロポーズを断っただけなのに…あまりに理不尽に殺害された若き女性の悲劇

<アフガニスタンを訪れていた若い女性が銃殺された事件の容疑者は、プロポーズを断った彼女を執拗につけ狙っていた> パキスタン東部パンジャブ州の州都ラホールで、悲惨な殺人事件が起きた。女性1人が銃で殺害され、現地の警察は容疑者の男2人を捜索している。被害者の女性は、容疑者のうちの1人から受けたプロポーズを断わったと報じられている。 ロンドン在住でロースクールの卒業生のマイラ・ズルフィカル(24)は5月3日、家族の結婚式のため滞在していたラホールの賃貸アパートの一室で、血だまりのなかで死んでいるところを発見された。BBCが引用している法的文書によれば、ズルフィカルはある男からプロポーズを受け、それを断ったために、その男を含む2人の男に脅されていたという。 パンジャブ州警察のシドラ・カーン警視は報道陣に対し、検死報告の第一報を引用するかたちで、ズルフィカルは首と腕を撃たれたあとに失血死したと述べた。また、首も絞められていたと警察は考えているという。 4月には拉致され暴行を受けそうに パンジャブ州警察のサイード・アリはニュースサイト「Dawn」に対して、「われわれは2人の容疑者を捜索しており、追ってさらなる詳細を発表する予定だ」と語った。5月5日時点で逮捕者はいないが、首都イスラマバードとラホールで捜索が続いていると、事件の捜査責任者はBBCに語っている。 アリによれば、警察は監視カメラの映像を調べているほか、遺体のそばで発見されたズルフィカルの携帯電話の解析も進めているという。 BBCによれば、ズルフィカルは殺害される数日前から、自らの命が脅かされていると警察に訴えていたという。4月20日の警察の調書によれば、ズルフィカルはその数日前にある男に銃を突きつけられて拉致され、性的暴行を受けそうになったと訴えていた。 ズルフィカルは逃亡できたものの、男は彼女にこう言ったという。「逃げられると思うな。殺してやる」 ズルフィカルは拉致事件のあと、警察に保護を求めたと報じられている。ラホールにあるズルフィカルの自宅近所に住む人たちによれば、警察はこの地区を訪れ、拉致に使われたとみられる車を捜索していたという。 ===== だが、近所の住人たちがBBCに話したところでは、ズルフィカルのアパートからはしばしば言い争う大声が聞こえ、あるときには、ナイフを持った男たちが道路でズルフィカルを脅している姿が目撃されていたという。 ズルフィカルのおじであるモハマド・ナゼールは、姪がプロポーズを断わったあとに2人の男と揉めており、「悲惨な結末」を迎えると脅されていたと本人から聞いたと、ガーディアン紙に語っている。 ジェンダー平等で世界ワースト3位 ベルギー国籍を持つズルフィカルは、家族の結婚式に出席するため、2カ月ほど前にロンドンからパキスタンへ渡った。家族はロンドンへ戻ったが、ズルフィカルはラホールにとどまることを決めたという。イギリス外務省は、家族への対応をベルギー大使館に引き継いだとBBCは報じている。 国際女性デーにカラチで行われた女性たちのデモ行進(2021年3月8日) Akhtar Soomro ズルフィカルの事件は、パキスタンで蔓延する女性への暴力を象徴している。「世界ジェンダーギャップ指数2020」では、パキスタンはジェンダー平等に関して世界ワースト3位とされており、女性の85%は、一生のどこかの時点でジェンダーに基づく暴力を経験する。パキスタンは、女性の健康と生存という点でも世界ワースト5位とされている。 ズルフィカルの葬儀はラホールで5月4日に執りおこなわれた。ウェストロンドンにある家族の自宅近くでも、祈りが捧げられた。 (翻訳:ガリレオ) ===== 【写真】理不尽に殺害されたズルフィカルの生前の写真 Revealed: British law graduate killed in Pakistan 'by two men who wanted to marry her' was shot twice https://t.co/F6vZnaloK7— Daily Mail U.K. (@DailyMailUK) May 5, 2021

米軍アフガニスタン撤退…どれくらいの国民が支持している? トランプの反応は?

<今年の9月11日までにアフガニスタンから米軍を完全に撤退させるというバイデン政権の方針について、有権者はどう考えているのか?> 米同時多発テロから20周年に当たる9月11日までに、アフガニスタンから米軍を完全撤収する──。バイデン米大統領が4月14日にそう発表して以来、議会共和党は「敵前逃亡であり、重大な過ちだ」(ミッチ・マコネル上院院内総務)などと猛反発している。 だが意外な人物から賛同の声が上がった。トランプ前大統領だ。9月では遅いと小言を並べつつも、アフガニスタン撤退は「ワンダフルで、ポジテ...

アフガンの戦場から米兵が去った後、殺人マシンによる「永続戦争」が残る

<バイデン大統領はアフガン駐留米軍の9月11日までの完全撤退を表明したが、残酷な21世紀型の戦闘は見えない形で続く> ジョー・バイデン米政権がついにアフガニスタン駐留米軍を全面撤退させると決めた。イスラム原理主義勢力タリバンとの怪しげな「和平合意」を口実としたドナルド・トランプ前政権の日程よりは少し遅れるが、あの9.11同時多発テロから20年の節目までに撤退を終えるという。イラクでの戦争も、国際テロ組織アルカイダの掃討も過去の話、ということにしたいのだろう。しかし、アメリカの終わりなき戦争に終わりが...

迫る米軍のアフガン撤退 40年戦争の「正しい」終わらせ方

<撤退期限を5月1日に控え、駐留延長かアフガニスタンの不安定化かで揺れ動くバイデン政権に求められる決断> ジョー・バイデン米大統領の政権は、アフガニスタンの長年の泥沼からついに抜け出すことができるのだろうか。 新政権が誕生したとき、バイデンはアフガニスタン政策について究極の選択を迫られていた。昨年2月にトランプ前政権が反政府勢力タリバンと合意したとおり、5月1日までに約2500人の駐留米軍を完全撤退させ、アフガニスタンが不安定化するリスクを取るのか。もしくは5月1日の期限後も駐留を続けることでタリバ...

過去最悪の治安情勢で、祖国アフガニスタンを捨てる人たち

<駐留米軍の完全撤収が迫るなか民間人攻撃が急増、故国を捨てて移住する動きが再び広がっている> ほこりまみれの街並みと雪を頂いた山々が眼下を飛び去っていく。飛行機がエンジン音を立てて上昇するなか、アフガニスタンのパスポートを握り締めたジャワド・ジャラリ(30)の目に涙があふれた。故国から去るのは、たやすいことではない。 「戦争はとてもむごい」と、報道写真家のジャラリは言う。「全てを奪われる。仕事も安全も、希望も夢も」 アフガニスタンでの紛争が始まってから20年近くがたち、アメリカは同国からの完全撤収に...

アフガン首都カブールで爆弾爆発、少なくとも6人死亡 標的の副大統領は無事、タリバンは関与否定

アフガニスタンの首都カブールで9日午前、サレー第1副大統領を標的にしたとみられる道路沿いの爆弾が爆発、副大統領は無事だったが、少なくとも6人が死亡した。反政府武装勢力、タリバンは関与を否定した。 サレー氏の事務所の報道官はフェイスブックで「アフガニスタンの敵がきょう再び、サレー氏に危害を加えようとした。しかしサレー氏は無傷で攻撃から逃れた」と述べた。 報道官は、ロイターに対し、爆弾はサレー氏の車列を標的にしたもので、複数の護衛官が負傷したと語った。 保健省の報道官によると、爆発で少なくとも6人が死亡...

ロシア諜報機関の汚れ仕事を担う、「29155部隊」は掟破りの殺し屋集団

<アフガニスタンの米兵に懸賞金を懸けた「29155部隊」──目的のためなら手段を選ばない秘密部隊の動向でロシアの狙いが見えてくる> ロシア軍の諜報機関である参謀本部情報総局(GRU)がアフガニスタンの武装勢力に金を渡し、現地にいるアメリカ兵を殺させている──そんな暴露記事がニューヨーク・タイムズ紙に載ったのは6月26日のこと。4日後の続報ではGRU系の銀行口座からタリバン系の口座への送金記録が存在することも明かした。 GRU──それはロシア大統領ウラジーミル・プーチンの命を受け、地の果てまでも出向い...