「アメリカ経済」の記事一覧

失業率と平均時給が「同時に上昇」──コロナ不況の米労働市場で何が起きていたのか

<通常、景気の悪いときには失業率が上昇し、平均時給は低下する──しかし、2020年4月に米国労働省が公表した雇用統計では、いずれも上昇するというイレギュラーが起こった。この現象を、統計学のトリックを使って読み解く> 「感染者数は指数関数的に増加している」「実効再生産数が1を上回った」──新型コロナウイルス感染症をめぐる日々の報道により、これまでの日常生活で聞かれなかった専門用語や情報を耳にする機会が増えた。 指数関数(y=aのx乗)のように1つの変数(x)に対してもう1つの変数(y)が飛躍的に変化し...

米中貿易額の激増:垣間見えるバイデン政権の本性

5月7日の中国税関総署発表によれば、今年に入ってからの米中貿易額は昨年同期の61.8%増を記録し他国を大きく引き離した。対中強硬姿勢を示す一方で、アメリカは大いに中国からの輸入を増やしている。 61.8%増に跳ね上がった米中貿易額 今年5月7日、中国の海関(税関)総署は、「2021年1月から4月までの輸出入主要国別・地域別総額(貿易額)表」を発表した。 あまりに多岐にわたり、表が見づらいので、その中から「貿易高が比較的大きな国・地域」および「同期増加率が比較的大きな国・地域」をいくつか選んで以下に図...

キャピタルゲイン増税案をめぐるウォール街と米政府の攻防

<バイデン大統領は富裕層に対するキャピタルゲイン税率の倍増を提案へ。一部州では税率が50%を超える可能性も> 米国市場ではここ数日、バイデン大統領が今週打ち出す見込みのキャピタルゲイン(資産売却益)増税案が話題の中心となっている。 報じられたところによると、バイデン大統領は育児や教育支援などを柱とする新たな経済対策「米国家族計画」の財源として、年間所得が100万ドルを超える富裕層のキャピタルゲイン税率を現行の20%から39.6%に引き上げることを提案する。 一定以上の所得に課せられる純投資所得税(N...

マイク・タイソンやJay-Zも…黒人起業家が大麻ビジネスに続々参入の深い訳

<合法化の拡大が新規参入のチャンスに黒人起業家が大麻ビジネスに新たな風を起こし始めた> 活況に湧く大麻ビジネスの世界で、黒人が経営する企業が次々に誕生している。この分野でも多様性の欠如は依然として深刻な問題だが、黒人起業家たちは、有色人種が不当に多く罰せられてきたアメリカの「麻薬戦争」に新たな1章を書き加えようとしている。 アメリカでは現在36州(係争中のミシシッピ州を含む)で、医師が処方する医療用大麻の使用が合法とされている。嗜好目的の使用は、ニューヨーク州で今年3月末に解禁する法案が可決されるな...

トランプ大減税を巻き戻し、格差縮小を目指すバイデンの法人税増税案

<トランプが大幅に引き下げた法人税を取り戻し、巨額インフラ投資計画で雇用と中間層を救う計画だが、甘い汁を吸ってきた企業の反対も強い> ジョー・バイデン米大統領は、2兆ドル規模のインフラ投資計画の財源を賄うために、法人税率の引き上げを提案。アメリカの複数の大手企業CEOが、これを全面的に支持すると表明している。複数のホワイトハウス関係者はこの法人税率の引き上げについて、2017年に共和党政権が実施した富裕層と大企業優遇の減税措置を撤回するものだと言っているが、共和党とワシントンの企業ロビイストたちは増...

大口投資家がビットコインの買い占めに走り、個人投資家には「サトシ」しか残らない?

<怪しげで投機的と思われてきたビットコインを、機関投資家や大企業がビットコインを大量に買い始めたのはなぜか> 機関投資家や大手企業は、価格下落に乗じて仮想通貨ビットコインの買い増しを行っているようだ。彼らがビットコインの将来価値を信じている証拠だ。 大手による投資はビットコインの価格上昇や相場の安定につながる可能性がある。だがビットコインの分割所有が可能な限り、個人投資家が市場から追い出されることはないだろうと、アナリストは請け合うが......。 外国為替・仮想通貨調査会社クオンタム・エコノミクス...

注目される米国のインフレリスク──当面はインフレ高進がコンセンサスも、持続的なインフレ加速の可能性で分かれる評価

<コロナ不況後の景気刺激策でアメリカは深刻なインフレに陥るのか、それとも限定的なインフレで収まるのか、警戒が強まっている> *この記事は、ニッセイ基礎研究所レポート(2021年2月22日付)からの転載です。 1.はじめに 米国で1.9兆ドル(名目GDP比9%)規模の追加経済対策成立の可能性が高まる中、サマーズ元財務長官が大規模な経済対策によって「一世代でみられなかったようなインフレ圧力を引き起こす」可能性に言及したことから、米国のインフレリスクに注目が集まっている。 インフレ指標は昨春にかけて大幅に...

ビットコイン、大手企業の買いで反発。インフレヘッジ資産の地位確立か

<反発のきっかけは著名投資家の前向き発言。「ビットコインはインフレに対する最高のヘッジ資産」> 週明けに急落した仮想通貨ビットコインの価格は、2月24日の取引で反発した。複数の大手企業が長期保有目的で購入を続けたためだ。 仮想通貨情報サイトのコインデスクによれば、ビットコイン価格は24日午前の取引でいったん5万1369ドルに上昇したものの、再び下落。その後4万9884.07ドルまで値を戻し、過去24時間で5.27%の上昇を記録した。 ビットコインは21日に史上最高値の5万8356ドルに達した後、23...

中国はアメリカを抜く経済大国にはなれない

<中国の経済は近いうちにアメリカを上回って世界一になると予想する声は多いが、労働人口と生産性の動向に着目し、中国は永遠に二番手のままで終わるという説が登場した> 中国の経済は2050年になっても依然としてアメリカを上回ることはできず、世界第2位に留まる可能性がある、という分析を、ロンドンを拠点とする経済調査会社キャピタル・エコノミクスが発表した。 同社の予想は、中国の経済力が遠からず世界一の経済大国アメリカを超えるという一般的な見方を覆すものだ。 中国の経済的影響力は、アメリカのように着実には増加し...

そしてアメリカ経済の「回復」が始まる

<どんな経済支援策よりもワクチン、貿易摩擦削減と脱炭素への取り組み。議事堂襲撃事件の衝撃が走るアメリカだが、「トランプ」と「新型コロナウイルス」という、2つの現象の先に見える経済と株式市場の展開を読む> (※1月5日発売の本誌「2021年に始める 投資超入門」特集より。編集部注:一部の情報は2020年12月末時点のものです) 2021年のアメリカ経済と株式市場では、2つのドラマが複雑に絡み合って展開される。トランプ以後と、新型コロナウイルス以後の物語だ。 言うまでもないが、トランプ時代は1月20日に...