「アメリカ」の記事一覧

硫黄島記念碑の星条旗にアメリカ人が見いだす真の意味

<歴史家キース・ロウが解き明かす、太平洋戦争が米国旗に与えた決定的な意味> 戦争の記念碑が立てられるのは、勝利を祝福し、敗北を嘆くためだ。建物の壁に多くの戦死者の名前が刻み込まれるのは、後世が彼らの犠牲の上に成り立っていることを知らしめるためだ。 しかし時代や社会の価値観が変わって、英雄とたたえられてきた人がもはや英雄ではないと見なされるようになったら、その記念碑や銅像はどうすればいいのか。 イギリス人歴史家のキース・ロウは新著『歴史の囚人──記念碑は歴史と私たちについて何を物語っているか』(セント...

カリフォルニアでも再び感染爆発、その理由

新型コロナウイルスが猛威を振るうアメリカで、いまホットスポットとなっているのはニューヨークではなくカリフォルニアだ。 12月16日、カリフォルニア州の1日当たりの感染者数が全米の州で初めて5万人を超えた。同州の累計感染者数は176万人と全米50州で最も多く、ロサンゼルス郡では今、80人に1人が感染している。 ロサンゼルスとサンディエゴを含む南カリフォルニアではICU(集中治療室)の空床率が0%となり、医療現場も逼迫。 郡当局は感染の急速な拡大は11月下旬の感謝祭での移動が原因であるとし、クリスマスと...

全身が炎症を起こす新型コロナ関連の小児病MIS-Cで米初の死亡例

<さまざまな臓器に炎症が広がるこの病気は、アメリカではなぜかラティーノと黒人の子供に多く症例が出ている> 今週ロサンゼルスで、新型コロナウイルスの関連症状「小児多臓器炎症候群=MIS-C (Multisystem Inflammatory Syndrome in Children)」によって1人が死亡したことを、カリフォルニア州の保健当局が明らかにした。 この患者は、ロサンゼルス子供病院で治療を受けていたが、MIS-Cの合併症によって死亡した。患者には「複雑な、心臓病の持病があった」と病院の広報は説...

希望者殺到、ロサンゼルス・ドジャースの駐車場に自動車の行列ができた理由

全米で2番目に感染者数の多いカリフォルニア州。 感染者数の100万人超えを受けてMLB球団ロサンゼルス・ドジャースの本拠地の駐車場にPCR検査所を設置すると、受付時間を延長するほど希望者が殺到した。 州外からの旅行者に到着後2週間の隔離措置を勧告したが11月26日の感謝祭で大勢が移動。当局の不安は増すばかりだ。 <2020年12月8日号掲載>...

「17秒に1人が死亡」アメリカより深刻なヨーロッパのコロナ第2波

<一方で新規感染者数が減少しているという、明るい兆しも見えている> 新型コロナウイルスの第2波が欧米を襲うなか、死者の数ではアメリカよりもヨーロッパのほうが深刻であることが分かった。WHO(世界保健機関)のハンス・クルーゲ欧州地域事務局長によると、11月9日からの1週間で欧州のコロナ死者数は2万9000人以上。同時期の死者数が約8720人のアメリカに比べて3倍以上に上る。 クルーゲによると、いま欧州では毎日平均4500人の命が失われている。「17秒ごとに1人が亡くなっている」とクルーゲは警鐘を鳴らす...

世界のワクチン開発競争に日本が「負けた」理由

<ファイザーとモデルナのワクチン治験が最終段階に入るなか、日本がワクチン開発競争に出遅れたのは必然だった。キーパーソンへの取材で見えてきたこの国の障壁とは> 新型コロナウイルスのワクチン開発で、日本はなぜ出遅れたのか。開発の先頭集団を走る欧米や中国の製薬企業は臨床試験の最終段階の途上にあり、早ければ10月末にも試験の結論を得て年内承認の可能性もある。対する日本はといえば1社が第1/2段階に進んだが、多くの臨床試験入りはこれからだ。 日本政府の姿勢は「海外頼み」に映る。米国のファイザーとモデルナ、英国...

米大統領選:トランプ「逆転勝利」に奇策あり

<予想外の接戦の立役者となった、新たな「トランプ票」とはどんな人たちだったのか。また、トランプ大統領が描く延長戦のシナリオとは? トランプ陣営内の情報に詳しい小谷教授が徹底解説> 事前の世論調査に反して接戦となった要因は? また、ドナルド・トランプ大統領が描く「逆転勝利」のシナリオとは──。トランプ陣営内の情報に詳しい小谷哲男・明海大学教授に本誌・小暮聡子が聞いた(取材は11月5日午前)。 ◇ ◇ ◇ ――投票前の世論調査と比べて現時点での結果をどうみているか。 確かに各種世論調査が示していた状況と...

米大統領選でバイデンが勝っても、欧州は「トランプ以前」には戻れない

<ヨーロッパがアメリカの安全保障にただ乗りする時代は終わった。例えバイデン大統領が誕生しても、ヨーロッパは幻想を抱いてはならない―ー。> アメリカ大統領選は、2020年の世界政治の最も重要なイベントであり、アメリカの民主主義だけでなく、米欧が協調する「大西洋主義」の命運をも決定付ける出来事となる。 トランプ大統領が再選されれば、大西洋主義が今後4年続くこと、あるいはアメリカとヨーロッパが今後も有意義な形で一致することが疑問視されるだろう。それは災難続きだった今年、世界に降り掛かる真の災難となる。 幸...

WTOの選考委員会、次期事務局長にナイジェリアのオコンジョイウェアラ氏推薦 米は反対

世界貿易機関(WTO)の選考委員会は28日、次期事務局長にナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相を推薦する意向を表明した。 一方、米国はオコンジョイウェアラ氏ではなく韓国産業通商資源省の通商交渉本部長、兪明希(ユ・ミョンヒ)氏を支持するとし、選考委の方針に反対する考えを示した。 事務局長選はWTO加盟164カ国が全会一致で承認する必要があり、加盟国が一国でも反対すれば成立しない。 トランプ米政権は既に、WTOの紛争処理機関で最高裁に相当する上級委員会の委員補充を拒否し続け、紛争処理の機能...

ローラの次はデルタ、1カ月半で再びハリケーンが米南部直撃

8月末にハリケーン「ローラ」が米南部ルイジアナ州を直撃して壊滅的被害をもたらしてからわずか1カ月半。 新たなハリケーン「デルタ」がまたも同州に上陸した。 ローラほどの勢力ではないものの、州内外で60万戸以上が停電。 10月10日の同州南西部クレオールを捉えた空撮写真は、爪痕の大きさを物語っている。 <2020年10月27日号掲載> ===== ルイジアナ州を襲ったハリケーン「デルタ」被害の様子 Good Morning America-YouTube...