「イラン」の記事一覧

イランの「北朝鮮製」ロケットを、欧米が全く怖がっていない理由

<軍事転用も可能なはずのイランのロケット打ち上げ実験だが、いまいち話題にはなっていない> イランが小型衛星の打ち上げを試みていたらしい。衛星を宇宙に打ち上げるロケット技術は、長距離ミサイルに軍事転用できる。その実験が、イラン核合意を立て直すための交渉が大詰めを迎えていた6月12日に行われていたとなれば穏やかではない。 だが、この打ち上げはさほど大きな話題になっていない。最新の衛星写真によると、イランは新たな打ち上げの準備もしているらしいのだが......。 どうやらそれは、12日の打ち上げが失敗に終...

イラン核交渉の妥結が、大統領選挙に間に合わなかったせいで起きること

<大統領選前に立て直し交渉で妥結すれば、強硬派のライシ次期大統領にとって有利だったはずだが......> イランで4年ぶりの大統領選が行われた先週は、イラン核合意の立て直し交渉が妥結すると期待されていた週でもあった。 核開発にひた走るイランに待ったをかけるため、イランと6カ国(アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリス、ドイツ)が「包括的共同作業計画」に合意したのは2015年のこと。イランが濃縮ウランの製造などを大幅に縮小するのと引き換えに、国際社会は経済制裁を段階的に解除するはずだった。 ところが...

イラン人口の1/3が苦しむ水不足だが…中東の対立解消へのチャンスにできる

<ペルシャ湾岸諸国の中でイランは海水淡水化で出遅れている。米バイデン政権が一役買えば全ての国に利益がもたらされる> かつて偉大なペルシャ文明を生んだ地が、いま干上がろうとしている。今年のイランは50年来の深刻な干ばつに見舞われている。総人口約8500万人のうち、約2800万人には水が足りない。地域としては主に中部と南部。都市部の住民も農業地帯も悲鳴を上げている。 苦境に立たされているのはイランだけではない。世界で最も水資源の乏しい17カ国のうち、12カ国はペルシャ湾の沿岸諸国を含む中東・北アフリカに...

「狂信者」アハマディネジャドが、まさかの民主派に転身して復活

<大統領選への再立候補の失格判定はアハマディネジャドの読みどおり。今やリベラルを自称する策略家の狙いは> 狂信的イデオロギーや強硬な外交政策、激しい対米・対イスラエル批判──マフムード・アハマディネジャド前大統領時代のイランといえば、そんな特徴が記憶に残る。 だが2013年に大統領を退任して以来、ポピュリスト的扇動にたけたアハマディネジャドは、もっぱらイランの統治システムを攻撃対象にしてきた。そうした動きが頂点に達したのは今年5月。6月18日に予定される大統領選への再立候補を届け出たのだ。 イラン大...

インドネシア、中国・イランのタンカー摘発 経済制裁逃れの石油「瀬取り」か

<詳細が明かされないのはインドネシアの中国への「忖度」との声も> インドネシアの裁判所は5月25日、"瀬取り"をしていたとされる石油タンカー2隻の中国人船長とイラン人船長2人に対して「海上に不法に燃料を放棄した」「インドネシア領海に不法に侵入した」として執行猶予付きの禁固1年の有罪判決を下したことを明らかにした。 地元メディアなどによると、パナマ船籍のタンカー「MTフレア」の中国人船長ヨー・クン被告とイラン船籍のタンカー「MTホース」のイラン人船長メディ・モンハセムジャロミ被告は、1月にインドネシア...

イランで同性愛の男性を親族が惨殺

<革命防衛隊から届いた兵役免除通知で同性愛を知った親族の男3人に首を切断された疑い> イランで5月上旬、20歳のアリレザ・ファゼリ・モンフェアド(通称アリ)が、同性愛者であることを理由に殺害される事件があった。アリが同性愛を理由に兵役を免れたと知った男性親族3人が、彼の首を切って殺したものとみられている。 fanpage.it/YouTube 報道によれば、イラン南西部アフワーズ出身のアリは、5月4日に殺害された。ロンドンに拠点を置くペルシャ語放送局のイラン・インターナショナルが8日に報じたところに...

中東の「暴発」と貿易網の「破壊」を招きかねない大国同士の対立激化

<昨年末からイスラエルへの挑発を強めるイランだが、両国の政治の変化がさらなる危機をもたらす可能性も高まっている> イランとイスラエルの間で緊張が高まっている。双方が攻撃の応酬を続けつつ、攻撃者不明の場合も互いを批判。5月5日にはイラン革命防衛隊のサラミ司令官が、昨年末からの数カ月間にイスラエルが受けた10の攻撃を挙げ、イスラエルの貿易の90%を占める海上交通を破壊することは簡単だとして、11件目の攻撃の可能性を示唆した。 イランによる挑発の背景には、同国とアメリカの核合意交渉が行き詰まりを見せている...

王毅中東歴訪の狙いは「エネルギー安全保障」と「ドル基軸崩し」

中国の狙いに関して日本では対米対抗のためという画一化された分析が散見されるが、中国の真の狙いは自国の「エネルギー安全保障」と「石油人民元」構築にある。以下、順不同だが、重要なものから考察する。 イランとの25年間の協力協定が意味するもの 3月27日、中国の王毅外相とイランのザリフ外相が、25年間の経済、政治や貿易の強化等を謳った「包括的戦略パートナーシップ協定」に署名した。これにより中国はイランから25年間にわたって安定した石油の提供をイランから受けつつ、イランに対しては石油化学製品、再生可能エネル...

バイデン政権のシリア爆撃が、ロシア、シリア政府、トルコ、イランが「暴力の国際協調」を招いた

<バイデン政権による初の軍事攻撃は、2020年3月以降、小康状態が続いていたシリアに、ロシア、トルコ、「イランの民兵」、シリア政府、クルド民族主義勢力が攻撃の手を強める結果を招いた......> バイデン政権発足後初となる軍事攻撃 米国のジョン・カービー国防総省報道官は2月25日(日本時間26日)に声明を発表し、シリア領内でイランが支援する武装グループに対して爆撃を実施したと発表した。 声明の内容は以下の通り: バイデン大統領の指示により、米軍は今晩早く、シリア東部でイランが支援する武装グループが利...

バイデンのシリア空爆の背景にある「イランとの駆け引き」とは

<核合意をめぐり、アメリカとイランのぎりぎりの神経戦が続いている> バイデン米大統領は2月25日、イランの支援を受けた武装勢力がひそむシリア東部の施設への空爆を指示した。 米国防総省によれば、2月半ばにイラク北部で米軍駐留拠点の周辺がロケット弾攻撃を受けたことへの報復だという。 バイデンが空爆に踏み切った背景には、核合意をめぐるイランとの駆け引きがある。 長年にわたって敵対してきた両国の関係は、オバマ政権下の2015年に締結された核合意をトランプ政権が一方的にほごにしたことで再び悪化。バイデンは就任...