「インタビュー」の記事一覧

米ファウチ所長「大統領選前のワクチン完成は非現実的」

<ワクチン完成を急かすトランプ大統領と対立する国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は、「ホワイトハウスの情報発信は人々の疑念につながっている」と語る> 米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は、アメリカで最も有名な新型コロナウイルス感染症の専門家。感染症のパンデミック(世界的流行)だけでなく、それに伴う政治的混乱のこともよく知っている。 ファウチは現在、11月3日の大統領選前にワクチンの完成を急がせるトランプ大統領と対立しているところだ。大統領選前にワクチンの承認を強行する大...

美学者が東工大生に「偶然の価値」を伝える理由──伊藤亜紗の「いわく言い難いもの」を言葉にしていくプロセスとは

人は、情報の大半を視覚から得ていると言われます。では、目が見えない人たちは世界をどのように認識しているのでしょうか。 本人ですら、いわく言い難いその感覚を、美学者の伊藤亜紗さんは当事者との対話から探り、自著「目の見えない人は世界をどう見ているのか」で、見るという行為そのものを揺るがしました。 伊藤さんは「雲が流れゆくのを淡々と眺めるように、身体に何が起こるかを淡々と見ていく」と言います。 身体を通じて見えてきた「世界の別の顔」とは。 ◇ ◇ ◇ 見えない世界の「見え方」 伊藤:目の見えない人たちが、...

パンデミックの今こそビジネスを始める好機──米著名起業家マーク・キューバンの提言

<著名起業家が語る学び続けることの大切さ、人種差別抗議デモへの思い、そして経済戦争の戦い方まで> 著名な起業家で、NBAのダラス・マーベリックスのオーナーでもあるマーク・キューバンは、起業志願者のプレゼンを受けて投資先を決めるABCの人気番組『シャーク・タンク』のレギュラー出演者でもある。歯に衣着せぬ発言で知られる彼がジャーナリスト、ジョーダン・ハービンジャーのポッドキャストに出演。人種差別への抗議運動に対する考えや、彼ならではの起業家論、中国との経済戦争などについて語った。 ■コロナ禍における経営...

最側近クシュナーの勝算「大勝利に足るトランプ支持者は確実にいる」

<義理の息子で「何でも屋」、ジャレッド・クシュナーがトランプ政権での役割と大統領選勝利へのロードマップをインタビューで明かした> 6月中旬、ジャレッド・クシュナーに本誌・ビル・パウエルが話を聞いた。 ◇ ◇ ◇ ──2017年1月の大統領就任当時、トランプは自身の役割をどう考えていたか。 いま振り返ると前世の話のようだ。あの頃私は、彼がホワイトハウスで自分なりのやり方を習得する手助けをしていた。彼の耳目となって優秀な人材を活用し、信用できない人間に目を光らせる必要があった。常に彼を支えた。私はトレン...

「正しさ」から生まれた「悪」を直視する──哲学者・古賀徹と考える「理性と暴力の関係」

福岡・博多湾を臨む米軍ハウスに暮らす哲学者、古賀徹さん。 理性がときに暴力性を帯びる問題を、日本社会の事象や自身の人生から考察した「理性の暴力 日本社会の病理学」の著者です。 古賀さんは、「多数派の人たちが『これが善だ』と思っているところから『悪』は汗のように分泌されてくる」といいます。 「労働も、生産も、医療も、防災も、防衛も、ありとあらゆるものが高度に理性化されている。にもかかわらずそこには意図せざる暴力がなぜか湧き出てくるのである」(『理性の暴力』から) 自著などで綴られる言葉の数々や語りを行...

ロボットに「居場所」ができるのは、人々に飽きられたとき──クリエイター・吉崎航の見据える夢

ロボットの要となるソフトウエアの世界を牽引してきたクリエイター、吉崎航さん。横浜に計画中の「動く実物大ガンダム」など、話題のプロジェクトにもかかわってきた。 そんな彼にあえて聞いた。「人間がいるのに、なぜ代替物のロボットに興味を持つんですか?」 語りだした、吉崎さんの世界観とは。 ◇ ◇ ◇ 吉崎:「人間がいるのに、なぜ代替物のロボットに興味を持つのか?」という質問、すごく面白いですね。そうか、そういう風にロボットを見るんだなあ、と思いました。 ロボット=代替物という考え方は一面では正しい。でもそれ...

物語にしばられ、しがみつく──為末大は「侍ハードラー」に酔い、苦しんだ

逆境に耐えて勝つ、弱点を克服する、仲間と助け合う──。 アスリートの「物語」には、王道のテンプレートがあると、元プロ陸上競技選手の為末大さんは言います。 小柄な日本人が技と知恵で世界を舞台に戦う「侍ハードラー」。自分も、そんな「物語」のなかで生きる心地よさと苦しさをともに経験した、と。 「『物語』に苦しんでいると分かっても、自ら書き換えることは難しい。その人自身がその『物語』にしがみついている面がありますから」 為末さんに、「物語」と向き合うことを話してもらいました。 僕は自分をずっと観察していない...