「ウイグル」の記事一覧

「北京五輪を容認すれば、ヒトラーに譲歩したときと同じ禍根を招く」英与党重鎮がボイコットを訴え

<かつて対独宥和政策がナチスドイツの台頭と第二次大戦を招いた過ちを繰り返してはならない> イギリスの与党・保守党の元党首が、2022年に開催される北京冬季五輪に政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を呼びかけた。中国当局のウイグル族に対するジェノサイド(民族大量虐殺)を非難する一方で、中国のオリンピック開催を容認するのは「ヒトラーに対する宥和」にも等しい行為だというのだ。 英議会で北京冬季五輪の外交ボイコットの声があがり始めたのは、7月初め。英議会の委員会は、ウイグル族イスラム教徒に対する「迫害を...

習近平最大の痛手は中欧投資協定の凍結──欧州議会は北京冬季五輪ボイコットを決議

バイデンが主導しようとしている対中包囲網は見せかけが多く軟弱だが、欧州議会がウイグル人権弾圧問題で中国の報復制裁に対して決議した「中欧投資協定の凍結」ほど、習近平にとって手痛いものはない。欧州議会は北京冬季五輪ボイコットをさえ呼びかけている。 EUがウイグル問題に関して制裁 今年3月22日、EU(欧州連合)主要機関の一つである「欧州議会」は、中国のウイグル人権弾圧に対して制裁を科すことを議決した。制裁対象となったのは以下の4人と一つの機構である。 ●王君正(新疆ウイグル自治区・副書記、新疆生産建設兵...

バイデン政権の中国企業制裁はポーズだけ?

9日、米商務部は中国企業23社を新たに制裁リストに追加したと発表した。どういう企業で、中国に痛手を与えるか否かを分析したところ、アメリカ製品を使っていない企業が多く、中国の痛手は軽微であることが判明。 アメリカ商務部が制裁追加を発表 7月9日、アメリカの商務部は中国政府による新疆ウイグル自治区での人権侵害に関わったとする中国企業14社を含む23社(22社+1人)を貿易の制裁リスト(エンティティ・リスト)に加えると発表した。これは、「アメリカの製品を、これらの企業に輸出してはならない」という決定である...

中国共産党100周年式典は、習近平ただ1人を礼讃するイベントと化した

<共産党の未来は、習近平の未来。後継者指名を先送りにして強権支配を続ける習の前途に、毛沢東の教訓がちらつく> 世界有数の厳重飛行制限空域である北京の大通りの上空に現れたいくつものヘリ──中国共産党の結党100周年記念式典の最終リハーサルが始まったのは、本番の2週間前だった。 「100」の字を組んで編隊飛行するヘリが、私の自宅の窓の向こうを飛び過ぎていく。青・黄・赤のスモークをたなびかせたジェット機がその後を追い、けたたましい音を立てて天安門広場へ向かった。 100周年記念式典に際して軍事パレードは行...

ウイグル「ジェノサイド」は本当だった:データが示すウイグル族強制不妊手術数

多くのウイグル人が中国にいる親族友人が強制避妊手術を受けていると訴えてきたが、なかなか客観的データとして示されなかった。このたび不妊手術総数と出生率のデータを入手したので、ここに真実であることを示す。 とびぬけて多いウイグルの不妊手術総数割合 まず単刀直入にデータから先に示そう。 2019年の『中国保健衛生統計年鑑』(年鑑)には表「8-8-2」として「2018年各地区計画生育手術状況」というのがある。ここには中国の全ての省市自治区の「節育手術総数」が示されている。 用語を説明すると「計画生育」という...

IOCは罪深い北京五輪を中止せよ──新疆や香港での人権抑圧を追認するな、と人権団体

<2008年の北京夏季五輪のときは、五輪開催が人権状況の改善につながるとIOCは言った。だが現状は、当時よりはるかに悪化している> 中国が少数民族に対する人権侵害を行っているとして、ウイグル人やチベット族、香港市民などを代表する複数の組織の連合が、2022年に北京で開催される冬季五輪の完全ボイコットを呼びかけている。 チベット行動協会の活動家ラドン・テトンはAP通信に対して、IOC(国際オリンピック委員会)との話し合いの時間はもう終わったと語った。彼女は2008年に北京で開催された夏季五輪のときにも...

恐るべき江沢民の【1996】7号文件──ウイグル「ジェノサイド」の原型

1996年3月19日に江沢民は中共中央政治局発【1996】7号文件を発布し実行したが、それこそが今日に至るウイグル人「ジェノサイド」の原型になっている。実態をたどると結果的に日本が後押ししたことが見えてくる。 【1996】7号文件が出てきた経緯 1996年3月5日から17日にかけて、北京の人民大会堂で全国人民代表大会(全人代)が開催された。この全人代では第9次五ヵ年計画が発布されて「今後5年間の経済発展と、2010年までの遠景(中長期)計画」が発布された。 全人代が閉幕した2日後の3月19日、江沢民...

米中「悪魔の契約」──ウイグル人権問題

中国が堂々とウイグル人弾圧を強化できたのは、2002年にアメリカが中国にイラク制裁を認めさせる代わりに、ウイグル人を弾圧するための東トルキスタン・イスラム組織の存在をアメリカに認めさせるという契約を交わしたからだ。 「9・11事件」で接近した米中 2001年9月11日にニューヨークで同時多発テロ事件(9・11事件)が発生すると、紆余曲折を経ながらアメリカはテロ事件の首謀組織であるアルカイダとイラク政府がつながっているとみなすようになった。アメリカのブッシュ大統領は2002年初頭の一般教書演説で「イラ...

ウイグル問題制裁対象で西側の本気度が試されるキーパーソン

欧米諸国がウイグル弾圧に対して行っている制裁の中で、トランプ政権以外は避けている弾圧指揮の張本人がいる。日本がウイグル問題制裁に踏み切るか否かと同時に、バイデン政権が覆すか否かも同時に問われる。 その名は陳全国・新疆ウイグル自治区書記 日本人にはあまり馴染みがないかもしれないが、中国には少数民族弾圧で名高い「陳全国」という人物がいる。現在、新疆ウイグル自治区の(中国共産党委員会)書記をしている。 彼こそがウイグル民族弾圧の総指揮者だ。 ところが今年3月22日にEUが発動し、イギリス、カナダ、オースト...

ウイグル弾圧で最も虐げられる女性たち 虐待の悲惨さと、必死の抵抗

<非人間的な弾圧が続いても黙り続けることなく、中国政府の強引な同化策に抗う力を発揮する> 中国の新疆ウイグル自治区で行われている少数民族弾圧は、この最悪の専制国家にしても最高に陰湿なものと言える。少なくとも2017年以降、収容所に送られたウイグル人などは推定で100万人以上。どこにでもある監視の目、強制労働や妊娠中絶・不妊手術の強制疑惑、宗教施設や民族社会の破壊、そして墓場荒らしの報告もある。 アメリカの前国務長官マイク・ポンペオは退任間際の1月19日に、中国政府の行為をジェノサイド(集団虐殺)と呼...