「カルチャー」の記事一覧

台湾の人気映画からにじみ出る、台湾人の自意識と本当の「親日」度

<かつての「台湾ニューシネマ」から、娯楽重視のエンタメ路線へ。変わる台湾映画ににじむ社会と政治と人々の変遷> 映画はスクリーンの中と外の2つの時をアーカイブする。1987年の戒厳令解除後、台湾人が自ら台湾史を撮り始めてから、わずか30年余り。映画が映し出すのは、あの時撮れなかった物語だけではない。今、人々はどんな物語を見たいのか、映画はその社会の欲望の証言者でもある。 現在日本で公開中のジョン・スー(徐漢強)監督『返校 言葉が消えた日』(2019年)は、戦後、国民党による恐怖政治が行われた白色テロ期...

【独占インタビュー】マドン監督が語る大谷翔平「やっとショーヘイという人間が分かってきた」

<「球団は偉大な才能を邪魔してはいけない」エンゼルスのマドン監督が本誌に語った大谷翔平との関係性、二刀流での連日出場を解禁した舞台裏、ショーヘイが一番気にしていたこと> メジャーリーグ史に残る大谷翔平の「リアル二刀流」を開花させたロサンゼルス・エンゼルスの名将ジョー・マドン監督。今季の大谷はどうして成功したのか。米野球界にとって大谷はどんな存在か。MLB専門ジャーナリストのスコット・ミラーがマドンに聞いた。 ◇ ◇ ◇ ――あなたはこの夏ずっと、ファンやライバルチームの選手たちの大谷に対する反応を見...

コロナ禍で考えた日本人の正義感と「他人への忍耐の強要」

<名古屋入管でのスリランカ女性死亡事件やコロナ禍の「自粛警察」を見て、日本人の正義感について考えさせられたが......> 文化摩擦という現象は研究していて心が弾むものではない。そもそも、文化摩擦と呼ばれる現象の多くは、互いの文化特有の物の考え方や見方をめぐる独断や理解不足などが原因とされる。日本を訪れた外国人に日本人のイメージを尋ねると、 優しい、親切、真面目といったプラスのイメージのほか、人見知りとか冷たいというマイナスのイメージも聞かれる。 なぜこのような両極端なイメージがあるのだろうか。私と...

「レオ様」激似の顔を持つ男…その数奇な運命と、たどり着いた境地

<行く先々でうり二つと言われてウンザリもしたが、ファンが喜ぶ顔を見て今の仕事を続けることに> 「似ている、そっくりだ」と言われだしたのは『ギルバート・グレイプ』が全米公開された1993年頃からだ。自分でも映画を見に行って、「確かに」と思った。 以来、レオナルド・ディカプリオがスターダムを駆け上がるにつれ、会う人たちに言われるようになった。「うり二つだ、他人とは思えない」 ディカプリオ主演の『タイタニック』が大ヒットすると、事態はさらにエスカレートした。当時私は20代初め。サンフランシスコに住んでいた...

コロナ後の初旅行には、大自然を思いきり体験できるアドベンチャーを

<コロナが終息したらどこに旅行に行きたい? 氷の洞窟から、噴火中の火山、謎の「迷子ツアー」まで、おすすめの旅先を紹介> コロナ禍のせいで閉じていた国境が、少しずつ開き始めた。夢にまで見た旅に向けて、準備を始めた旅行好きも多いはず。失われた時間を一気に取り戻すため、ここは大自然を巡る冒険旅行に出掛けてみては? ===== 01. 氷の洞窟を探検 デナリ国立公園(米アラスカ州) MICHAEL PHAM デナリ国立公園では、数千年に及ぶ氷の作用で出来上がった洞窟を専門ガイドと一緒に探索しよう。園内の18...

韓国ドラマで不動の人気「GOT7」ジニョン、米俳優デビューの「話はある」

<この夏は自作のソロシングル「DIVE」をリリース。裁判官を演じた異色ドラマのヒットで俳優業も絶好調> 韓流スターには、歌、ダンス、演技と3拍子そろった才能の持ち主が多い。韓国の男性アイドルグループGOT7のパク・ジニョン(26)も、その1人。歌もダンスもこなし、現在は話題のドラマ『悪魔判事』に出演中だ。 俳優でシンガーソングライターのジニョンは、コロナ禍の間も「ありがたいことに、とても忙しかった」と言う。ソロシングル「DIVE」など新しいプロジェクトに取り組むジニョンが、本誌の独占取材で近況を語っ...

中国系スーパーヒーローが活躍するマーベル新作映画が中国当局の気に障った理由

<「反中」要素はないはずなのに──巨大市場の興行収入を期待していたマーベルの親会社ディズニーの大誤算> マーベル・スタジオの新作映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、北米ではレーバーデーの祝日を含めた9月第1週の週末にオープニング興行収入で歴代トップを記録、快進撃を続けている。 中国系のスーパーヒーロー、シャン・チーの宿命の戦いを描いたこの映画、なぜか中国では検閲当局の許可が一向に下りず、公開の目処が立っていない。スクリーンに炸裂するカンフーアクションを楽しみにしていた中国のマーベルコミック...

オークションで「至宝」を見抜き、競り勝つために必要なもの

<ヘミングウェイの書簡、ナポレオンの死亡報告書、エディソンの試作品......。なぜ次々と大発見ができるのか。史料文書のプロ、ネイサン・ラーブが『歴史の鑑定人』に綴った歴史的至宝にまつわるミステリアスな物語> インターネットオークションやフリマアプリが身近な今、歴史上の偉人が書いた文書や著名人が使っていた物品を手に入れるのは、さほど難しくないようにも感じられる。 けれども、画面の中で見つけたそれらは、本当に真正品(ほんもの)だろうか。そんなに簡単に見極められるものだろうか。 『歴史の鑑定人――ナポレ...

環境破壊への警鐘を鳴らし、見る人の心を揺さぶるアート作品たち

<立ち枯れた木々、海中に沈む彫刻の森、ボートから眺める作品群など。芸術の力で人々に行動を呼びかける9作品> アートの世界では、作品を介して気候変動や環境問題への関心を高めようという動きが出ている。作品から何かを感じてもらえれば、解決に向けた行動や自然との関係の再構築につながるはずと作家たちは期待している。 ===== 01. 『ゴースト・フォレスト』 マンハッタン(ニューヨーク) ROBERT NICKELSBERG/GETTY IMAGES ゴースト・フォレストとは、海水面の上昇、ハリケーンや干ば...

神は6日で世界を造ったとの「真実」を理解する意味…理不尽な世界に対峙する「神学」の力

<「なぜ」と問う力──リベラルアーツの本質はICUの神学から学ぶ。話題の本『ICU式「神学的」人生講義 この理不尽な世界で「なぜ」と問う』の一部を抜粋紹介> 国際基督教大学(ICU)で必須教養科目の「キリスト教概論」を担当する魯 恩碩(ロ・ウンソク)教授によると、ICUのリベラルアーツ教育とは、「なぜ」の精神を持つ学生を育てることであり、そこに「キリスト教概論」の存在意義があるという。なぜか。 キリスト教になじみのない者は、信仰とは、神を賛美することと思うかもしれない。しかし、聖書を読むと、多くの場...