「カルチャー」の記事一覧

七五三にしか見えない日本の成人式を嘆く

<成人した者を祝福するという趣旨から、成人した者が感謝して志を誓う機会へと変えてはどうか> コロナ禍の真っ只中に迎えることとなった今年の成人の日。日本では今年度、124万人が成人になる。本来なら、新年明けの三連休に開催が予定されていた成人式だが、大きく影響が及んだ。キャンセルされる成人式もあれば、オンラインに切り替えたところや延期されたところもあった。 通過儀礼を大事にする日本は、初宮参りに始まり、七五三などさまざまなイベントがあるが、成人式は結婚前の最大の晴れ舞台。前々から振袖姿でのこの日を思い描...

ゴールデングローブ賞は時代遅れの差別主義? 英語5割未満で作品賞から排除

<各国の映画祭で絶賛された『ミナリ』がアカデミー賞の前哨戦で作品賞にノミネートされず> 昨年、韓国である映画『パラサイト』が米アカデミー賞で4冠を制し、大きな話題となった。世界中から今後の韓国映画に期待を寄せられているなか、ある映画の国籍をめぐって意見が分かれていることはご存じだろうか? 映画『ミナリ』は、1980年代アメリカ南部アーカンソー州の農場へ移民としてやってきたある韓国人家族の物語だ。アメリカンドリームをつかもうと土地を買い、様ざまな困難にいき当たろうとも希望を忘れず前を向き懸命に生きてい...

大人気ドラマの世界を再現した「愛の不時着展」に行ってみた!

<韓国財閥令嬢と北朝鮮軍人の恋を描くヒットドラマ『愛の不時着』の展示会では、数々の写真や映像、小道具が見られるが......> 日本のNetflixで配信開始されたのが昨年の2月下旬。10カ月以上たっても、いまだに根強い人気があるのが韓国ドラマ『愛の不時着』だ。今月初めに主演2人の熱愛報道が出たためか、再びNetflixの視聴ランキング「今日の総合トップ10」で1位に浮上している(1月8日現在)。 韓国の財閥令嬢でアパレルブランド社長のユン・セリ(ソン・イェジン)と、北朝鮮の軍人リ・ジョンヒョク(ヒ...

「オタ活」がはらむリスクに無自覚な若者たち──オタクコミュニティの残念な現実とは

<同じ趣味嗜好を持っていても、オタクの実社会におけるステータスは人によって大きく異なる。経済基盤のない若いオタクがそこで高額消費マウンティングに巻き込まれた末路には> *この記事は、ニッセイ基礎研究所レポート(2020年10月5日付)を要約して転載したものです。 オタクの活動の場は時代の流れとともに変化している。インターネットの登場により、「2ちゃんねる」のような大型匿名掲示板での交流が、オタクの情報交換の場の中心となった。 2ちゃんねるは、オタクたちの情報が集約される集合知のような機能を果たしてい...

硫黄島記念碑の星条旗にアメリカ人が見いだす真の意味

<歴史家キース・ロウが解き明かす、太平洋戦争が米国旗に与えた決定的な意味> 戦争の記念碑が立てられるのは、勝利を祝福し、敗北を嘆くためだ。建物の壁に多くの戦死者の名前が刻み込まれるのは、後世が彼らの犠牲の上に成り立っていることを知らしめるためだ。 しかし時代や社会の価値観が変わって、英雄とたたえられてきた人がもはや英雄ではないと見なされるようになったら、その記念碑や銅像はどうすればいいのか。 イギリス人歴史家のキース・ロウは新著『歴史の囚人──記念碑は歴史と私たちについて何を物語っているか』(セント...

書くことは「撃つ」こと、考えること。簡単ではないが、書ける人は強い

<名文記者として知られる朝日新聞編集委員、近藤康太郎氏。その彼が、いい文章を書くための25の文章技法を惜しみなく明かしたのが、新刊『三行で撃つ』だ。本書には、数多の文章術の実用書と決定的に異なる点がある> 「誰でも書ける」「すぐ書ける」「簡単に伝わる」と謳う文章セミナーや実用書が人気だ。しかし、果たして、そうした惹句は誠実なのか。 じっさいに、文章で何かを表現しようとしたことがある人は、すぐに気づくだろう。文章を書くということは、考えるということだ。その営みが簡単なわけはない。 最初の三行で、読者を...

韓国、ハイテクからデコ盛りまでコロナ禍で生まれた個性派マスクたち

<マスクをする人など皆無だった韓国も、コロナ禍の今年はマスクが日常的なものになり、さまざまなバリエーションが誕生した> 新型コロナウィルスの世界的感染拡大により、マスクの着用が当たり前の生活となった。日本のように日常的にマスクを着ける人が多い国以外の諸外国も、今ではマスクを手放せない生活を送っている。 人々は着用に慣れてくると、より快適な素材で、より効果があるマスクを開発し始め、さらには別の機能まで搭載させたハイテクマスクまで開発し始めている。 今回は、コロナ対策で数々のアイディアを生み出し、海外...

ゾウと共生する「優等生」のはずのスリランカに落第点?

<ゾウと人間の衝突による双方の犠牲者は年々増加するばかり> 日本で獣害と言えば、クマ、イノシシ、シカだろうが、スリランカでは、ゾウと人間との共生をめぐる問題が年々大きく膨らんできている。 インド洋に浮かぶ小島のスリランカ。多くの魅力が存在する国だが、海で最大の動物であるシロナガスクジラと、陸で最大の動物のゾウを一カ所で見られる珍しい場所でもある。 現在スリランカには約7000頭のゾウが生息している。1万2000頭ほどだった20世紀初頭と比べると6割にまで減少している。ゾウの主たる死因は農民による射殺...

ジョン・レノンを国外追放の危機から救った最強の弁護士【没後40年特集より】

<米政府が企てる国外退去措置に対抗するため雇われた私はジョンとヨーコの名前も知らなかった> まだベトナム戦争が続いていた1970年代初頭、米国政府は「反戦セレブ」のジョン・レノンとヨーコ・オノを追い払おうと画策していた。 しかし当時ニューヨークに滞在していた2人は敏腕弁護士リオン・ワイルズを雇って訴訟で対抗し、勝利した。この判例は今も生きていて多くの移民を救っている。以下ではジョンとヨーコに初めて会った日の詳細をワイルズ自身が語る。 * 法科大学院で一緒だったアラン・カーンから電話が入ったのは197...

ジョン・レノンが暗殺の直前に語った家族と反戦とビートルズ【没後40周年特集より】

<「イクメン」ジョンが音楽活動再開後に単独インタビューで語った赤裸々な自分自身> ビートルズの解散から9年間、ジョン・レノンには波乱の日々が続いた。アメリカの永住権取得をめぐって移民局と4年間闘い、妻のオノ・ヨーコと18カ月の別居をし、息子のショーンが生まれた。そして1975年からは公の場から姿を消した。 しかし40歳の誕生日を前に、新アルバムを引っ提げて戻ってきた。『ダブル・ファンタジー』と題された新作は、さながら「ある結婚の風景」の物語で全14曲から成る。ジョンが7曲、ヨーコが7曲を担当した。作...