「クーデター」の記事一覧

クーデター直前にスーチー氏と国軍トップと会見した日本のODAビジネスの黒幕 狙いは何か?

<日本政府はミャンマーに関して「国軍とスーチー氏の両方にパイプを持つ強みを生かす」と言うが、それはビジネスになるならどちらの政権でも構わないという意味だった> 小雨に煙る東京・千代田区の「日本ミャンマー協会」前で14日、「軍事的企業との連携を直ちにやめろ」と叫ぶミャンマー人らのデモがあった。協会の渡邊秀央会長は、日本のODA(政府開発援助)ビジネスの黒幕とみられているからである。渡邊氏の大物ぶりは、2月1日のクーデター直前にアウンサンスーチー国家顧問とミンアウンフライン国軍総司令官と相次いで会ってい...

ミャンマー市民が頼るのは、迫害してきたはずの少数民族 「内戦勃発」が最後の希望

<国際社会に幻滅した市民らが一縷の望みを託す「少数民族連合軍vs国軍」の構図。当事者たちが語るその可能性> 国軍による弾圧が激しさを増すミャンマー(ビルマ)で抵抗手段を奪われた国民たちは今、少数民族の軍隊と国軍との全面戦争を求め始めている。かつては敵視すらしていた少数民族を救世主扱いするほど期待は高いが、どれくらい現実味がある戦略なのか。ミャンマーのエリート軍家系出身で民主活動家のモンザルニ、少数民族であるカチン民族機構(KNO)ロンドン本部のクントイラヤン事務局長、在日ビルマ・ロヒンギャ協会のゾー...

ミャンマー国軍、市民の遺体引き取りに現金要求か バゴー市、大学生含む多数の犠牲者が放置されたままに

<ロケット砲や迫撃砲まで使用した国軍による攻撃で市民80人以上が死亡、200人以上が行方不明となったバゴー市。しかし悲劇はさらに続いている──> 国軍による市民への無差別発砲により少なくとも80人が死亡したミャンマーのバゴー市。1都市で1日に発生した犠牲者としては2月1日のクーデター発生以来最多となる惨事から3日経った12日も依然として国軍による厳戒態勢が敷かれている。 そんななか、犠牲になった家族の遺体を引き取って埋葬を希望する市民に対して、国軍が「現金を支払えば(遺体を)返還する」として金銭を要求しているとの情報が現地では流れているという。 大学生を含む非武装無抵抗の市民に対して実弾発砲のほか、腹部を刺された遺体も見つかるなど兵士による残虐な殺害行為が明らかになり、「組織的な虐殺が行われた」として人権団体や国際社会からなどからは国軍への非難が強まっている。 4月9日、中心都市ヤンゴンの北98キロにある観光地として知られている古都バゴー市で、反軍政デモなどの抵抗運動をしていた市民多数に対し、兵士約250人が退路を断つように包囲して、午前4時過ぎから無差別攻撃を始めた。 現地からの映像や動画によると、バゴー市内のポナスやナンタウェイなど4地区の道路に市民が築いた土嚢やバリケードに対して軍はまずロケット砲などを発射してそれを破壊。その後兵士による銃火器での実弾射撃が始まり、その結果多くの犠牲者がでた。 現場で発見回収されたロケット砲の破片とみられる部品もネット上で公開され、重火器による攻撃を裏付けているという。 地元のメディア「イラワディ」は犠牲者の中には地元バゴー大学の19歳の数学科1年生の大学生など3人が含まれ、さらに2人の大学生が現在も行方不明となっているという大学当局の話しを伝えている。 また銃撃による多くの犠牲者のほかに腹部に刺し傷のある遺体もあったことから、拘束後に兵士から暴力を受けた末の死者も含まれていることも明らかになったと「イラワディ」は伝えている。 少なくとも80人以上とみられる犠牲者の遺体の多くは家族が軍のさらなる発砲を恐れているか、あるいは難を逃れて郊外に避難しているため、その多くが現在も放置されたままの状態であるという。 ===== 軍が遺体引き取りに現金要求か また「イラワディ」が伝えたところによると、軍が遺体引き取りに関して家族や親戚に対して「現金を支払えば引き渡す」と金銭を要求しているという。ただ「イラワディ」としては「この情報について確実な裏がとれているわけではない」としている。 ただ、同時にネットのSNSなどでは遺体の「引き取り」には「1遺体で12万チャット(約85ドル)」を軍が要求しているという書き込みもあり、情報の信憑性は高まっているという。 軍による戦闘がひと段落した10日朝には学校や仏教寺院に安置されていた遺体や収容されていた負傷者約200人を軍がどこかに運び去ったといわれていた。 しかし情報が錯綜し、負傷者はいずこかへ運び去られ依然として行方が不明となっているものの、犠牲者の遺体は依然として市内の学校や寺院に放置されている状態という。 そして負傷者の中には僧侶らによる手当ての申し入れを軍が拒否したため、その場で落命した人も多く、そうした遺体が多く残されており、同時にどこかに運び去られた多数の負傷者の安否も気遣われている状況という。 学校や寺院に残された犠牲者の数があまりに多いことなどから「現金支払いによる引き取り」を軍が呼びかけているものとみられている。 SNS上には「ミャンマーでは死体すら安全ではない」「遺体すら商売の道具にしている」などとの書き込みがあり、軍による「遺体引き取りに身代金」の情報は反軍政の市民の怒りを倍加させている。 地元メディアなどによると、国軍は引き続きバゴー市内で厳戒態勢を続けており、通りを歩く人や建物の窓から姿をみせた人に対しては実弾発砲を繰り返しており、バゴー市内は12日も依然として厳しい状況にあるようだ。 [執筆者] 大塚智彦(フリージャーナリスト) 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など ===== バゴー市内での国軍による非道 現地の様子を伝えるRFAビルマ RFA Burmese/YouTube 暗闇のなか、国軍による攻撃が続く Bago ,MyanmarThe Terrorist Military Council killed a large number of civilians Today April 9 in #Bago ,Myanmar.Up to 40 people were shot dead by the terrorists. They are still firing untill now.#Apr9Coup #WhatsHappeningInMyanmar pic.twitter.com/EZU4GLk8rt— littlemessy05 (@RRi0503) April 9, 2021 無抵抗の少年一人を追い回す国軍兵士たち This Is What's Happening right now in Bago,Myanmar! Military Started attacking People With Mortars, RPGs and Other Big Weapons While People are fall asleep! 4 Deaths and Over 30 injuries Confirmed til now! Please Let The World Know What's Happening In Myanmar.@RapporteurUn pic.twitter.com/2heoTlRCpx— RezHez_Official (@NyiYHtut1) April 9, 2021

内戦前夜、ミャンマーの緊張緩和に乗り出した中国

<国軍の後ろ盾と思われてきた中国はここへきて、スーチー派とも話をしたことを認めた。露骨な内政干渉は避けつつ、国内各勢力の衝突回避を図る独自の道は成功するか> 中国がミャンマー国内の緊張を和らげる取り組みを強化している。ミャンマーでは軍部のクーデター以来、混乱が激化、軍部とクーデター反対派、様々な少数民族の武装勢力による内戦に突入する恐れが高まっている。 今年2月にアウンサン・スーチー国家顧問が拘束されて以来、現在ミャンマーを支配する軍事政権とそれに抗議する国民との衝突が悪化しているが、中国はミャンマ...

内戦前夜、ミャンマーの緊張緩和に乗り出した中国

<国軍の後ろ盾と思われてきた中国はここへきて、スーチー派とも話をしたことを認めた。露骨な内政干渉は避けつつ、国内各勢力の衝突回避を図る独自の道は成功するか> 中国がミャンマー国内の緊張を和らげる取り組みを強化している。ミャンマーでは軍部のクーデター以来、混乱が激化、軍部とクーデター反対派、様々な少数民族の武装勢力による内戦に突入する恐れが高まっている。 今年2月にアウンサン・スーチー国家顧問が拘束されて以来、現在ミャンマーを支配する軍事政権とそれに抗議する国民との衝突が悪化しているが、中国はミャンマ...

ロケット砲で80人以上が死亡、200人以上が行方不明か 内戦の危機迫るミャンマー情勢

<国際社会の批判にもかかわらず、ミャンマー国軍はデモ参加者への弾圧を容赦なく続け、武装勢力も巻き込んだ内戦に発展する恐れも> 2月1日のクーデターで政権を奪取した国軍が、抗議活動を続ける市民への実弾発砲などを続けるミャンマー。情勢は日に日に混迷の度が深まり、打開へ向けた一筋の燭光すらまったく見えない状況が続いている。 そんななか4月9日、中心都市ヤンゴンの北に位置する古都バゴー市で、デモに参加していた市民を国軍が包囲し、銃火器などを発砲。その結果これまでに少なくとも80人以上が死亡し、200人以上が...

「日本のお金で人殺しをさせないで!」ミャンマー国軍支援があぶり出した「平和国家」の血の匂い

<日本が本当に「平和国家」なら、今こそその精神に忠実であってほしいとミャンマー人は訴える> 「日本のお金で人殺しをさせないで!」──国軍クーデターから2ヶ月後の4月1日、外務省前で行われた「ミャンマーの平和と民主主義を求める集会」で、在日ミャンマー人が手にしていたプラカードである。この呼びかけは私に、日頃気づかなかった日本の平和にひそむ血の匂いをかぎ取らせてくれた。それとともに、「国際社会において名誉ある地位を占めたい」と記した日本国憲法前文の「平和」の実現に何が必要なのかを考えさせられた。 「人間...

日本の対ミャンマー政策はどこで間違ったのか 世界の流れ読めず人権よりODAビジネス優先

<ODAは軍政を民主化へと前進さていくために供与している、という日本政府の主張はやはり欺瞞だった> ミャンマーと日本にかかわる古くて新しい話をつづけたい(前回は「繰り返されるミャンマーの悲劇 繰り返される『民主国家』日本政府の喜劇」)。自国民だけでなく、世界中から爪はじきされている国軍に対して日本政府が毅然たる姿勢をしめせない理由を理解するには、戦後日本のアジア政策にまでさかのぼる必要があるからだ。そこで見逃せないのが、各国の開発独裁政治に果たしたODA(政府開発援助)の役割である。 アジアの開発独...

繰り返されるミャンマーの悲劇 繰り返される「民主国家」日本政府の喜劇

<ミャンマー軍に対する厳しい制裁に踏み切れない日本政府は軍政の「共犯者」だ> ミャンマーの国軍クーデターから2ヶ月。この政変が起きた2月1日の本サイトで、私は「日本政府は今度こそ民主化支援を惜しむな」と書いた。政府はこれまで、同国の民主化を支援するという空念仏を唱えるだけで、事実上軍政の延命に手を貸してきた事実を知っていたからである。だが、私の期待は裏切られたようだ。民主化運動への国軍の弾圧は残虐化するいっぽうなのに、「民主国家」日本の政権担当者は国軍「非難」の談話などを出すだけで、欧米諸国のような...

【ミャンマー現地ルポ】デモ取締りの警察官に警棒で殴られ拘束されて

<市民を脅迫、宅配を強盗、子供も射殺──ミャンマー警察に警棒で殴られ、拘束された日本人ジャーナリストが身をもって知ったデモ弾圧の現状と抵抗運動の針路> 逃げられない――。重装備の警察隊の挟み撃ちに遭い、そう思って手を上げた私の体を4~5人の警察官が押さえ付け、腕を後ろ手にねじり上げた。ヘルメットや防弾チョッキの上から、ガツンガツンという重い衝撃を受けた。目撃者によると、警棒で殴られていたらしい。そして警察官らは私を護送車まで引っ張っていき、尻を蹴って中に押し込んだ。 2月26日午前、ミャンマー(ビル...