「サイエンス」の記事一覧

損傷したDNAの修復プロセスを可視化することに成功

<長い間謎だった損傷したDNAが修復されるプロセスを直接視覚化することに成功した> 私たちの体内ではDNA損傷が頻繁に起こっている。DNA損傷を修復する力がなければ、紫外線や活性酸素(ROS)に対して脆弱となり、がんを発症するリスクが高まる。DNA損傷を速く正確に修復できるか否かは、多くの生物にとって重要な問題だが、DNAシーケンスにおいてミスなくDNAを修復することは難しく、鋳型となるものが必要だ。 二本鎖DNAを正確に修復する手法として、姉妹染色体(複製による親の完全なコピーの染色体)を鋳型とし...

眼がついた人工脳が作製される

<ヒト人工多能性幹細胞(iPSCs)を用いて、眼の発達途上で現れる器官「眼杯」がついた脳オルガノイドを作製することに成功した> 独ハインリッヒ・ハイネ大学らの研究チームは、ヒト人工多能性幹細胞(iPSCs)を用いて、眼の発達途上で現れる器官「眼杯」がついた脳オルガノイドを作製することに成功した。 脳オルガノイドは、左右対称の眼杯を自発的に発生させたという。一連の研究成果は、2021年8月17日、学術雑誌「セル・ステム・セル」で発表されている。 人工的に培養された、ヒトの脳を模倣する三次元の凝集体 脳...

メスのサメしかいない水槽で赤ちゃんが生まれる

<科学者たちは大興奮! DNA検査で証明されれば、ホシザメとして初めての事例に> イタリア・サルデーニャ島の水族館で、メスだけの水槽からホシザメの赤ちゃんが誕生した。科学者によると、今回の出来事は、この種による無性生殖の初めての事例となる可能性があるという。 サルデーニャ島にあるカーラ・ゴノネ水族館では、10年前から今回のサメの生みの親であるメスと他のメス1匹が同じ水槽で飼育されていたとイタリアの通信社AGIが報じている。 単為生殖とは、本来有性生殖(受精によって子孫を残す)を行う生物のメスが単独で...

絶滅が迫るスマトラトラ、2頭の赤ちゃんがお披露目

<インドネシアのサファリパークでお披露目された2頭の赤ちゃんトラだが、絶滅の足音が近付いている> 生後2カ月のスマトラトラの2頭の赤ちゃん「イシャナ」と「アウラ」が7月末、ジャワ島のサファリパークで開かれた「国際トラの日」イベントでお披露目された。 ワシントン条約で保護されているが、現存する野生のスマトラトラはわずか400頭。絶滅の足音が近づいていると、世界自然保護基金(WWF)は警告している。...

NASAが火星生活の模擬実験の参加者を募集

<1年間にわたって仮想火星居住環境で活動を行う「乗組員」に求められる資質は> 米NASAが、火星での生活を想定した1年間の模擬実験に参加する希望者を募集している。 このミッションは、3回にわたるCHAPEA(乗組員の健康およびパフォーマンス探査研究)の第1弾で、開始は2022年秋を予定している。 各ミッションに参加する乗組員は4人。この4人が、テキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センター内にある仮想火星居住環境「マーズ・デューン・アルファ」で一緒に生活および活動を行う。ここは建設用3Dプリント専門...

インド洋覆う光のカーテン 国際宇宙ステーションから届いた「南極オーロラ」極上写真

<不気味な緑色から鮮やかな紫まで──NASAが公開した至高のオーロラ写真集> NASAは、「オーロラ・オーストラリス」と呼ばれる南極光のうっとりするような写真を公開した。 この写真は、アジアと南極の間に広がるインド洋南部の上空約270マイルを周回する国際宇宙ステーション(ISS)から撮影されたものだ。2日にNASAジョンソン宇宙センターが発表した。 不気味な緑色から鮮やかな紫まで、極光はさまざまな色に輝いている。その上には、何光年も先に輝く膨大な数の星が確認できる。 写真を紹介した国際宇宙ステーショ...

億万長者の「宇宙開発」競争は、実はこんなに世界に貢献している

<決して金持ちの道楽に非ず。富豪実業家のビジョンと競争心が、宇宙開発に革新をもたらす> 「偉大な人が素晴らしいことをしようとすると、小さい者たちが阻止しようとする」。フランク・ディレイニーは小説『アイルランド』でそう書いている。イギリスの実業家リチャード・ブランソンとアマゾンの創業者ジェフ・ベゾスが、それぞれ自前の商用宇宙船で宇宙に行くと発表した際に、怒りやあら探しが出たのも無理はないのだろう。 批判の論調は、バーニー・サンダース米上院議員のツイートに凝縮されている。「地球上で最も豊かな国で、国民の...

リチャード・ブランソンの宇宙船はどうやって飛んだのか<動画あり>

<宇宙の商業利用に大きな一歩を記す企業家の初飛行。すぐ後にはアマゾンのベゾスが続く予定だ> 欲しいものは何でも持っているような大富豪の気を引くのにぴったりの事業は何かと問われれば、最近の事例を見る限り、宇宙旅行というのが答えのようだ。胸の奥に宇宙に出る夢を抱いている相手ならば、の話だが。 イギリスの実業家リチャード・ブランソンは11日、自らが経営する宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティックの宇宙船で「宇宙飛行」を体験した。今月の20日には、アマゾンの創業者で前CEOのジェフ・ベゾスが、やはり自ら創業...

「量子もつれ顕微鏡」が「見ることができない」構造を明らかにする

<豪クイーズランド大学と独ロストック大学の共同研究チームは、「量子もつれ」光子を用いて、従来見ることができなかった生物学的構造を明らかにする新たな顕微鏡の開発に成功した> 「量子もつれ」とは、2個以上の粒子が古典力学では説明できない異常な相関関係にある状態をさす。コンピューティングや通信、センシングなど、様々な領域でその活用が見込まれており、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)によると、2040年までに世界全体で860億豪ドル(約7兆3100億円)規模の産業になると予測されている。 「量...

カメラや望遠鏡が、紙のように薄くなる?光学素子が開発される

<カナダ・オタワ大学の研究チームは、既存の光学デバイスを大幅に小型化できる新たな光学素子の開発に成功した> カナダ・オタワ大学の研究チームは、紙くらいの薄さの望遠鏡や小型で軽量な高性能カメラなど、既存の光学デバイスを大幅に小型化できる新たな光学素子の開発に成功した。その研究成果は、2021年6月10日、オープンアクセスジャーナル「ネイチャーコミュニケーションズ」で発表されている。 光の拡散に必要なスペースを圧縮する 光は、移動するときに自然と拡散する。あらゆる光学デバイスでは、この光の拡散が用いられ...