「ジェンダー」の記事一覧

元男性が女子の重量挙げに出るのは不公平じゃないの? 五輪史上初のトランスジェンダー選手にくすぶる批判

<重量挙げのローレン・ハバードは男子として国内ジュニア記録を打ち立てた選手。女性になってもその自分を自分らしく貫きたいだけ──しかし、それと戦わされる女子選手の人生や気持ちは?> 東京五輪には、男性から女性に性別変更したことを公表したトランスジェンダーの選手が史上初めて出場している。ニュージーランドの重量挙げ選手、ローレル・ハバード(43)だ。 ハバードは8月2日、重量挙げ女子87キロ超級の予選に出場する。現在43歳で、今大会の重量挙げ競技に参加した選手の中で最年長でもある。 ハバードは1978年2...

「男性」「女性」という言葉が出てこない、あらゆる人のためのセックス・ハウツー本

<愛の国フランスで13万部のベストセラーになった『あなたのセックスによろしく』が日本上陸。挿入を必ずしも前提としていないという、ユニークだが真面目で楽しい本だ> ※本稿は一部書店で配布される『あなたのセックスによろしく――快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド』(ジュン・プラ著、CCCメディアハウス)の特製パンフレットに寄せられた解説文を転載したものです。 ◇ ◇ ◇ まずタイトルに少しびっくりした。ただ読んでみると、デリケートな問題を真面目に楽しく扱った良い本だった。 フランス語の原題は『快楽クラ...

大学受験で女子のチャレンジを妨害する「ジェンダー・プレッシャー」

<難関大学では、受験者数の段階で女子の比率が低くなっている> 東京大学は、新執行部の半数以上を女性にする方針を掲げている。意思決定に多様な視点を取り入れると同時に、女子学生を増やすこともねらいだ。 東京大学の公表統計によると、2020年5月時点の学部学生は6257人で、うち女子は1214人となっている。女子の比率は19.4%で2割に達しない。同大学の学生生活実態調査によると、2000年11月時点の女子学生比率は17.5%で、過去20年間で数値はほとんど変わっていない。このことも、上記のような判断の材...

ホラー&サスペンスの金字塔『羊たちの沈黙』30年越しの課題

<性的少数者のステレオタイプな表現に沈黙してきた珠玉の名作> 『羊たちの沈黙』は1991年2月14日に全米公開されたときから、普通のホラー映画でないことは明らかだった。「電撃的なサスペンス体験だ」と当時、本誌の映画担当デービッド・アンセンは書いている。「恐怖を好む人にはたまらない、とびきりの怖さだ」 原作はトマス・ハリスの88年の同名小説。FBI捜査官の訓練生クラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)が、連続殺人犯「バッファロー・ビル」を追跡するため、ソラマメとキャンティをこよなく愛する連続猟奇...

日本の高学歴女性は未婚率が高いが、特にその傾向が強い地方は……

<九州各県では大卒女性の未婚率が高く、女子の大学進学率が低い傾向が顕著に見られる> 未婚化が進んでいるが、その対策を図るうえでは、どういう人が未婚にとどまりがちかを知らなければならない。身も蓋もないが、男性の場合は低学歴・低収入といった属性の人だ。30〜40代男性を学歴別に分け、未婚者のパーセンテージを計算すると、中卒は34.4%、高卒は32.2%、大卒は27.5%、大学院卒は37.3%となる(総務省『就業構造基本調査』2017年)。大学院卒が大卒より比率が上がるのは、いわゆる高学歴ワーキングプアが...

結婚は女性にとって収入の「損失」?

<日本の未婚者と既婚者の収入を比較すると、女性の場合は結婚によって収入が大きく下がる傾向が見られる> 人の一生はいくつかのステージに分けられる。心身の発達に即して言うと、乳幼児期、児童期、思春期、青年期、成人期、老年期というように区分できる。社会的な役割の上では、教育期、仕事期、引退期という大雑把な分け方が一般的だ。段階ごとの節目には、学校入学(卒業)、就職といったイベントが用意され、自分の役割の自覚を促される。 就労を通して社会の維持・存続に与する社会人であることに加え、人間はまた「家庭人」として...

国際比較で日本は最下位、「収入」「家事分担」共に対等な夫婦の比率

<夫婦の収入と家事分担がどちらも同レベルの「対等夫婦」の割合は、日本ではわずか1.9%しかない> 現在では学生世代の半分が大学に進学するが、1人ならまだしも子を2人大学に通わせるのは大変なことだ。2人以上の子を大学・大学院に行かせている世帯の年収分布を見ると、半分が1000万円を超えている(総務省『就業構造基本調査』2017年)。 確かに大変そうだが、一馬力ではなく二馬力(共稼ぎ)ならどうにかなるとも言える。大学生の親年代の所得中央値は、男性正社員は650万円、女性正社員は350万円ほどだ(同上)。...

対話集会でトランプを追い詰めた女性アンカーに敵対的性差別主義者が激怒

<トランプを厳しく追及した女性ジャーナリストを「メスブタ」や「売女」呼ばわりした敵対的性差別主義が、トランプ支持層の一角を成している> 10月15日に行われたドナルド・トランプ米大統領の対話集会では、NBCの女性アンカー、サバンナ・ガスリーが進行役を務め、厳しい質問でトランプを追い詰めた。最初の討論会がトランプの妨害で「史上最低」に終わっただけに、ガスリーの勇気と頭の良さに視聴者は喝采を浴びせた。だが同時に、ガスリーに腹を立てた人々もいた。対話集会の放送後、グーグルでは「ガスリー、メスブタ」などとい...