「スウェーデン」の記事一覧

欧州各国で感染が急増するなか、「集団免疫戦略」のスウェーデンは収束へ

<高齢者に多くの死亡者が出た集団免疫戦略だが、ロックダウンなしでも感染抑制には成功したのか?> 欧州各国で新型コロナウイルスの感染が急増し、第2波への警戒が高まるなか、ロックダウン(都市封鎖)を行わない「集団免疫戦略」を取ってきたスウェーデンでは、6月後半以降、新規の感染者数が大きく減少している。 WHO(世界保健機構)が今週29日に発表した最新の報告によると、29日までの14日間に確認されたスウェーデンの人口10万人あたりの新規感染者数は、それ以前の14日間と比べて54%減と大幅に減少した。 一方...

ロシアの脅威と北欧のチャイナ・リスク──試練の中のスウェーデン(下)

<ヨーロッパにおけるロシアの勢力拡大、民主主義の脆弱性を突いてくる中国は、東・西や保守・革新といった従来の対立軸とは異なる問題をあぶり出している。論壇誌「アステイオン」92号は「世界を覆うまだら状の秩序」特集。同特集の論考「変わりゆく世界秩序のメルクマール――試練の中のスウェーデン」を3回に分けて全文転載する> ※第1回:スウェーデンはユートピアなのか?──試練の中のスウェーデン(上) ※第2回:保守思想が力を増すスウェーデン──試練の中のスウェーデン(中)より続く。 再認識されるロシアの脅威 この...

保守思想が力を増すスウェーデン──試練の中のスウェーデン(中)

<戦後、世界平和と人権尊重を掲げた「積極的外交政策」による移民/難民の受け入れに対して、「スウェーデン・アイデンティティ」への脅威を訴える極右政党が地道に支持を得ていく。論壇誌「アステイオン」92号は「世界を覆うまだら状の秩序」特集。同特集の論考「変わりゆく世界秩序のメルクマール――試練の中のスウェーデン」を3回に分けて全文転載する> ※第1回:スウェーデンはユートピアなのか?──試練の中のスウェーデン(上) スウェーデンは戦後、労働力不足を補うために多くの外国人労働者を招致し、さらに移民/難民も多...

スウェーデンはユートピアなのか?──試練の中のスウェーデン(上)

<福祉国家、環境、デザイン、または重税、優生思想、治安悪化......。北欧スウェーデンに対するイメージは極端に振れている。一つ一つは間違っていないものの、その全体的なイメージ像は実像からはかなりかけ離れていると清水謙・立教大学法学部助教は指摘する。論壇誌「アステイオン」92号は「世界を覆うまだら状の秩序」特集。同特集の論考「変わりゆく世界秩序のメルクマール――試練の中のスウェーデン」を3回に分けて全文転載する> はじめに――イデオロギーとしてのスウェーデン? 二〇一八年は日本とスウェーデンが外交関...

スウェーデンの悪夢はパンデミック以前から始まっていた

<新型コロナ対策で独自のソフト路線がやり玉に挙げられるが、高齢者への感染拡大はそれ以前から必然だった> スウェーデンは、福祉国家の模範だった。1000万人の住民が、手厚い社会保障のおかげで豊かな生活と平等、社会正義を謳歌していると世界から称賛されてきた。 だがこの数カ月で、そのイメージに疑問符が付いた。新型コロナウイルスの流行を受け、スウェーデンは多くの国と違ってロックダウン(都市封鎖)を実施しなかった。欧州各国で人々が自宅に引きこもるなか、首都ストックホルムでは、人々がテラス席でビールを楽しむ姿が...

スウェーデンが「集団免疫戦略」を後悔? 感染率、死亡率で世界最悪レベル

<人口100万人当たりで換算すると、感染者数も死者数もアメリカと並んで世界屈指の惨状> 新型コロナウイルス対策でロックダウン(都市封鎖)を行わず、集団免疫戦略を取るスウェーデンで6月17日、約1カ月ぶりに1日の死者が100人を超えた。19日時点で感染者数は5万6043人、死者数は5053人に上る。人口100万人当たりで換算すると、感染者数も死者数もアメリカに並び世界最高レベルに達している。 スウェーデンは一部学校の休校や50人以上の集会の禁止などの措置を取ってきたものの、商店や飲食店の営業は規制され...

スウェーデンの新型コロナ感染者数が1日最多に、死亡率も世界屈指

<当局は、5月末からの感染者急増は検査の規模を拡大したからだというが、今や経済再開に踏み出す欧州諸国のお荷物に?> スウェーデン政府の公衆衛生局は6月11日、1日あたりの新型コロナウイルス感染確認者数が過去最高の1474人になったと明らかにした。これまで最も多かった4日の記録をほんの数日で塗り替えた。 スウェーデンでは3月下旬以降、当局者の弁を借りれば「徐々に」感染が広がっていたが、5月末から増加の勢いは増している。公衆衛生局のデータによれば、感染者数は14日の時点で5万人を超え、死者数も4874人...

ノルウェー=デンマーク両国間の移動許可へ スウェーデンは対象外

ノルウェーとデンマークの政府は29日、6月中旬から両国間の観光客の移動を許可すると発表した。 ただ、新型コロナウイルス感染者数が依然多いスウェーデンとの移動は引き続き規制される。 デンマークのフレデリクセン首相とノルウェーのソルベルグ首相は個別に記者会見し、両国間の相互移動に関する規制の大半は6月15日に解除されると述べた。 ソルベルグ首相は、「あまり急激な開放はできない。それはわれわれがこれまで成し遂げてきたすべてを脅かすことになる」と述べた。 デンマークは、ドイツとアイスランドからの観光客も受け...

コロナ独自路線のスウェーデン、死者3000人突破に当局の科学者「恐ろしい」

<厳しい封鎖措置を取らずに集団免疫獲得を目指す政府の方針は正しかったのか> 新型コロナウイルス対策で厳しいロックダウン(都市封鎖)を行わないという独自路線を貫くスウェーデン(人口1千9万人)では、5月7日の時点で同ウイルスの感染者が少なくとも2万4623人、死者の数は3040人に達している。 この状況についてスウェーデン公衆衛生局の疫学者アンデシュ・テグネルは6日の記者会見で、「死者数3000人だ。これは恐ろしい数字だ」と語った。 テグネルは同国の新型コロナウイルス対策の責任者で、これまではロックダ...

「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に

<より多くの人をウイルスにさらすことで集団免疫を獲得する、というスウェーデンだけの「人体実験」には国内から反対も出始めている> ロックダウンに頼らない独特の新型コロナウイルス対策で知られるスウェーデンで、感染者が増え続けている。しかも米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によれば、死亡率は4月30日時点で12%超。これは、感染者が1000人を超える国の中で6番目に高い割合で、現在の感染拡大の中心地で死者数も最多のアメリカ(約5.8%)、ウイルスの発生源とされる武漢市がある中国(約5.5%)と比べても2倍以...