
過去最悪の治安情勢で、祖国アフガニスタンを捨てる人たち
<駐留米軍の完全撤収が迫るなか民間人攻撃が急増、故国を捨てて移住する動きが再び広がっている> ほこりまみれの街並みと雪を頂いた山々が眼下を飛び去っていく。飛行機がエンジン音を立てて上昇するなか、アフガニスタンのパスポートを握り締めたジャワド・ジャラリ(30)の目に涙があふれた。故国から去るのは、たやすいことではない。 「戦争はとてもむごい」と、報道写真家のジャラリは言う。「全てを奪われる。仕事も安全も、希望も夢も」 アフガニスタンでの紛争が始まってから20年近くがたち、アメリカは同国からの完全撤収に...