「タリバン」の記事一覧

バイデンはアフガン人戦争協力者を見捨てなかった

<9.11テロの20周年を前に米軍が撤退した後、タリバンの報復を受けることを恐れていた現地協力者は、特別なビザで空路、国外退避することになった> 8月末までにアフガニスタンからの米軍撤退を完了させ、9.11同時多発テロ後20年続いた米史上最も長い戦争を終わらせようとしているジョー・バイデン米大統領は、現地で駐留米軍の通訳などとしてアメリカに協力したアフガニスタン人を空路で退避させることにした。米軍が去った後、米軍と戦った反政府勢力タリバンの報復を受ける恐れがあるためだ。同計画に詳しい2人の人物が本誌...

米軍の撤退と共に壊走するアフガン軍部隊 支配地域広げるタリバン

<米軍の撤退に伴い、イスラム原理主義勢力タリバンが勢力伸張。アメリカ史上最長20年間の戦争は何だったのか> アフガ二スタン治安維持部隊の隊員1000人以上が7月4日、国境を越えてタジキスタンへの撤退を余儀なくされたと報じられた。アフガニスタン北部で勢力を拡大しているタリバンの武装集団に圧倒されたかたちだ。 こうした緊張の激化は、アメリカ軍がアフガニスタンからの撤退を進める中で起きたものだ。アメリカはこれまで、2001年9月11日に起きた同時多発テロ以降、20年近くにわたって同国で戦闘を行ってきた。 ...

米軍に協力したアフガニスタン人、アメリカに見捨てられタリバンに殺される危機が迫る

<移民ビザの発給が間に合わなければ、米軍とともに働いた現地の通訳やその家族らはタリバンに殺される危険性がある> サイゴン陥落でベトナム戦争が終結した1975年4月。南ベトナムにいたアメリカ人がヘリコプターで一斉に脱出するなか、ワシントンでは若き上院議員がこう主張していた。「1人だろうと10万人プラス1人だろうと、アメリカには南ベトナム人を救出する責務は一切ない」 救出計画つぶしの急先鋒だったその議員こそ現在の米大統領、ジョー・バイデンだ。 そして、20年に及んだ戦争の末に米軍がアフガニスタンから撤退...

過去最悪の治安情勢で、祖国アフガニスタンを捨てる人たち

<駐留米軍の完全撤収が迫るなか民間人攻撃が急増、故国を捨てて移住する動きが再び広がっている> ほこりまみれの街並みと雪を頂いた山々が眼下を飛び去っていく。飛行機がエンジン音を立てて上昇するなか、アフガニスタンのパスポートを握り締めたジャワド・ジャラリ(30)の目に涙があふれた。故国から去るのは、たやすいことではない。 「戦争はとてもむごい」と、報道写真家のジャラリは言う。「全てを奪われる。仕事も安全も、希望も夢も」 アフガニスタンでの紛争が始まってから20年近くがたち、アメリカは同国からの完全撤収に...

ロシア諜報機関の汚れ仕事を担う、「29155部隊」は掟破りの殺し屋集団

<アフガニスタンの米兵に懸賞金を懸けた「29155部隊」──目的のためなら手段を選ばない秘密部隊の動向でロシアの狙いが見えてくる> ロシア軍の諜報機関である参謀本部情報総局(GRU)がアフガニスタンの武装勢力に金を渡し、現地にいるアメリカ兵を殺させている──そんな暴露記事がニューヨーク・タイムズ紙に載ったのは6月26日のこと。4日後の続報ではGRU系の銀行口座からタリバン系の口座への送金記録が存在することも明かした。 GRU──それはロシア大統領ウラジーミル・プーチンの命を受け、地の果てまでも出向い...

米兵の首に懸賞金を懸けていたロシアの「29155部隊」とは

<ロシアの諜報機関の特殊工作部隊が、アフガニスタンの米兵を殺せば賞金を出すとタリバンに指令を出していたことがわかった。二重スパイを猛毒ノビチョクで殺そうとしたのもこの「29155部隊」と言われるが、どんな組織なのか> ロシア軍の諜報機関「GRU」(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)に属する特殊工作部隊が、アフガニスタンに駐留するアメリカ兵の殺害を報奨金付きでイスラム原理主義勢力タリバンに依頼していたことが報じられている。西側諸国や周辺各国の不安定化を企むロシア政府の秘密工作を最前線で実行してきた部隊だ。...

コロナ危機を売名に利用するテロ組織の欺瞞

<世界各地の反政府組織はコロナ禍を利用して、自らを正当化し政府を批判するが、被害を受けるのは支配地域の住民だ> アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンがネット上で珍しい動画を公開した。よくある戦闘員の「勇姿」ではなく、マスクを着けた彼らが住民の家を訪れ、体温の測定や消毒液の配布をしている姿だ。英語のナレーションによれば、タリバンは既に新型コロナウイルスの爆発的な感染を抑え込んでおり、感染予防の情報班を結成し、診療所や隔離施設も用意している。 それだけではない。タリバンは中東地域で最も感染者の多いイラ...