「ドイツ」の記事一覧

「口だけ立派」なメルケル時代の終焉で、ドイツに押し寄せる厳しい現実

<メルケルの引退が迫るなかで与党CDUは迷走しているが、今こそドイツは巨大な構造的課題に取り組むべきだ> アンゲラ・メルケル時代が終わりに近づいている。その評価はどうであれ、2005年11月にドイツ首相に就任して以来、メルケルは独自の姿勢を貫いてきた。 政治における一時代が静かに幕を閉じることはまれだ。ドイツ政界のムッティ(お母さん)の「長いお別れ」も例外ではない。ここへきて、ドイツ政治はようやくヒートアップし始めた。 ドイツは相次ぐ地方選挙や州選挙、9月26日には総選挙が行われる「スーパー選挙イヤ...

ドイツで注目の出口政策モデルプラン 「デイパス」とは

<暗い冬が終わり日が長くなる春先は、ドイツ人の誰もが外出したくなる季節だ。しかし、長引くロックダウンに一般市民の我慢も限界に達している。そんな中、ある出口政策モデルプログラムが注目を集めている。> どうやって「普通」を取り戻すのか 2月に大寒波が襲ったせいか、ドイツの春は今年はやや遅めに訪れた。3月...

メルケルのいないドイツ与党CDUは迷走中

<連邦政府与党のCDUが州議会選で惨敗、このままでは9月の連邦議会選も危うい> ドイツ有数の工業都市シュツットガルト。質実剛健な気風で知られ、自動車大手ダイムラーやポルシェをはじめとする世界的な企業が本社を置くこの街で、3月14日、選挙が行われた。 正確に言うと、シュツットガルトがあるバーデン・ビュルテンベルク州の州議会選挙だ。結果は、アンゲラ・メルケル首相の連邦政府与党で、州政府の連立与党でもあるキリスト教民主同盟(CDU)の大敗に終わった。 今年はドイツにとって選挙の年だ。9月には連邦議会(下院...

無観客でも満員御礼? スキージャンプ、選手の眼下に広がるのは…

スキージャンプ選手の眼下に広がるのは観客......ではなく、段ボール製の人型。 2月23日にドイツ・オーベルストドルフでノルディックスキー世界選手権が開幕したが、今年は新型コロナウイルスの影響で無観客に。 1953年に第1回が開催されてから初めてのことだ。 スキージャンプの試合は通常なら2万人以上が集まるのだが......。 <2021年3月9日号掲載> ===== 混合団体戦ノーマルヒルで優勝したドイツ代表のハイライト。選手の眼下には無数の人型が並ぶ FIS Ski Jumping-YouTub...

カタカナ語を使いたがる「よそが気になる」日本人(とドイツ人)

<「リスペクト」「ベネフィット」「リスク」......。対訳があるにもかかわらず外来語が氾濫しているのは、何らかのコンプレックスが潜んでいるから> 明治初頭(1870年代)、日本語は貧弱で不確実だからとの理由で初代文部大臣・森有礼は「英語公用語化論」を主張した。 終戦の翌年1946年には、いっそ世界で「一番美しい言語」であるフランス語に取り替えてはどうかと、「小説の神様」こと志賀直哉が言っている(ただし、志賀自身はフランス語ができなかった)。 森や志賀の主張はともかく、日本語に外来語(カタカナ語)が...

ドイツ「布マスク禁止令」で感染拡大に歯止めはかかるか?

<約3カ月間ロックダウンを行うもウイルス拡大は止まらず、独政府は特定の状況下における医療用マスク着用を義務化。肯定的な意見は多いが、果たして効果は...> ドイツ政府は1月19日、商店や公共交通機関の利用の際にはFFP2などフィルター性が高い医療用マスクを着用することを政令で義務付けた。25日から施行され(バイエルン州政府だけは独自に18日から実施)、違反者は250ユーロの罰金を科される。もはや布マスクでは買い物にも行けない。 筆者が住むバイエルン州ミュンヘンのスーパーマーケット。布マスクを着けた中...

ドイツで新たな変異種発見か 規制厳格化で隔離義務違反者は強制収容も

<ドイツの新型コロナ新規感染者から、イギリス株とも南アフリカ株とも違う変異種が見つかった。いっぽう隔離義務無視には強制収容するなど、規制が厳格化している......> ドイツ南部の山間部の町ガルミッシュ=パルテンキルヒェンで18日、35人の新型コロナ新規感染者から、イギリスや南アフリカのものとは異なる変異種が見つかった。感染力の強さなど、詳しいことはまだわかっていない。 奇しくも同町の所在するバイエルン州で18日から、公共の場でより濾過性の高いFFP2マスクの着用が義務付けられるなど、さらに厳しい制...

ドイツのコロナ死者を偲んで灯された3万2000の炎

<昨年4月、ドイツで一人の税理士が私有地にろうそくを並べ始めた> ワクチンが開発されるまで、ドイツ国内の新型コロナウイルスの死者数と同じ数のろうそくを十字架の形に並べて火をともそう──同国中部チューリンゲン州の税理士ゲルトルート・ショップは昨年4月、そう心に決めて私有地にろうそくを並べ始めた。 ドイツでワクチン接種が始まった12月28日、ろうそくの数は約3万2000本に達していた。 <本誌2021年1月19日号掲載>...

独メルケル首相演説が2020年スピーチ・オブ・ザ・イヤーに

<今月9日、ドイツ、メルケル首相の連邦議会でのスピーチが世界でも大きく報道されたが、新型コロナウイルスを真剣に受け止めるよう国民に訴えかけた今年3月のスピーチが2020年の「今年のスピーチ」に選ばれた......> パンデミック初期の3月18日にメルケル首相が国民に向けて行ったテレビ演説(日本語訳)は世界的に高く評価されたが、同演説がこのほどドイツ、テュービンゲン大学の修辞学者たちによって2020年の「今年のスピーチ」に選ばれた。 メルケル首相といえば今月9日、連邦議会でのスピーチが日本をはじめ世界...

新型コロナ重症患者を安楽死させた医師が逮捕 ドイツ

<ドイツで、薬物によって2人の新型コロナ重症患者を安楽死させた容疑で44歳の主治医が逮捕、殺人罪で起訴された......> ドイツのエッセン大学病院で今月、薬物によって2人の新型コロナ重症患者を安楽死させた容疑で44歳の主治医が逮捕、殺人罪で起訴された。市民のあいだにショックが広まっている。 医師の素性に疑念も 医師は今月13日と17日、新型コロナ病棟の47歳のオランダ人男性と50歳の男性に「苦しみから救うため」大量の薬剤を投与したと言われている。2人の死に疑念を抱いた病院側が警察に通報、医師は18...