「パレスチナ」の記事一覧

小林賢太郎批判の「人権団体」、反差別の矛盾が酷い──日本のメディアにも課題

ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を揶揄するようなコントを過去に行っていたことで、東京五輪・パラリンピック開閉会式でのショーディレクターを解任された小林賢太郎氏。人類史上最悪の虐殺であるホロコーストを揶揄することは許されない、それは筆者も異論はない。ただし、本件についての報道のあり方については、いささか気になる点もある。それは、小林氏のコントへの反応に関して、「サイモン・ウィーゼンタール・センター」の声明を取り上げ、同団体を「人権団体」として紹介していることだ。 「人権団体」と紹介す...

ファッション界の「中東紛争」、ZARAの不買運動に発展

<ユダヤ人デザイナーがパレスチナ人モデルに送った差別的なメッセージが明らかになり、デザイナーは子供の殺害予告を受け取り解雇の危機に。一人の社員が放った憎悪によって、ZARAも行動を迫られている> スペインの大手ファッションブランド、ザラ(ZARA)をボイコットしようという呼びかけが、ソーシャルメディアで広がっている。そのきっかけは、パレスチナ人のモデルが、パレスチナを支持する自身のインスタグラム投稿に対して、同ブランドのデザイナーが反パレスチナのメッセージ返してきたことだった。 この男性モデル、カヘ...

ロケット弾の警報が鳴り響くイスラエルの町、必死で娘の耳をふさいだ母

パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエル軍による攻撃の応酬は、双方に子供を含む多数の犠牲者が出る大惨事に発展した。 ガザ地区との境界線近くに位置するイスラエルの町スデロットではハマスがロケット弾を発射するたびにサイレンの音が鳴り響き、子供たちの耳を必死に塞ごうとする母親の姿が。...

パレスチナの理解と解決に必要な「現状認識」…2つの国家論は欺瞞だ

<衝突が激化するイスラエルとパレスチナ、形骸化した自治政府と「2国家共存」に固執する弊害を考えるべきだ> 聖地エルサレムで始まった衝突が海沿いのガザ地区に飛び火し、多くの市民が犠牲になったせいで、自由を求めるパレスチナ人の戦いが久々に世界中の注目を集めている。そして遅まきながらも、国際社会は「二つの国家」の幻想にしがみつくのをやめて「一つの国家(による占領)」の現実を直視し始めた。 ヨルダン川の西岸から地中海に至る土地の帰属をめぐる争いは、もう何十年も続いている。争点は、要約すればこうだ。そこにある...

ガザのメディアタワーを破壊した武器はアメリカ製、バイデンも売却承認

<バイデンが先月承認したイスラエルへの武器売却計画のなかには、ガザ地区で200人以上を殺したのと同じ武器が含まれている> ジョー・バイデン米大統領は4月、イスラエルに対して7億3500万ドル相当の武器を売却することを承認したが、この中に、イスラエル国防軍が5月15日にガザ地区の数百の地点を爆撃する際に用いたものと同じ種類の精密誘導爆弾が含まれることがわかった。これらの標的には、世界各国の報道機関が多く入居していた高層ビルも含まれていた。 米議会の各委員会の委員長は、5月5日の時点で、この武器売却につ...

イスラエル空爆によるガザ地区の死者は、ハマスのロケット弾攻撃による過去25年間の死者を上回る

<死者数の大きな差が示すイスラエル対パレスチナの戦いの非対称性と、それを正当化するイスラエルの多彩な理屈> 先週のパレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエルの空爆による死者は、ガザ地区を実効支配するイスラム系過激派組織「ハマス」のロケット弾による過去20年間のイスラエル側の死者を上回っている。 死者数のこの大きな差は、被害者は自分たちだというパレスチナ側の主張の説得力を強めるとともに、イスラエルに自制を求める世界からの声が高まる理由にもなっている。 パレスチナ側はこれまでも、犠牲者が多いのはイスラエルの...

憎悪の生中継、ユダヤ系極右がアラブ系住民を「集団リンチ」

<野党指導者は国が「制御不能」の状態にあると非難しアラブ系議員は「内戦の瀬戸際」を警告> パレスチナとの衝突が激化するイスラエルで5月12日、アラブ系住民とみられる男性が極右のユダヤ系住民たちによって車から引きずり出され、集団リンチを受ける事態が発生。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を含む政治指導者たちが、これを強く非難している。 テルアビブ郊外のバトヤムで起きたこの事件は、イスラエルの公共放送「チャンネル11」が生中継した。 タイムズ・オブ・イスラエル紙の報道によれば、チャンネル11のダニエル・エラザール記者は中継映像の中で、「今まさに『リンチ』が起きています」とヘブライ語で言った。「現場に警察官はいません」 映像には、多くが黒い服を身につけ、ユダヤ系住民が大半を占める極右集団が、アラブ系住民とみられる男性の運転する車を襲い、男性を車から引きずり出す様子が映っている。 極右集団はその後、この男性を暴行。映像を見ると彼らは、地面に倒れて動かなくなっている男性を、繰り返し殴打している。報道によれば、事件発生から約15分後に救急隊が現場に到着し、男性を救護した。 לינץ' בשידור חי בבת ים: צעירים יהודים תקפו באלימות קשה רוכב אופנוע, השוטרים לא היו בזירה | תיעוד@daniel_elazar #חדשותהערב pic.twitter.com/hBN0e8UrCW— כאן חדשות (@kann_news) May 12, 2021 「正当化できない」とネタニヤフ タイムズ・オブ・イスラエルの報道によれば、ユダヤ系住民の集団は、バトヤムの街頭でデモ行進を行っていたところ、男性が自分たちを車でひこうとしたと主張した。だが映像をよく見ると、男性は車を襲ってくる極右集団から逃れようとしているように見える。 男性が搬送されたテルアビブのイチロフ病院は声明を出し、「リンチの被害者は重傷だが、容体は安定している」と述べた。被害者に関する詳しい情報は、公表されていない。 バトヤムではこのほかにも、大人数の集団がアラブ系住民の所有する企業や店舗を狙う事件が発生した。彼らは「アラブ人に死を!」と叫びながら、アラブ系住民の経営するアイスクリームショップなどを襲撃したという。 エルサレム・ポスト紙によれば、バトヤムのズビカ・ブロット市長は、アラブ系住民の男性を襲ったのは「市外からやって来た扇動者だ」と述べ、「これは私たちのやり方ではない」と言った。 ネタニヤフも、事件を受けて声明を発表。イスラエルとパレスチナの間で数年ぶりの大規模な暴力の応酬が続くなかで生じた「無政府状態」を非難し、「今回のことは決して正当化されない。アラブ人によるユダヤ人のリンチも、ユダヤ人によるアラブ人のリンチも、決して正当化されるものではない」と述べた。 ===== ネタニヤフはさらに、「この暴力は我々のやり方ではない。今後イスラエルのあらゆる都市において、行政機能と統治機能を回復させていく」と述べた。「はらわたが煮えくり返る思いの人もいるだろうが、私の知ったことではない。私的な制裁は許されない。アラブ系住民をつかまえて、集団で暴行することは許されない。アラブ系住民がユダヤ系住民に同じことをするのを黙って見ていられないのと同じことだ」 野党指導者のヤイル・ラピッドは、イスラエルが「完全に制御不能の状態にある」と非難。左派政党メレツのアラブ系議員であるイッサウィ・フレジはツイッターで、イスラエルが「内戦」の瀬戸際にあると警告し、こう書き込んだ。「ユダヤ系とアラブ系の暴徒が街頭で市民をリンチするような国にとって、ハマスからのミサイル攻撃などささいな問題にすぎない」 ===== 【動画】イスラエルの公共放送が生中継した集団リンチ לינץ' בשידור חי בבת ים: צעירים יהודים תקפו באלימות קשה רוכב אופנוע, השוטרים לא היו בזירה | תיעוד@daniel_elazar #חדשותהערב pic.twitter.com/hBN0e8UrCW— כאן חדשות (@kann_news) May 12, 2021

【動画】ゲームにあらず、降り注ぐロケット弾を正確に捉えるイスラエルの迎撃ミサイル

<イスラエル軍の空爆に対し、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスは数百発のロケット弾で報復。近年では最悪の暴力の応酬が始まった> イスラエル中部に住むルイス・フィッシュマンが、現地時間5月11日夜にツイッターに投稿した動画には、夜空に閃光がまたたき、煙が上がる様子が捉えられている。一目見ただけでは、夜空を多くの流れ星が横切っているようにも見えるが、背後に鳴り響くサイレンは、地上のただならぬ事態を反映している。実際にはこれらの閃光は、ガザ地区から放たれた数百発のロケット弾が、イスラエルの防空システム...

イスラエル政治が大混乱…その陰で「争点ですらなくなった」パレスチナ問題

<連立政権協議が難航して再選挙もささやかれる一方でパレスチナ問題は争点にさえならなくなった> イスラエルでは2年間で4回目となる総選挙が3月23日に実施されたが、政治的な麻痺状態が解消されるのではないかという期待は裏切られた。 現職のベンヤミン・ネタニヤフ首相が率いる右派リクード党は、最多議席を獲得したものの単独過半数には届かなかった。連立政権をめぐる議論が続いているが、見通しは立っていない。 クネセト(議会)の過半数は61議席。現段階でネタニヤフが支持を得ている52議席は右派と極右勢力で、反ネタニ...

ガザ地区に届いたワクチン第一便は1000人分… イスラエル「世界最速」接種の陰で

<「イスラエルが輸送を妨げている」とのパレスチナ保健相・人権団体からの非難に反応した当局だが> パレスチナのガザ地区に2月17日、待望の新型コロナウイルスワクチンが初めて運び込まれた。パレスチナ暫定自治政府が2000回分のロシア製ワクチン、スプートニクVを提供。ヨルダン川西岸からイスラエルの検問通過が認められてようやく到着した。 だが、2回接種が必要な同ワクチンは1000人分にしかならず、ガザ地区の人口200万人の0.05%しかカバーできない。パレスチナのアルカイラ保健相は、医療従事者から接種を始め...