「ヘルス」の記事一覧

「安楽死」という選択肢があるおかげで、生き続けられる人もいる

<社会の高齢化が進むなか、世界各国で安楽死を認める法整備が進んでいる。世界が「死ぬ権利」を支持する理由> 安楽死を援助する権利を認めようという動きが、世界中で広がりを見せている。 スペイン議会は今年3月、「耐え難い苦痛」を伴う「深刻な不治の病」を患う成人が、安楽死のために医師の助けを求めることを認める法案を可決した。医師は患者が自分で服用できるように致死量の薬を処方するか(自死援助)、または致死量の薬物を投与することができる(自発的安楽死)。 ポルトガル議会も今年1月末、終末期の患者に自発的安楽死を...

コロナ禍で7割が体重増 平均18キロ重く……米調査

<自粛生活中の体重コントロールはよくある悩みだが、予想を上回る深刻な実態が米調査により明らかになった> コロナ禍で少しふっくらしたという話はよく聞くものだが、アメリカでの状況は一段と深刻になってきている。米心理学会の調査により、25歳から42歳までのミレニアル世代において、約7割の人々の体重が増加していたことが明らかになった。 調査はアメリカに住む18歳以上の3013名を対象に、オンラインの質問形式で実施された。体重変化が最も深刻だったミレニアル世代では、パンデミック以前と比べて意図せず体重が増加し...

SNSにハマる脳の働きは、エサを狙う実験動物と同じ

<ソーシャルメディアの投稿頻度と「いいね!」の数には直接的な相関関係があった> 「いいね!」をもらうとうれしくなって、インスタグラムの投稿がどんどん増える。このときあなたの脳は、餌を求めるネズミの脳のように活動しているのかもしれない。 先頃、科学誌のネイチャー・コミュニケーションズに、ソーシャルメディアの投稿の頻度と「いいね!」の数に直接的な相関関係があることを示す論文が発表された。研究チームはこれを、スキナー箱と呼ばれる実験装置になぞらえて説明している。 20世紀前半にアメリカの心理学者バラス・ス...

イスラエルの隔離監視用ブレスレットはホテル監禁よりマシ?

<電子ブレスレットが現在地を特定し、隔離を守っていない場合には当局に通知が行く> イスラエルで3月17日、新法が可決された。今後、イスラエルに帰国した同国民、もしくは特定の国からイスラエルに入国した人は指定された隔離期間中、確実に隔離を実行しているかを監視するため、電子ブレスレットの着用が義務付けられる。 テルアビブ近郊のベングリオン空港に到着した国民は、まず新型コロナの検査を受け、陰性の場合は電子ブレスレットを装着するか、国営ホテルで隔離期間を過ごすかを選択できる。電子ブレスレットが現在地を特定し...

食物アレルギーは「免疫療法」で克服できる時代へ

<従来の「アレルゲン回避」ではなく、原因食品を少量づつ摂取することで体を正常な状態に戻していく「免疫療法」が確立されつつある> 偶然アレルゲンに触れてしまえば(わずかとはいえ)死の危険さえある不安な生活を運命づけられた人たちに、医学はあまりに無力だった。しかし、そんな時代はもはや過去のものとなった。アレルゲンを避けるしか選択肢がなかった時代、治療法がまったくわからず何もできなかった時代は過ぎ去った。(15ページ) 食物アレルギーは決して「不治の病」ではなく、誰でも克服し、その戦いに終止符を打つことが...

【ファクトチェック】肛門PCR検査は中国で義務付けられている?

<日本やアメリカからの入国者に対して中国が肛門PCR検査を実施したことに、驚きの声が上がっているが......> 中国の公衆衛生当局は、新型コロナウイルスのPCR検査で肛門にスワブを挿入して検体を採取する方法が最善と考えているようだ。呼吸器よりも消化器の方がウイルスの痕跡が長く残りやすいというのがその理由だ。 一方で、鼻や喉から検体を採取する従来の方法が最も効果的と考えている中国の病理学者もいる。 米ニューズウィークが今年1月後半に取材した時には、中国の医療の専門家はまだ、肛門検査の有効性について予備調査の結果を検討している段階だった。 ネットの風説 今週4日、ソーシャルメディアで中国の肛門PCR検査に対して驚きの声が上がった。 ツイッターではユーザー(@davenewworld_2)が「中国では肛門検査が義務付けられている。まるで『サウスパーク』の世界だ」と、コメントした(編注:『サウスパーク』は米ケーブルテレビチャンネル・コメディセントラルで放送されているコメディアニメ)。 Anal swabs are now mandatory in China. We're living in a South Park episode.— Fifty Shades of Whey (@davenewworld_2) March 4, 2021 肛門検査のファクト 北京、上海、青島など中国の一部の都市では、一部の外国人入国者に肛門検査を実施している。ロイターによると、対象となるのは感染拡大地域からの入国者や、同じ旅客機内で5人以上のコロナ陽性者がいるケース。 北京市の感染対策部門の職員は、中国共産党系メディアの環球時報に対して「北京を訪れる外国人は全て」鼻の検査に加えて肛門検査の対象になる、と話している。 これに対して日本とアメリカの政府は、自国民への肛門検査に異議を申し立てた。在中国の日本大使館は、肛門検査の「心理的負担が大きい」として、日本人入国者には行わないよう中国外務省に要請した。 先月にはアメリカの外交官も、肛門検査を受けて不満を申し出ていた。米国務省の報道官は「国務省はこのような検査手法に同意しておらず、米大使館職員がこの検査の対象になったことについて直接、中国側(外務省)に抗議した」と語った。米外交官への肛門検査は「間違って」実施されたという。 ===== 肛門検査は外国人入国者だけでなく、中国国民にも広範囲に実施されている。イギリスの新型コロナ変異株が中国国内で見つかった2月、中国国内では数百万人を対象に肛門検査が実施された。 しかし、鼻や喉から検体を採取する検査の方が簡便なため、肛門検査より広範に実施されている。 ファクトチェック判定 「肛門PCR検査は中国で義務付けられている?」 判定:半分、正しい。 中国は新型コロナの肛門検査を、一部の外国人入国者、そして一部の国民にも要求している。しかし肛門検査よりも簡便な鼻、喉の検体検査も依然として広く実施されている。 肛門検査は全ての状況で義務付けられてはいないが、現状で一般的に実施されている。 =====

都市部よりも歩かない……「クルマ依存」の地方で深刻な運動不足

<自動車の保有台数が多い地方ほど、1日あたりの平均歩数は少なくなっている> コロナ禍で巣ごもり生活が続くなか、国民の運動不足が懸念されている。高齢者では、フレイル(身体の虚弱化)の進行も怖い。 政府は適度な運動の実施を呼び掛けているが、国民も危機感を抱いているようで、昨年に週1回以上運動・スポーツを実施した人の割合は59.9%と過去最高だったそうだ(スポーツ庁)。とくにウォーキングや体操などに取り組む人が増えている。 健康維持のためなら、無理をしてジョギングなどをする必要はない。ちょっと汗ばむ程度の...

睡眠中に夢を見ている人とリアルタイムでコミュニケーションすることに成功した

<米ノースウェスタン大学などの研究チームは、明晰夢(夢であると自覚しながら見る夢)を見ている人とリアルタイムで双方向のコミュニケーションをする実験に成功した...... > 私たちは睡眠中、急速眼球運動を伴う「レム睡眠」の状態で、しばしば夢を見る。一度目が覚めてしまうと夢の記憶は曖昧で、しばらくすると忘れてしまうため、夢について解明されていないことは依然として多い。 米ノースウェスタン大学、仏ソルボンヌ大学、独オスナブリュック大学、蘭ラドバウド大学医療センターからなる国際研究チームは、明晰夢(夢であ...

よく眠るために必要なのは、睡眠時間を削ること

<ベッドにいる時間のうち実際に眠っている時間の割合「睡眠効率」を高めれば、ほとんどの人の睡眠問題は解消される> 健康、美容、能力アップ、認知症対策など、さまざまな分野で共通して大切だといわれているのが「睡眠」だ。しかし、多くの人が睡眠の悩みを抱えているのも事実だ。 厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2018年)によると、「ここ1カ月間、睡眠で休養が十分にとれていない」と回答した人の割合は21.7%だった。5人に1人が睡眠に悩みを抱えていることになる。そんな睡眠の悩みを解決するのが、本書『4週間で誰...

ドイツ「布マスク禁止令」で感染拡大に歯止めはかかるか?

<約3カ月間ロックダウンを行うもウイルス拡大は止まらず、独政府は特定の状況下における医療用マスク着用を義務化。肯定的な意見は多いが、果たして効果は...> ドイツ政府は1月19日、商店や公共交通機関の利用の際にはFFP2などフィルター性が高い医療用マスクを着用することを政令で義務付けた。25日から施行され(バイエルン州政府だけは独自に18日から実施)、違反者は250ユーロの罰金を科される。もはや布マスクでは買い物にも行けない。 筆者が住むバイエルン州ミュンヘンのスーパーマーケット。布マスクを着けた中...