「メルケル」の記事一覧

メルケル後のドイツを揺るがす「極右に熱狂する」旧東独の反乱

<極右政党が旧東独地域では第2党の地位に。再統一から30年が経つ現在も情勢に不満を抱く市民の支持を集めている理由とは> なぜ旧東ドイツ圏では極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が強いのか。6月に行われた東部ザクセン・アンハルト州での地方選挙の前夜、地元の有力政治家マルコ・ワンダーウィッツにそんな質問が飛んだ。 ワンダーウィッツはドイツ連邦政府で旧東ドイツ担当特別委員を務める男。アンゲラ・メルケル首相と同じ中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)に属する。 少し考えてから、彼はこう答えた。そうだな...

相次ぐ政治家の論文盗用疑惑と辞任 なぜドイツだけ?

<ドイツのフランツィスカ・ギファイ大臣が5月半ば、政治学のPh.D.(いわゆる博士号)を取得した際の論文盗用問題を受けて辞任した。盗用問題による任期未満の辞任はメルケル政権下で3人目となる> ドイツ連邦家族問題・高齢者・女性・青年省のフランツィスカ・ギファイ大臣(社会民主党)が5月半ば、2010年にベルリン自由大学で政治学のPh.D.(ドクター、いわゆる博士号)を取得した際の論文盗用問題を受けて辞任した。盗用問題による任期未満の辞任はメルケル政権下で3人目となる。 ドイツでは過去10年に少なくとも2...

「口だけ立派」なメルケル時代の終焉で、ドイツに押し寄せる厳しい現実

<メルケルの引退が迫るなかで与党CDUは迷走しているが、今こそドイツは巨大な構造的課題に取り組むべきだ> アンゲラ・メルケル時代が終わりに近づいている。その評価はどうであれ、2005年11月にドイツ首相に就任して以来、メルケルは独自の姿勢を貫いてきた。 政治における一時代が静かに幕を閉じることはまれだ。ドイツ政界のムッティ(お母さん)の「長いお別れ」も例外ではない。ここへきて、ドイツ政治はようやくヒートアップし始めた。 ドイツは相次ぐ地方選挙や州選挙、9月26日には総選挙が行われる「スーパー選挙イヤ...

メルケルのいないドイツ与党CDUは迷走中

<連邦政府与党のCDUが州議会選で惨敗、このままでは9月の連邦議会選も危うい> ドイツ有数の工業都市シュツットガルト。質実剛健な気風で知られ、自動車大手ダイムラーやポルシェをはじめとする世界的な企業が本社を置くこの街で、3月14日、選挙が行われた。 正確に言うと、シュツットガルトがあるバーデン・ビュルテンベルク州の州議会選挙だ。結果は、アンゲラ・メルケル首相の連邦政府与党で、州政府の連立与党でもあるキリスト教民主同盟(CDU)の大敗に終わった。 今年はドイツにとって選挙の年だ。9月には連邦議会(下院...

ドイツ「布マスク禁止令」で感染拡大に歯止めはかかるか?

<約3カ月間ロックダウンを行うもウイルス拡大は止まらず、独政府は特定の状況下における医療用マスク着用を義務化。肯定的な意見は多いが、果たして効果は...> ドイツ政府は1月19日、商店や公共交通機関の利用の際にはFFP2などフィルター性が高い医療用マスクを着用することを政令で義務付けた。25日から施行され(バイエルン州政府だけは独自に18日から実施)、違反者は250ユーロの罰金を科される。もはや布マスクでは買い物にも行けない。 筆者が住むバイエルン州ミュンヘンのスーパーマーケット。布マスクを着けた中...

独メルケル首相演説が2020年スピーチ・オブ・ザ・イヤーに

<今月9日、ドイツ、メルケル首相の連邦議会でのスピーチが世界でも大きく報道されたが、新型コロナウイルスを真剣に受け止めるよう国民に訴えかけた今年3月のスピーチが2020年の「今年のスピーチ」に選ばれた......> パンデミック初期の3月18日にメルケル首相が国民に向けて行ったテレビ演説(日本語訳)は世界的に高く評価されたが、同演説がこのほどドイツ、テュービンゲン大学の修辞学者たちによって2020年の「今年のスピーチ」に選ばれた。 メルケル首相といえば今月9日、連邦議会でのスピーチが日本をはじめ世界...

ドイツ、11月2日から1カ月の緊急ロックダウンへ 飲食店閉鎖・旅行自粛も要請

ドイツのメルケル首相は28日、再拡大する新型コロナウイルス流行に対応するため、11月2日から1カ月間、緊急の部分的なロックダウン(都市封鎖)措置を実施すると発表した。 メルケル首相は16州首相との会合後、感染状況が「極めて深刻」で、「直ちに行動を取る必要がある」と言明した。同時に、新たな措置は経済的影響を最低限にとどめることが目的とも強調した。 新措置の下、集会は2家族、10人以下に制限する。私用および不要不急の旅行の自粛を促し、ホテル宿泊は出張者のみに限定する。 レストランやバー、ジムやプール、映...

ロシアの毒殺未遂にメルケルが強気を貫けない理由

<メルケル独首相はナワリヌイ氏の毒殺未遂について、ロシア政府を非難──だが両国を結ぶ大規模パイプライン事業の存在がさらに強いメッセージを発信する障害に> ロシアの反体制活動家アレクセイ・ナワリヌイに毒物が使用された事件は、国際社会に厄介な問題を突き付けている。ロシア政府に強いメッセージを発信するにはどうすればいいのか、という問いだ。 ナワリヌイは、シベリアからモスクワに向かう旅客機の中で意識不明の重体となった。旅客機は緊急着陸し、ナワリヌイはシベリアのオムスクにある病院に入院。その後、家族らの希望で...

「死に体」のはずのメルケルが欧州のリーダーに返り咲き

<模範的なコロナ対策やEU理事会の議長国就任で来年退任予定のレームダック首相は注目の人に。メルケルとドイツは再びEUのリーダー役を引き受けた> 誰にだって、2度目のチャンスは与えられるべきだ。ドイツのアンゲラ・メルケル首相も例外ではない。 政権を率いて約15年、現任期が満了する来年に退任予定のメルケルは、やり残した仕事に取り組む覚悟のようだ。ドイツが7月1日、半年ごとの輪番制のEU理事会議長国に就任したおかげで、特に自国の気候変動対策強化やデジタル化、欧州の結束促進でチャンスを手にしている。 メルケ...

独メルケル首相が選んだ対コロナ国際協調 トランプの内向き姿勢と一線

昨年9月、中国・武漢市内を移動していたドイツのメルケル首相は、揚子江(長江)にかかる橋に差し掛かったところで車列を止めさせた。メルケル氏はそこで、革命の指導者・毛沢東が人民に向けて披露したパフォーマンスの話を聞きたかった。 車を降りたメルケル氏は橋の上でポーズを取り、写真を撮らせた。1966年、毛沢東はこの場所で毎年恒例の水泳行事に参加し、自らの健在ぶりとリーダーシップを象徴的に誇示した。 メルケル氏にとっては単なる記念撮影だった。この地がまもなく、世界で40万人以上の死者を出すパンデミック(世界的...