「ヨーロッパ」の記事一覧

欧州各国で感染が急増するなか、「集団免疫戦略」のスウェーデンは収束へ

<高齢者に多くの死亡者が出た集団免疫戦略だが、ロックダウンなしでも感染抑制には成功したのか?> 欧州各国で新型コロナウイルスの感染が急増し、第2波への警戒が高まるなか、ロックダウン(都市封鎖)を行わない「集団免疫戦略」を取ってきたスウェーデンでは、6月後半以降、新規の感染者数が大きく減少している。 WHO(世界保健機構)が今週29日に発表した最新の報告によると、29日までの14日間に確認されたスウェーデンの人口10万人あたりの新規感染者数は、それ以前の14日間と比べて54%減と大幅に減少した。 一方...

中国「マスク外交」で信頼失墜、ヨーロッパでの印象が悪化

<送られてきたマスクの品質に問題があったことで、中国に対して反感が強まる欧州諸国> 中国の「マスク外交」は失敗に終わったらしい。 シンクタンクのヨーロッパ外交評議会がヨーロッパ9カ国で、中国への印象が新型コロナ前後でどう変わったかを聞いた結果、フランスとデンマークでは悪化が62%に対し好転がそれぞれ6%と5%、ドイツは悪化が48%に対して好転は7%。9カ国の平均では悪化が48%に対し、好転はわずか12%だった。 中国から送られてきたマスクなどの物資に品質上の問題があったことで中国への信頼は傷ついてお...

スウェーデンの悪夢はパンデミック以前から始まっていた

<新型コロナ対策で独自のソフト路線がやり玉に挙げられるが、高齢者への感染拡大はそれ以前から必然だった> スウェーデンは、福祉国家の模範だった。1000万人の住民が、手厚い社会保障のおかげで豊かな生活と平等、社会正義を謳歌していると世界から称賛されてきた。 だがこの数カ月で、そのイメージに疑問符が付いた。新型コロナウイルスの流行を受け、スウェーデンは多くの国と違ってロックダウン(都市封鎖)を実施しなかった。欧州各国で人々が自宅に引きこもるなか、首都ストックホルムでは、人々がテラス席でビールを楽しむ姿が...

3万人死亡のイタリアが欧州で真っ先に国境開放した切実な理由

<国境封鎖を解除し、主要3都市の空港では国際便の発着が再開。14日間の隔離制限も撤廃された。慎重な周辺諸国と比べ、時期尚早との批判もあるが...> 新型コロナウイルスの大流行によって3万人以上の死者が出ているイタリアが、早くも経済活動の再開に本腰を入れ始めた。 5月18日の商店・飲食店の営業再開に続き、6月3日にはコロナ危機下の欧州で初めて国境封鎖を完全に解除。ローマ、ミラノなど主要3都市の空港で国際便の発着が可能になり、欧州からの入国者については14日間の隔離制限も撤廃された。また、国内の移動制限...

大統領就任20年、ロシアを「巻き戻した」プーチンの功罪を9人の識者が斬る

<世界でも有数の強大な権力を誇り「終身大統領」への道を邁進するプーチンは、20年の間にロシアをどう変えたのか。そして、今後の針路は......> 現在、ロシア大統領として通算4期目の任期を務めるウラジーミル・プーチンが、最初にその職に就いたのは2000年5月7日のこと。その5カ月ほど前、ボリス・エリツィン大統領(当時)が電撃辞任すると、首相だったプーチンが後継指名を受けて大統領代行に就任。3月下旬に行われた大統領選では50%を辛うじて上回る得票率で何とか決選投票を免れ、1期目をスタートさせた。 あれ...

新型バイクにまたがるドイツ警官が立ち向かう相手は?

<都市封鎖を緩和が始まった直後から再び感染が拡大しているドイツ、一方で封鎖の完全解除を求めるデモが激化する> ドイツの首都ベルリンで、警察隊に新型バイクが引き渡された。 新型コロナウイルス対策に成功しているとされる同国は、5月6日、ロックダウン(都市封鎖)の段階的な緩和に動きだしたが、直後から感染が再び拡大し、警戒感が強まっている。 一方、国内各地では封鎖の完全解除を求めるデモが激化。 警官たちには、ウイルスだけでなく社会の不安定化という敵と戦うことも求められている。 <本誌2020年5月26日号掲...

スロバキアがコロナ封じ込めに成功した3つの要因

<コロナ対策は万全でなくても死者数は最少──制限緩和も始まった中欧の小国の成功の秘密とは> 人口当たりの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)死者数がヨーロッパで最も少ない国は? 5月6日に制限措置の大幅緩和を発表したドイツでも、反ロックダウン(都市封鎖)戦略を取るスウェーデンでもない。人口545万人のスロバキアだ。 同国で確認された感染者数は1455人で、死者数は26人(5月8日時点)。既に2万人以上が死亡しているニューヨーク州に、スロバキアの死亡率を当てはめた場合、死者数は約90人にとどま...

新型コロナウイルスで棚上げされた欧州難民危機

<当局に居場所を知られるのが怖くて病院にも行けない──新しい国に渡っても別の深刻な問題が彼らを襲っている> アフガニスタン難民であるエスマト・モハマディ(22)は、第2の故郷であるドイツ南部のシュツットガルトが新型コロナウイルスの危機に見舞われた際の状況に思わず苦笑した。スーパーマーケットは大混雑で、警備員が客を見張っている。「本当に戦争でも起こったら、この人たちはどうするのだろうと思った」と、数々の修羅場をくぐり抜けてきたモハマディは言う。 モハマディのような難民にとって、新型コロナウイルスの感染...