「ロシア」の記事一覧

ロシア・ベラルーシ合同軍が西側と戦う?

<9月1日、旧ソ連ベラルーシのルカシェンコ大統領がこう発言した。ベラルーシ軍とロシア軍は「実質的に一つ」だ> ベラルーシ軍とロシア軍は、「実質的に一つ」である──旧ソ連ベラルーシのルカシェンコ大統領は9月1日、こう発言し、仮に西側との戦争が勃発すれば「ベラルーシ軍がまず先頭に立って戦い、すぐにロシア西部軍が加わり共同で防衛する」と表明した。 同国には間もなくロシアから戦闘機やミサイル防空システムなどが供与されるという。 これらの発言は、両国が9月半ばに予定している20万人規模の合同軍事演習に先立つも...

アフガニスタンはなぜ混迷を続けるのか、その元凶を探る

<大国の支配と反乱を繰り返した悲劇の国家。その原因は外国の分断統治か、辺境国家の宿命か> 「帝国の墓場」の異名を持つアフガニスタンで、また1 つ「帝国」が敗れた。超大国アメリカである。 イスラム主義勢力タリバンの「復活」は何を意味するのか。なぜこの国では混乱が収まらないのか──。その答えは、アフガニスタン人とは何者か、アフガニスタンとはどのような国かを理解せずに(あるいは知りながら)、近代的な領域国家の概念で管理せんとした大国による分断統治にヒントがあるだろう。 イギリスのノーベル文学賞作家ドリス・...

中国の衛星が3月に軌道上で突然分解……その理由がようやくわかった

<中国の気象衛星「雲海1号02」が、2021年3月18日に分解した。ロシアの偵察衛星から放出されたスペースデブリと衝突した可能性がある...... > 2019年9月25日に酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、高度760〜787キロの軌道を周回していた中国の気象衛星「雲海1号02」が、2021年3月18日7時41分(協定世界時)に分解(ブレイクアップ)した。 米国宇宙軍第18宇宙管制飛行隊(18SPCS)は、3月22日、この事象をツイッターで公表し、「『雲海1号02』の分解に関連するスペースデブリ...

タリバン政権のテロ復活抑止に関する米中攻防――中露が「テロを許さない」と威嚇する皮肉

タリバン政権誕生に際して世界が最も心配するのはテロ活動の復活だ。しかし中露が連携してタリバンにテロ活動を許さないと威嚇している。特に中国はウイグル弾圧の口実として「反テロ対策」を強調してきた。それに対してアメリカ(ポンペオ前国務長官)は「テロ組織は既に存在しないことを確認している」として中国のウイグル弾圧を非難してきた。だから中国は何が何でも「テロ活動は許さない」とタリバンに対して叫び続けているのである。「反テロ対策」に関する米中攻防とタリバンとの関係に注目して考察する。 8月9日の中露「反テロ」軍...

米欧にも中露にも取り込まれない…ポーランド首相、独占インタビュー

<東西のはざまで翻弄される中欧米。バイデン政権やデジタル課税についてモラウィエツキ首相が語ったポーランド独自の視点とは> 西にはドイツを中核として西欧的価値観を共有するEU圏、東にはウラジーミル・プーチンの陣取る絶対主義的なロシア圏。その中間に位置する諸国はずっと両陣営の綱引きに翻弄されてきたが、中でも民族主義色を鮮明に打ち出しているのがポーランドだ。 右派政党「法と正義」が政権を握り、2017年12月からはマテウシュ・モラウィエツキが首相を務める。西側の右派勢力には受けがいいが、リベラル派からは批...

極超音速ミサイルの試射を成功させたロシア、アメリカを威嚇

<ロシアが奪ったクリミア半島沖の黒海に散る新冷戦とミサイル配備の火花> ロシア政府は米国防総省に対し、米軍が極超音速ミサイルをヨーロッパに配備すれば、偶発的な戦闘を引き起こす恐れがあると警告した。そのわずか数時間前には、ロシアが戦艦や潜水艦への搭載を検討している極超音速兵器の試験発射を成功させて見せた。 7月19日、国防総省のジョン・カービー報道官は、ロシアが極超音速巡航ミサイル「ジルコン(Tsirkon)」の試射に成功したとする発表について、質問を受けた。 この会見に先立つ7月19日、ロシア国防省...

サイバー攻撃は従来と別次元のリスクに…核戦争の引き金を引く可能性は十分ある

<ロシア政府とつながりのあるハッカー集団によるサイバー攻撃が激化し、このまま行けば開戦の可能性も> 米政府機関などを標的にした空前の規模のサイバー攻撃が発覚したのは、2020年12月のこと。多くの政府機関や企業で利用されているソーラーウインズ社のネットワーク管理ソフトが狙われたのだ。この「ソーラーウインズ攻撃」のハッカーの糸を引いていたのは、ロシアの情報機関「SVR(対外情報庁)」だと考えられている。 ジョー・バイデン米大統領はこの5月、外国勢力によるサイバー攻撃に対する防衛体制を強化する大統領令に...

保守派が親ロシア、リベラルが反ロシア…アメリカで起きている逆転現象

<これまでアメリカでロシアを敵視する傾向が高かったのは共和党支持者だが、トランプ以降はこの傾向が逆転している> バイデン米大統領は6月半ばに欧州を歴訪しEU首脳と対ロシアでの団結を図ったが、米国内ではロシアへの見方に変化が起きている。共和党支持者は伝統的にロシアに強硬的だったが、プーチン大統領に好意的なトランプ政権以降、ロシアに好意的な層は民主党よりも共和党支持者のほうが多くなった。 今では「ロシアはアメリカの敵」「プーチンはアメリカへの脅威」と答える民主党支持者はそれぞれ51%と75%であるのに対...

元海兵隊のアメリカ人女性、ロシアで殺害 犯人は白タクの運転手か

<異国で拾った白タクが不運にも殺人者だった? 遺体で発見されたアメリカ人留学生は車中からアメリカの母親に、「誘拐ではないといいけど」とメッセージを送っていた> ロシアの大学で学んでいた元米海兵隊員キャサリン・ セロウ(34歳)が行方不明になり、数日後に遺体が発見された。 セロウはモスクワから東へ400キロほどのところにある商業都市ニジニ・ノブゴロド郊外に住んでいたが、6月15日の夜、家から出て身元不明の人物が運転する車に乗り込んだ後、連絡が途絶えた。 遺体が発見される前、ミシシッピ州ビックスバーグに住む母親のベッキー・セロウは、米ナショナル・パブリック・ラジオ (NPR)の取材に対し、娘から「知らない人と一緒に車に乗っている。まさか誘拐犯ではないと思うけど」という不穏なメッセージを受け取っていたことを明かした。 キャサリンは急いで診療所に行こうとしていたので、ウーバーのタクシーを待たずに、ヒッチハイクした車に乗ったのかもしれない、とベッキーは語った。 Distressing news: Catherine Serou, an American studying in the Russian city of Nizhny Novgorod, has been missing since Tuesday. The last sign of life was a text message to her mother in the US: "In a car with a stranger. I hope I'm not being abducted." pic.twitter.com/nl2UHYExJG— Lucian Kim (@Lucian_Kim) June 18, 2021 ロシアで移民専門の弁護士を目指していた セロウ 「その車が診療所の方向に向かわず、森に入っていったとき、娘はパニックになったと思う。娘の電話の電波はそこで消えた」 セロウの失踪は犯罪として捜査が始まり、大規模な捜索活動が行われた。 ソーシャルメディアで公開捜査が呼びかけられ、100人以上のボランティアが郊外の森林をくまなく捜索した。 海兵隊のスキルも役に立たず 地域の調査委員会は、19日に声明を出し、捜索の末、「女性の遺体が発見された」ことを発表した。 そして1977年生まれの男が、殺人容疑で逮捕されたと述べた。この男はかつて「重大な」犯罪で有罪判決を受けていたという。 キャサリン・セロウは、2019年にロシア市内のロバチェフスキー大学に入学し、法学修士課程に在籍していた。ロシア語を学び、移民問題専門の弁護士をめざしていた。 セロウはカリフォルニア大学で美術史の修士号を取得した後、海兵隊に所属し、アフガニスタンに派遣されたこともある。 ベッキーは、海兵隊員として学んだサバイバル技術で、娘が生き延びることを望んでいたと語った。 ベッキー・セロウにインタビューしたNPRのルシアン・キム記者は19日、以前キャサリンがロシア語と英語で地元のニュースチャンネルのインタビューに答えたときの動画をツイッターに投稿した。 キムはさらに、キャサリンの失踪は「5年前にNPRでロシアに関する報道を開始して以来、これまでで最も心をかき乱された事件」とツイッターでコメント。キャサリンの事件は「大きな期待を抱いてロシアを訪れたアメリカ人の若者の物語であり、何千キロも離れたところで起きた悲劇に耐える母親ベッキーの精神的試練の物語でもある」と、説明した。

10年戦争で崩壊したシリア、国民をさらに苦しめる「最悪の飢餓」が迫る

<ロシアの圧力により最後の越境支援ルートも閉鎖の危機に。支援の道が断たれれば人道上の悲劇を招く> 6月16日の米ロ首脳会談で、ジョー・バイデン米大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領にシリアへの越境人道支援を拡大するよう個人的に迫る構えだ。複数の消息筋によれば、この結果、中東の中心に位置する国で新たな人道上の悲劇が起きるのを阻止するためにアメリカの役割が重要性を増す。反米の筆頭格ともいうべき国から譲歩を引き出せるかどうか、バイデンの手腕も試される。 これに先立ち、アントニー・ブリンケン米国務長...