「世界経済」の記事一覧

アマゾンに慣れきった私たちに、スエズ運河の座礁事故が教えてくれること

<海の難所や天候、それにサイバー攻撃──国際貿易の8割を担う海運の実態はびっくりするほど脆弱だ> 国際海運の要であるスエズ運河を6日余り塞いでいた大型コンテナ船「エバーギブン」が、ようやく離礁した。今回の事故は、世界経済(と私たちの日常生活)を支える海運の脆弱性に、多くの人が気付く格好の機会になった。 歴史を振り返れば、国際海運の混乱が飢餓や戦争を招いたケースは少なくない。第1次大戦中に英海軍が実施した海上封鎖は、ドイツ国民を文字どおり飢えさせた。1967年にエジプトのガマル・アブデル・ナセル大統領...

企業が今年注力するべきCSRの4大トレンド

<画期的だった2020年の躍進を維持しつつ、多様性や環境、従業員重視、得意分野での貢献を目指せ> 2020年は、CSR(企業の社会的責任)にとって画期的な年となった。米企業と経営者は、これまでになく積極的に行動した。大統領選挙で不正があったという虚偽情報を流した政治家への献金を停止。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で職を失った人々の支援に数億ドルを寄付した。黒人が白人警官に殺され、BLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動の一部が暴徒化すると、社会正義実現プログラムの支...

世界的なコンテナ不足が、世界の景気回復のブレーキに?

<去年の11月以降、世界的なコンテナ不足が各国の輸送費を押し上げている。海運業者に利益をもたらしたが、結果的に世界の景気回復のブレーキとなりかねない状況だ......> 中国からヨーロッパ向けの海上輸送費の高騰が止まらず、秋と比べても4倍にまで膨れ上がっている。もともとはコンテナ不足に端を発した値上がりだが、そのほかの要因も重なり、荷送人の負担はこれまでになく高まっている。アジアでのコンテナ不足は、海運業者に利益をもたらしたが、世界の景気回復のブレーキとなりかねない状況だ。 コンテナ輸送費の高騰 S...

コロナ禍で株価だけが上がり続ける理由「最悪の中では最高にマシ」

<株式市場はパンデミックで打撃を被る世界経済となぜここまで乖離するのか──投資マネーが集まるそのカラクリ> (本誌「コロナバブル いつ弾けるのか」特集より) 「株式市場は経済ではない」 昔からよく言われるこの格言は、通常なら真実ではない。株式市場はしばしば経済を代弁するもので、経済がこの先どうなるかを指し示す優れた指標だ。しかし、現在の株式市場と新型コロナウイルスの感染拡大による21世紀最悪の経済危機との乖離を、この格言は的確に捉えている。 アマゾン、アップル、マイクロソフトなどテクノロジー銘柄が多...

新興国株式は買いか? アナリストが2021年の世界経済を楽観する理由

<予測では先進国より力強い成長。新興国株の上昇を牽引する要因は、貿易の回復、低金利と低インフレ、そして......> (※本誌「2021年に始める 投資超入門」特集より) 2020年は、コロナ禍が世界経済に大打撃を与えた。新興国も例外ではない。特にヨーロッパやアメリカ、そしてアジアへの輸出に依存する国々が受けたダメージは大きかった。新興国26カ国の株価をカバーするMSCI新興市場指数は、2020年1~3月期に約35%も下落した。 だが2021年は違うと、アナリストらはみる。新型コロナウイルスのワクチ...

米中逆転は5年早まり2028年──コロナ対応の巧拙で明暗。日本は3位を維持

<新型コロナウイルス封じ込めの成功で、中国経済は予想より5年早くアメリカを追い抜く、と英シンクタンクが予想> 中国は2028年までにアメリカを抜いて世界最大の経済大国になる、とイギリスの調査機関が発表した。西側諸国が新型コロナウイルスの感染拡大に今も手を焼いているのに対し、迅速に対応してウイルスの封じ込めに成功した中国はいち早く経済成長を軌道に乗せているからだ。 英シンクタンクの「経済ビジネス・リサーチ・センター(CEBR)」は12月26日、年次報告書を発表し、パンデミック(世界的大流行)が各国の経...

世界が前代未聞の公的債務の波に襲われても破綻しない理由

<世界各国の公的債務の残高は277兆ドルに達し返せる当てもないが、それでも政府は必要な支出を惜しんではいけない> いかに私たちが健忘症でも、まだ忘れてはいないだろう。わずか10年前までは(少なくともヨーロッパでは)緊縮と禁欲、そして徹底した歳出の削減だけが生きる道だったことを。「天気のいいうちに屋根の穴を塞ぎ」、借金を減らして経済成長を促せ。それが必須で、借金のし過ぎは取り返しがつかないことになる。それこそが常識だった。 「最新の研究によれば、債務残高がGDPの90%を超えると長期の成長にネガティブ...

コロナ拡大でも経済的既得権にしがみつく中高年を憎む若者が世界に急増、政治不安が増幅する

<とくに若者を怒らせているのは、行動制限に従い失業している若者たちの苦境に目もくれず、感染拡大を助長してきた親世代や政治指導者> 新型コロナウイルス再拡大のさなかにあって、世界中の若者は、年上の世代に対する不満を募らせている。経済は低迷し、機会は失われ、感染予防のための行動制限の保護対象であるはずの中高年は規則に従っていないからだという。 11月17日に発表された英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の調査によると、対象となった16歳~30歳までの若者800人以上が、新型コロナウイウルス感染拡大による...

WTO次期事務局長、ナイジェリアと韓国の女性2人が最終候補に 11月初めには決定

世界貿易機関(WTO)は8日、次期事務局長選挙の最終候補について、ナイジェリアのンコジ・オコンジョイウェアラ元財務相と韓国産業通商資源省のユ・ミョンヒ通商交渉本部長の2人が残ったと発表した。 5人の候補から絞り込まれた。2人とも女性であることから、設立から25年となるWTOに初の女性事務局長が誕生することになった。 ンコジ・オコンジョイウェアラ氏はナイジェリアの財務相や外相を歴任。経済学者のほか開発の専門家でもあり、現在は「ワクチンと予防接種のための世界同盟(GAVI)」の理事長を務めている。貧困国...

コロナ禍で来年末までに世界の1.4%が極貧となる可能性=世界銀行

世界銀行は7日、隔年リポート「貧困と繁栄の共有」を発表し、新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)により、2021年末までに1億5000万人が極度の貧困に陥る可能性があるとの見解を示した。そうなれば、過去3年以上にわたる貧困撲滅努力が無に帰すことになる。 リポートは、今年中に1日の生活費が1.90ドルを下回る極貧人口が8800万─1億1500万人増加すると推定。2021年には、その人口はさらに1億1100万から1億5000万人に膨れ上がる可能性があるとしている。 予想の通りになれば、今年極貧状...