「世界経済」の記事一覧

インフレへの「軽視」と「慢心」こそが70年代型インフレ危機の再来を招く

<インフレ懸念が高まるなかで指摘される暗黒のニクソン政権時代との共通点、バイデンの分析と対応は果たして正しいのか> アメリカの大統領はみんな、「リチャード・ニクソンに似てきた」と言われるのを嫌う。しかし今、ジョー・バイデン大統領が第37代大統領ニクソンのようになりはしないかという懸念を、多くの専門家が抱いている。 ウォーターゲート事件並みのスキャンダルを起こすという心配ではない。ニクソンが1970年代に引き起こしたような壊滅的なインフレの種をまいているのではないかというのだ。 既にインフレはエコノミ...

ビットコインはコロナを経て、インフレヘッジ資産として劇的に成長した

<世界がインフレに怯える中、ビットコインをはじめ仮想通貨の価値が見直されている【インフレと仮想通貨論(後編)】> 【記事前半】ビットコインで「資産を守れる」は本当? インフレの「経済論戦」から考える 今日、世界的にインフレ懸念が高まっています。背景にあるのは、新型コロナウイルスによる経済失速への対応策として世界中で実施された大規模な景気刺激策があります。未曾有のマネー膨張と言われる中央銀行による金融政策の末路としてインフレが加速し、米ドルや日本円の価値が減少すると考える投資家は少なくないでしょう。 ...

ビットコインで「資産を守れる」は本当? インフレの「経済論戦」から考える

<インフレ懸念が高まっているが、そもそも世界はなぜインフレに怯えるのか?【インフレと仮想通貨論(前編)】> 米国経済が新型コロナから立ち直る中、インフレ懸念が再燃しています。日本ではインフレに対して危機感を持つ人は多くないようですが、米国が牽引する形で世界的にインフレが加速する可能性があります。 インフレとは簡単に言えば、円やドルなど法定通貨の購買力が低下することを意味します。しかし、理屈では分かっていても、現代の多くの市場参加者は不健全なレベルのインフレを実際に体験していません。インフレ率が高まる...

アマゾンに慣れきった私たちに、スエズ運河の座礁事故が教えてくれること

<海の難所や天候、それにサイバー攻撃──国際貿易の8割を担う海運の実態はびっくりするほど脆弱だ> 国際海運の要であるスエズ運河を6日余り塞いでいた大型コンテナ船「エバーギブン」が、ようやく離礁した。今回の事故は、世界経済(と私たちの日常生活)を支える海運の脆弱性に、多くの人が気付く格好の機会になった。 歴史を振り返れば、国際海運の混乱が飢餓や戦争を招いたケースは少なくない。第1次大戦中に英海軍が実施した海上封鎖は、ドイツ国民を文字どおり飢えさせた。1967年にエジプトのガマル・アブデル・ナセル大統領...

企業が今年注力するべきCSRの4大トレンド

<画期的だった2020年の躍進を維持しつつ、多様性や環境、従業員重視、得意分野での貢献を目指せ> 2020年は、CSR(企業の社会的責任)にとって画期的な年となった。米企業と経営者は、これまでになく積極的に行動した。大統領選挙で不正があったという虚偽情報を流した政治家への献金を停止。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で職を失った人々の支援に数億ドルを寄付した。黒人が白人警官に殺され、BLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動の一部が暴徒化すると、社会正義実現プログラムの支...

世界的なコンテナ不足が、世界の景気回復のブレーキに?

<去年の11月以降、世界的なコンテナ不足が各国の輸送費を押し上げている。海運業者に利益をもたらしたが、結果的に世界の景気回復のブレーキとなりかねない状況だ......> 中国からヨーロッパ向けの海上輸送費の高騰が止まらず、秋と比べても4倍にまで膨れ上がっている。もともとはコンテナ不足に端を発した値上がりだが、そのほかの要因も重なり、荷送人の負担はこれまでになく高まっている。アジアでのコンテナ不足は、海運業者に利益をもたらしたが、世界の景気回復のブレーキとなりかねない状況だ。 コンテナ輸送費の高騰 S...

コロナ禍で株価だけが上がり続ける理由「最悪の中では最高にマシ」

<株式市場はパンデミックで打撃を被る世界経済となぜここまで乖離するのか──投資マネーが集まるそのカラクリ> (本誌「コロナバブル いつ弾けるのか」特集より) 「株式市場は経済ではない」 昔からよく言われるこの格言は、通常なら真実ではない。株式市場はしばしば経済を代弁するもので、経済がこの先どうなるかを指し示す優れた指標だ。しかし、現在の株式市場と新型コロナウイルスの感染拡大による21世紀最悪の経済危機との乖離を、この格言は的確に捉えている。 アマゾン、アップル、マイクロソフトなどテクノロジー銘柄が多...

新興国株式は買いか? アナリストが2021年の世界経済を楽観する理由

<予測では先進国より力強い成長。新興国株の上昇を牽引する要因は、貿易の回復、低金利と低インフレ、そして......> (※本誌「2021年に始める 投資超入門」特集より) 2020年は、コロナ禍が世界経済に大打撃を与えた。新興国も例外ではない。特にヨーロッパやアメリカ、そしてアジアへの輸出に依存する国々が受けたダメージは大きかった。新興国26カ国の株価をカバーするMSCI新興市場指数は、2020年1~3月期に約35%も下落した。 だが2021年は違うと、アナリストらはみる。新型コロナウイルスのワクチ...

米中逆転は5年早まり2028年──コロナ対応の巧拙で明暗。日本は3位を維持

<新型コロナウイルス封じ込めの成功で、中国経済は予想より5年早くアメリカを追い抜く、と英シンクタンクが予想> 中国は2028年までにアメリカを抜いて世界最大の経済大国になる、とイギリスの調査機関が発表した。西側諸国が新型コロナウイルスの感染拡大に今も手を焼いているのに対し、迅速に対応してウイルスの封じ込めに成功した中国はいち早く経済成長を軌道に乗せているからだ。 英シンクタンクの「経済ビジネス・リサーチ・センター(CEBR)」は12月26日、年次報告書を発表し、パンデミック(世界的大流行)が各国の経...

世界が前代未聞の公的債務の波に襲われても破綻しない理由

<世界各国の公的債務の残高は277兆ドルに達し返せる当てもないが、それでも政府は必要な支出を惜しんではいけない> いかに私たちが健忘症でも、まだ忘れてはいないだろう。わずか10年前までは(少なくともヨーロッパでは)緊縮と禁欲、そして徹底した歳出の削減だけが生きる道だったことを。「天気のいいうちに屋根の穴を塞ぎ」、借金を減らして経済成長を促せ。それが必須で、借金のし過ぎは取り返しがつかないことになる。それこそが常識だった。 「最新の研究によれば、債務残高がGDPの90%を超えると長期の成長にネガティブ...