「中国経済」の記事一覧

「共同富裕」と格差是正を掲げた習近平だが、身内は例外というまやかし

<富裕層や大企業による富の独占を許さないと息巻く習近平だが、もちろん自分の身内に適用されることはない> 国の習近平(シー・チンピン)国家主席が8月17日の演説で「共同富裕(みんなで豊かになろう)」を強調し、大企業や富裕層の間に動揺が広がっている。 習は昨年来、社会への富の還元を掲げて財界への規制を強め、巨大IT企業などに巨額の罰金や資産売却を科してきた。富のさらなる吸い上げを恐れる大企業は、中国共産党への忠誠と社会貢献を必死にアピール。電子商取引大手の拼多多(ピンドゥオドゥオ)は早速、農村開発プロジ...

中国の経済的影響力維持を指示した習近平

対中包囲網を標榜するバイデン政権の対中貿易額が増加する一方、習近平は政治局会議を開き中国経済に関する外部環境に警戒を発した。チャイナマネーによる引力に陰りが出ると北京冬季五輪にも影響するからだ。都内では同日、駐日中国大使を遣って「反中感情を煽るな」という講演をさせている。 習近平が中共中央政治局会議を招集 例年の北戴河会議を前に、習近平は7月28日から立て続けに会議を招集しているが、7月30日には現在の経済情勢と今後の指針に関する中共中央政治局会議を開催した。 会議ではコロナからいち早く回復した中国...

三人っ子政策に中国国民の反応は冷ややか 「二人目さえ欲しくない」理由

<今後の人口減を危惧して中国政府は少子化対策に大きく舵を切ったが、この政策が機能しない理由が3つある> 中国の出生率が下がり続けている──そんな懸念すべき傾向が、5月半ばに発表された国勢調査の結果で確認された。中国国内では以前から、日本のように人口減に伴う労働力不足に見舞われるのではないかと危惧されていた。 中国政府は少子化対策として2016年、それまで30年以上続けてきた「一人っ子政策」を廃止した。だが効果が芳しくなかったため、この5月31日、第3子までの出産を許可するとした。「三人っ子政策」の導...

全人代、中国の中小零細企業の危機あらわに

3月5日の全人代政府活動報告は、中国企業雇用の80%を担う中小零細企業の危機をあらわにした。報告が反省の念をくり返すのも珍しい。この問題を緊急に解決しなければ政府転覆にもつながりかねないからだろう。 中国の中小零細企業が置かれている現状 まず中国の中小零細企業が中国経済に対して貢献している要素を、いくつか列挙してみる(2020年段階)。 ●中小零細企業は中国企業雇用の約80%を担っている。 ●中小零細企業は特許発明の70%を占めている。 ●中小零細企業は中国のGDPの60%に貢献している。 ●中国の...

日本人が知らない「人民元」73年の歴史──5つの転機があった

<中国の経済成長と共に存在感を高めてきた人民元は、IMFから「国際通貨の象徴」に選ばれ、名実共に世界の表舞台に立った。何が飛躍の転機になったのか。AIIBや一帯一路もその国際化と関係しているのか> (本誌「人民元研究」特集より) 1948年に人民元が発行されてから73年。 かつては激しいインフレに見舞われたり外貨交換には兌換券が必要だったりと世界経済では「弱小」だった人民元が、今や米ドルから基軸通貨の称号を奪うとの議論が起こるまでに存在感を高めた。 その背景には、急速な貿易の拡大に牽引された中国の経...

中国はアメリカを抜く経済大国にはなれない

<中国の経済は近いうちにアメリカを上回って世界一になると予想する声は多いが、労働人口と生産性の動向に着目し、中国は永遠に二番手のままで終わるという説が登場した> 中国の経済は2050年になっても依然としてアメリカを上回ることはできず、世界第2位に留まる可能性がある、という分析を、ロンドンを拠点とする経済調査会社キャピタル・エコノミクスが発表した。 同社の予想は、中国の経済力が遠からず世界一の経済大国アメリカを超えるという一般的な見方を覆すものだ。 中国の経済的影響力は、アメリカのように着実には増加し...

強大化する中国を前に日米豪印「クアッド」が無力な理由

<中国の「武器」は巨大な消費市場──経済連携なき軍事同盟では太刀打ちできないことは、米ソ冷戦の歴史を見れば明らか> オーストラリア、インド、日本、アメリカの4カ国が中国を警戒するのは理にかなっている。強大化する中国に日米豪印戦略対話(クアッド)で対抗しようとするのも理にかなっている。 だが残念ながらクアッドではアジアの歴史の流れは変えられないだろう。理由は2つ。4カ国の地政学的利害と中国に対する脆弱性がそれぞれ異なるから。そして何より、大規模な戦略的駆け引きは軍事ではなく経済分野で起きているからだ。...

世界的なコンテナ不足が、世界の景気回復のブレーキに?

<去年の11月以降、世界的なコンテナ不足が各国の輸送費を押し上げている。海運業者に利益をもたらしたが、結果的に世界の景気回復のブレーキとなりかねない状況だ......> 中国からヨーロッパ向けの海上輸送費の高騰が止まらず、秋と比べても4倍にまで膨れ上がっている。もともとはコンテナ不足に端を発した値上がりだが、そのほかの要因も重なり、荷送人の負担はこれまでになく高まっている。アジアでのコンテナ不足は、海運業者に利益をもたらしたが、世界の景気回復のブレーキとなりかねない状況だ。 コンテナ輸送費の高騰 S...

「危険で脆弱な超大国」独裁国家・中国のトリセツ

<元米国防総省中国部長が新著で解き明かすのは、世界規模の野望を持ちながら、弱さも秘めた現代中国の姿だ。アメリカと同盟国は、その矛盾を理解せよ> ソ連崩壊から約30年が過ぎた今、アメリカの覇権争いの相手は中国だ。習近平(シー・チンピン)政権の発足以来、中国はより強く自己主張する路線を推し進め、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でアメリカとの競争は激化した。 表面的に見れば、中国は自信に満ちている。経済は回復基調にあり、軍の現代化やテクノロジー開発の加速、外交的影響力の拡大が進む。 その中...

米中逆転は5年早まり2028年──コロナ対応の巧拙で明暗。日本は3位を維持

<新型コロナウイルス封じ込めの成功で、中国経済は予想より5年早くアメリカを追い抜く、と英シンクタンクが予想> 中国は2028年までにアメリカを抜いて世界最大の経済大国になる、とイギリスの調査機関が発表した。西側諸国が新型コロナウイルスの感染拡大に今も手を焼いているのに対し、迅速に対応してウイルスの封じ込めに成功した中国はいち早く経済成長を軌道に乗せているからだ。 英シンクタンクの「経済ビジネス・リサーチ・センター(CEBR)」は12月26日、年次報告書を発表し、パンデミック(世界的大流行)が各国の経...