
母国送還かコロナ感染か 米収容所の亡命希望者が突きつけられる残酷な選択
6月初め、亡命申請中のホセ・ムノスさんは、逃げ出さなければ命が危ない、と心に決めた。収容者のあいだで新型コロナウイルスが広がるテキサス州の移民収容センターを離れ、母国エルサルバドルに戻るという意味だ。 米移民税関捜査局(ICE)によれば、ヒューストン契約収容施設の収容者のうち、少なくとも105人で新型コロナ感染が確認されている。感染者数が増加するなかで、感染から身を守る方法は布製マスク以外にはほとんどなかった、とムノスさんは言う。ICEのデータによれば、同施設の収容者は6月1日時点で375人だった。...