「人権問題」の記事一覧

ウイグル問題制裁対象で西側の本気度が試されるキーパーソン

欧米諸国がウイグル弾圧に対して行っている制裁の中で、トランプ政権以外は避けている弾圧指揮の張本人がいる。日本がウイグル問題制裁に踏み切るか否かと同時に、バイデン政権が覆すか否かも同時に問われる。 その名は陳全国・新疆ウイグル自治区書記 日本人にはあまり馴染みがないかもしれないが、中国には少数民族弾圧で名高い「陳全国」という人物がいる。現在、新疆ウイグル自治区の(中国共産党委員会)書記をしている。 彼こそがウイグル民族弾圧の総指揮者だ。 ところが今年3月22日にEUが発動し、イギリス、カナダ、オースト...

「安楽死」という選択肢があるおかげで、生き続けられる人もいる

<社会の高齢化が進むなか、世界各国で安楽死を認める法整備が進んでいる。世界が「死ぬ権利」を支持する理由> 安楽死を援助する権利を認めようという動きが、世界中で広がりを見せている。 スペイン議会は今年3月、「耐え難い苦痛」を伴う「深刻な不治の病」を患う成人が、安楽死のために医師の助けを求めることを認める法案を可決した。医師は患者が自分で服用できるように致死量の薬を処方するか(自死援助)、または致死量の薬物を投与することができる(自発的安楽死)。 ポルトガル議会も今年1月末、終末期の患者に自発的安楽死を...

ミャンマー国軍、市民の遺体引き取りに現金要求か バゴー市、大学生含む多数の犠牲者が放置されたままに

<ロケット砲や迫撃砲まで使用した国軍による攻撃で市民80人以上が死亡、200人以上が行方不明となったバゴー市。しかし悲劇はさらに続いている──> 国軍による市民への無差別発砲により少なくとも80人が死亡したミャンマーのバゴー市。1都市で1日に発生した犠牲者としては2月1日のクーデター発生以来最多となる惨事から3日経った12日も依然として国軍による厳戒態勢が敷かれている。 そんななか、犠牲になった家族の遺体を引き取って埋葬を希望する市民に対して、国軍が「現金を支払えば(遺体を)返還する」として金銭を要求しているとの情報が現地では流れているという。 大学生を含む非武装無抵抗の市民に対して実弾発砲のほか、腹部を刺された遺体も見つかるなど兵士による残虐な殺害行為が明らかになり、「組織的な虐殺が行われた」として人権団体や国際社会からなどからは国軍への非難が強まっている。 4月9日、中心都市ヤンゴンの北98キロにある観光地として知られている古都バゴー市で、反軍政デモなどの抵抗運動をしていた市民多数に対し、兵士約250人が退路を断つように包囲して、午前4時過ぎから無差別攻撃を始めた。 現地からの映像や動画によると、バゴー市内のポナスやナンタウェイなど4地区の道路に市民が築いた土嚢やバリケードに対して軍はまずロケット砲などを発射してそれを破壊。その後兵士による銃火器での実弾射撃が始まり、その結果多くの犠牲者がでた。 現場で発見回収されたロケット砲の破片とみられる部品もネット上で公開され、重火器による攻撃を裏付けているという。 地元のメディア「イラワディ」は犠牲者の中には地元バゴー大学の19歳の数学科1年生の大学生など3人が含まれ、さらに2人の大学生が現在も行方不明となっているという大学当局の話しを伝えている。 また銃撃による多くの犠牲者のほかに腹部に刺し傷のある遺体もあったことから、拘束後に兵士から暴力を受けた末の死者も含まれていることも明らかになったと「イラワディ」は伝えている。 少なくとも80人以上とみられる犠牲者の遺体の多くは家族が軍のさらなる発砲を恐れているか、あるいは難を逃れて郊外に避難しているため、その多くが現在も放置されたままの状態であるという。 ===== 軍が遺体引き取りに現金要求か また「イラワディ」が伝えたところによると、軍が遺体引き取りに関して家族や親戚に対して「現金を支払えば引き渡す」と金銭を要求しているという。ただ「イラワディ」としては「この情報について確実な裏がとれているわけではない」としている。 ただ、同時にネットのSNSなどでは遺体の「引き取り」には「1遺体で12万チャット(約85ドル)」を軍が要求しているという書き込みもあり、情報の信憑性は高まっているという。 軍による戦闘がひと段落した10日朝には学校や仏教寺院に安置されていた遺体や収容されていた負傷者約200人を軍がどこかに運び去ったといわれていた。 しかし情報が錯綜し、負傷者はいずこかへ運び去られ依然として行方が不明となっているものの、犠牲者の遺体は依然として市内の学校や寺院に放置されている状態という。 そして負傷者の中には僧侶らによる手当ての申し入れを軍が拒否したため、その場で落命した人も多く、そうした遺体が多く残されており、同時にどこかに運び去られた多数の負傷者の安否も気遣われている状況という。 学校や寺院に残された犠牲者の数があまりに多いことなどから「現金支払いによる引き取り」を軍が呼びかけているものとみられている。 SNS上には「ミャンマーでは死体すら安全ではない」「遺体すら商売の道具にしている」などとの書き込みがあり、軍による「遺体引き取りに身代金」の情報は反軍政の市民の怒りを倍加させている。 地元メディアなどによると、国軍は引き続きバゴー市内で厳戒態勢を続けており、通りを歩く人や建物の窓から姿をみせた人に対しては実弾発砲を繰り返しており、バゴー市内は12日も依然として厳しい状況にあるようだ。 [執筆者] 大塚智彦(フリージャーナリスト) 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など ===== バゴー市内での国軍による非道 現地の様子を伝えるRFAビルマ RFA Burmese/YouTube 暗闇のなか、国軍による攻撃が続く Bago ,MyanmarThe Terrorist Military Council killed a large number of civilians Today April 9 in #Bago ,Myanmar.Up to 40 people were shot dead by the terrorists. They are still firing untill now.#Apr9Coup #WhatsHappeningInMyanmar pic.twitter.com/EZU4GLk8rt— littlemessy05 (@RRi0503) April 9, 2021 無抵抗の少年一人を追い回す国軍兵士たち This Is What's Happening right now in Bago,Myanmar! Military Started attacking People With Mortars, RPGs and Other Big Weapons While People are fall asleep! 4 Deaths and Over 30 injuries Confirmed til now! Please Let The World Know What's Happening In Myanmar.@RapporteurUn pic.twitter.com/2heoTlRCpx— RezHez_Official (@NyiYHtut1) April 9, 2021

ウイグル人権問題、中国に牛耳られる国連

日米首脳会談の共同声明でウイグル等の人権問題に関し「懸念」を盛り込むらしいが、国連が機能しなくなった今、民主主義国家が連携して行動するしかない。中谷元防衛相等が主張する「人権侵害制裁法」が不可欠だ。 中国に国連を牛耳られた民主主義国家の悲惨 国連の重要な決議機関が中国などの独裁国家によって牛耳られているため、人権を守るための決議を出すことができず、民主主義国家の意思が反映できない状況に陥っている。 たとえば、ミャンマー軍は4月9日、ヤンゴン在住の若者ら19人が先月の国軍記念日に発生した軍幹部の殺害な...

ロケット砲で80人以上が死亡、200人以上が行方不明か 内戦の危機迫るミャンマー情勢

<国際社会の批判にもかかわらず、ミャンマー国軍はデモ参加者への弾圧を容赦なく続け、武装勢力も巻き込んだ内戦に発展する恐れも> 2月1日のクーデターで政権を奪取した国軍が、抗議活動を続ける市民への実弾発砲などを続けるミャンマー。情勢は日に日に混迷の度が深まり、打開へ向けた一筋の燭光すらまったく見えない状況が続いている。 そんななか4月9日、中心都市ヤンゴンの北に位置する古都バゴー市で、デモに参加していた市民を国軍が包囲し、銃火器などを発砲。その結果これまでに少なくとも80人以上が死亡し、200人以上が...

アメリカの北京五輪ボイコット発言に中国が猛反発

<米国務省報道官が人権問題を理由にボイコットの可能性を示唆したことを受け「強い反撃に遭うことになる」と警告> 人権問題をめぐる米中の対立が深まるなか、もしんアメリカが2022年に北京で開催される冬季五輪のボイコットを決めれば「強い反撃」に遭うことになるだろう、と中国は警告した。 米国務省のネッド・プライス報道官が4月6日、中国による新疆ウイグル自治区のイスラム教徒やチベット族、香港市民に対する人権侵害が懸念され、北京五輪にどう対応するのが最善の策なのか同盟諸国と協議するつもりだと表明。「世界中の同盟...

【やさしい解説】米南部で「復活」した人種隔離政策「ジムクロウ法」とは

リベラルアーツガイドは、人文社会科学系学問の復権をめざし、修士以上の研究者有志が中心となって現代社会と関わりの深いトピックについてやさしく解説しているサイトです。 ジムクロウ法(Jim Crow laws)とは、1870年代から1960年代までアメリカ南部における、州・郡・市町村レベルでの人種隔離をする規則と条例です。「ジムクロウ」という言葉の語源は、顔を黒塗りした白人俳優のトーマス・ライスが演じたキャラクターにあります。 ジムクロウはアメリカ合衆国における人種主義制度の一つにすぎませんが、アメリ...

ホラー&サスペンスの金字塔『羊たちの沈黙』30年越しの課題

<性的少数者のステレオタイプな表現に沈黙してきた珠玉の名作> 『羊たちの沈黙』は1991年2月14日に全米公開されたときから、普通のホラー映画でないことは明らかだった。「電撃的なサスペンス体験だ」と当時、本誌の映画担当デービッド・アンセンは書いている。「恐怖を好む人にはたまらない、とびきりの怖さだ」 原作はトマス・ハリスの88年の同名小説。FBI捜査官の訓練生クラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)が、連続殺人犯「バッファロー・ビル」を追跡するため、ソラマメとキャンティをこよなく愛する連続猟奇...

ウイグル批判に華春瑩がアメリカの「奴隷」を持ち出し反撃

<ウイグル人の労働環境はアメリカの奴隷よりましと、歴史問題とのすりかえが始まった?> 先の米中外務・防衛相会談で新疆ウイグル自治区での人権抑圧を公然と批判された中国は、アメリカの人権問題を持ち出しての反論を強めている。 3月25日には、新疆ウイグル自治区で綿花の収穫作業を行うウイグル人らしい写真と、アメリカの奴隷制を示唆する深南部のプランテーション(大規模農園)の写真を比較し、アメリカの偽善を非難した。 中国外務省の報道局長である華春瑩は、ツイッターに20世紀初頭に撮影された米ミシシッピ州の綿花生産...

イスラム教女生徒のヒジャブは自由か強制か インドネシアで再燃

<欧米では禁止の動きが出て論争を呼んでいるイスラム教徒女性の「ヒジャブ」。一方で圧倒的多数の国民がイスラム教徒の国では別の問題が......> 世界最大のイスラム教徒人口を擁するインドネシアで今、イスラム教徒の女性が身に着けて頭部、首、胸などを覆うスカーフ状の「ジルバブ(ヒジャブ)」をめぐる熱い論争が再燃している。 ことの発端はスマトラ島北スマトラ州パダンの中学校に娘を通わせる父親が「学校でジルバブ着用を先生から強制されるのはおかしいのではないか」とSNSを通じて訴えたことだ。 これに対して教育文化...