「人種問題」の記事一覧

自然科学系ノーベル賞に根強い「白人男性偏重」

<優秀な女性や黒人を冷遇する科学技術界と社会の時代錯誤な悪弊に終止符を> 2007年、筆者はスウェーデン王立科学アカデミーのノーベル化学賞の選考で助言した関係で授賞式に招かれた。受賞者と同じホテルに滞在し、「知る人ぞ知る」存在だった彼らが一躍「時の人」になるのを目の当たりにした。 例年10月上旬の発表直後から受賞者は世界中で講演に引っ張りだこ。12月の授賞式前後の1週間はスウェーデンの首都ストックホルムで取材攻勢に遭い、王室の人々と懇談。その様子がテレビ放映される。 科学者と彼らの研究が世間の注目を...

トランプ、奴隷解放記念日の祝日化約束 黒人有権者にアピール

トランプ米大統領は25日にジョージア州アトランタで開いた選挙イベントで、6月19日の奴隷解放記念日「ジューンティーンス」を連邦祝日に制定することなどを公約し、黒人有権者にアピールした。 トランプ氏はまた、白人至上主義の秘密結社クー・クラックス・クラン(KKK)と反ファシストの極左活動アンティファをテロ組織に指定すると表明。黒人の資本アクセスの改善、雇用創出、黒人が経営する事業への支援と税優遇策の拡充も約束した。 トランプ氏は「米国人を常に最優先する。極めて重要なことだが、これには黒人の米国人が含まれ...

米ケンタッキー州ルイビルで抗議デモ続く 黒人女性射殺事件めぐる警官処分に反発

米ケンタッキー州の最大都市ルイビルでは24日、黒人女性ブレオナ・テイラーさんが白人警官らに自宅で射殺された事件を巡り、関与した警官への殺人罪適用を見送った州大陪審の決定に抗議するデモが前日に続き繰り広げられた。夜に入り緊迫した空気に包まれているが、概ね平和的に行われている。 夜間外出禁止令の対象時間に入り、警察が集会は違法だと宣言したのを受け、日中に行進を行ったデモ参加者200─300人は、デモ主催者が聖域として確保した教会に引き揚げた。 ロイター記者はデモ行進の参加者の一部が、現地企業の事務所や病...

寝室に踏み込んだ警官3人が黒人女性を撃ち殺しても、誰も殺人罪に問われない不正義

<公正な裁きを求める市民の声に押され、大陪審は「無謀な危険行為」の容疑での起訴を決定> 救急救命士として働く26歳の黒人女性ブレオナ・テイラーがケンタッキー州ルイビルの自宅アパートで恋人と就寝中、「ノックなし」の家宅捜査を認める令状を持った警官が部屋に踏み込み、恋人と警官の撃ち合いのなかでテイラーが死亡する悲劇が起きたのは今年3月。それから半年余り経った今、家宅捜査に加わった元警官のブレット・ハンキソンは殺人罪ではなく、第1級の「無謀な危険行為」で起訴されることになった。 アメリカの司法制度では、検...

Siriが「テロリストは警官」と返答、アップルに怒りの声

<アメリカで警察による暴力が問題視され各地で抗議デモが続くなかの「誤作動」に批判の声があがっている> アップルの音声アシスタントSiri(シリ)に「テロリストはどこにいるの?」と聞いたら、警察署のリストを表示した――まるで警察官はテロリストだと言わんばかりだ。「こんなアルゴリズムを容認するアップルはひどすぎる」と怒るユーザーの動画がツイッター上に複数出回り、アップルに批判が寄せられている。 アメリカの複数の州と、さらにはオーストラリアでも、複数のユーザーが同じような経験をしたと報告している。 しかし...

バイデン「暴力行為で遺族の名誉を傷つけるべきでない」 黒人女性射殺の大陪審判断で

米民主党のバイデン前副大統領は23日、米ケンタッキー州で黒人女性が警官に撃たれ死亡した事件の大陪審判断を受けて抗議活動が広がっていることに関して、平和的な抗議活動を行うよう呼びかけた。 ケンタッキー州の最大都市ルイビルで今年3月、黒人女性のブリオナ・テイラーさん(26)が薬物事件の捜査に来た白人警官らに自宅で射殺された事件で、同州の大陪審は発砲に関与した警官3人のうち2人については正当防衛を認めて起訴せず、後に免職となったもう一人については発砲で隣の住人を危険にさらした罪で起訴する判断を下した。同州...

ファッション業界でも人種差別へボイコット 黒人デザイナー、イタリアの人種差別に挑む

両親がハイチ系とイタリア人の著名ファッションデザイナー、ステラ・ジーンさん(41)はこのほど、業界の人種差別に抗議し、今月開かれる「ミラノ・ファッション・ウイーク」への参加を辞退した。トムソン・ロイター財団のインタビューで彼女は、イタリアのファッション業界で人種差別の話題がタブーになっているのを最近目の当たりにしたと語った。 ジーンさんは著名デザイナー、ジョルジオ・アルマーニさんに重用された元モデルで、イタリアの権威あるファッション評議会に黒人として初めて起用された。「ステラジーン」ブランドは明るい...

大坂なおみ、全米オープン2度目の優勝 人種差別にも抗議、新スターとしての地位を確立

テニスの全米オープンでは12日、大坂なおみ(22)が同大会2回目の優勝を達成。コート内外での新たなスターとしての地位を確立させた。 大坂は2018年の同大会決勝では、セリーナ・ウィリアムズ(米国)を下して優勝。新型コロナウイルスの影響により無観客で行われた今大会の決勝では、ビクトリア・アザレンカ(31、ベラルーシ)との激闘の末、元世界ランク1位同士の対決を1─6、6─3、6─3で制した。 大坂は試合後、「私にとってとてもタフな試合だった」とコメント。「昔から見ていた選手と対戦できてうれしかったし、と...

パンデミック後には大規模な騒乱が起こる

<疫病の歴史によると、パンデミックの後にはまともな抗議運動が力を失い、時の権力を揺るがすような騒乱が起こることが多い。その因果関係は?> 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が終息すれば、世界各地で再び社会不安が高まる可能性がある──2人の研究者がこう警告し、3つの理由を挙げて説明した。 イタリアにあるボッコーニ大学のマッシモ・モレッリ教授(政治科学)とフェラーラ大学のロベルト・チェンソロ教授(経済学・経営学)は、学術誌「ピース・エコノミクス、ピース・サイエンス・アンド・パブリック・ポリ...

拡大する米国の白人至上主義 権利運動と同時に不寛容が高まる現実

米国では今、黒人女性が初めて2大政党の将来の有力な大統領候補となる資格を手に入れ、人種の垣根を越えて「黒人の命は大事(BLM)」運動への支持が広がっている。だが同時に、白人至上主義者の団体がメンバー獲得や公共の場での活動に力を入れる光景も目にされる。 全ての人に同等の権利を保障するという理念を掲げてきた米国では、過去何十年もの間、この理念を支持する全国的な運動が展開される一方、その都度、一部から露骨な嫌悪が表明されるパターンが続いてきた、とロイターが取材した6人の学者や歴史家は話す。 つまり、マイノ...