「人種差別」の記事一覧

自然科学系ノーベル賞に根強い「白人男性偏重」

<優秀な女性や黒人を冷遇する科学技術界と社会の時代錯誤な悪弊に終止符を> 2007年、筆者はスウェーデン王立科学アカデミーのノーベル化学賞の選考で助言した関係で授賞式に招かれた。受賞者と同じホテルに滞在し、「知る人ぞ知る」存在だった彼らが一躍「時の人」になるのを目の当たりにした。 例年10月上旬の発表直後から受賞者は世界中で講演に引っ張りだこ。12月の授賞式前後の1週間はスウェーデンの首都ストックホルムで取材攻勢に遭い、王室の人々と懇談。その様子がテレビ放映される。 科学者と彼らの研究が世間の注目を...

オレゴン州ポートランド 米連邦職員が銃を市民に向けた

人種差別と警察の暴力への抗議デモが続く米西部オレゴン州ポートランドに、トランプ政権が迷彩服姿の連邦職員を投入したのは7月半ば。 大統領選に向けたアピールだとしてデモ隊の反発が一段と激化し、市内各地で衝突が相次いだ。 連邦政府は7月29日、治安部隊を撤収する方向で州政府と合意したが、町に平穏が戻る兆しは見えない。 <2020年8月11日/18日号掲載> 【話題の記事】 ・秘密警察や記章もない車両が市民をさらう──ここはトランプの独裁国家 ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・コロナ感染大国アメリカ...

秘密警察や記章もない車両が市民をさらう──ここはトランプの独裁国家

<トランプがポートランドに送りこんだ正体不明の連邦職員によるデモ鎮圧に、地元当局もデモ隊も激怒> オレゴン州知事は、同州最大の都市ポートランドに連邦職員を送り込んでデモ参加者を逮捕させているとドナルド・トランプ大統領を批判。アメリカは「独裁国家ではない」と呼びかけた。 「この国は民主主義であり、独裁主義ではない」と、ケイト・ブラウン知事は7月20日夜のツイートで訴えた。「秘密警察が記章もない正体不明の車両で市民を誘拐するなんて。アメリカ合衆国大統領に、そんなことを訴えなくてはならないなんて」 ツイー...

「チャーチルは人種差別主義者」イギリスを救った名宰相がなぜ今、やり玉にあげられる?

<名宰相チャーチルの彫像にデモ隊が落書き──イギリス国内を分断する論争に現首相ボリス・ジョンソンも参戦> ウィンストン・チャーチルといえば第2次大戦でイギリスを勝利に導き、戦後も首相として国の再建に尽力した英国政界の偉人。まさか人種差別に抗議するBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は重い)運動でやり玉に挙がるとは誰も思っていなかった。 ところが先日ロンドンで行われた大規模デモで、ある参加者がチャーチル像の台座に刻まれた首相の名にスプレーを吹き掛け、その下に「こいつは人種差別主義者」と書き込ん...

警察を占拠したデモ隊の「自治区」に流れる不穏な空気

<デモ隊が「自治区」を宣言したシアトルでは、自治区内で2度も銃撃事件が発生し、市長は警官隊を突入させることも辞さない構えを見せている> アフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイドを白人の警察官が死亡させた事件以来、全米に人種差別への抗議活動が広がっているが、その一環として、ワシントン州シアトルでは、デモ隊が警察署の周辺を封鎖、警察官の立ち入れない「自治区」の設立を宣言した。 シアトルのジェニー・ダーカン市長は、この周辺で2度にわたる銃撃事件が起きたことから、自治区の解体を宣言。一方、デモ参加者は自治区を...

専門家「英国で夏に大規模な暴動が起こるおそれがある」と警告

<イギリスの非常時科学諮問委員会のメンバーが「人種的・経済的不平等への懸念と、新型コロナウイルス感染拡大に伴う大量失業や失業率の上昇によって、この夏、英国全土で暴動が起こるおそれがある」と警告した ......> 黒人男性ジョージ・フロイドさんが2020年5月25日、米ミネアポリスで白人警官に首を圧迫されて死亡した事件に端を発した人種差別への抗議デモは、新型コロナウイルス感染拡大防止策としていまだ大規模集会が禁じられている英国にも広がっている。 2011年8月の「イギリス暴動」再発の懸念 首都ロンド...

「#パプア人の命は大切だ」 インドネシア、米黒人暴行死デモに触発される先住民差別

<米国での黒人差別への抗議は、東南アジアの先住民差別にも火を放った> 新型コロナウイルスの感染拡大が現在のインドネシア政府、社会の最大の課題であることは間違いない。だが、それとは別の問題が、平均的インドネシア人の心底に潜むある意識を揺れ動かしている。 この国の人びとの琴線に触れたのが、全米を中心に今や欧米各国や日本でも連帯の輪が拡大している米警察官による過剰制圧で黒人が死に至った事件で、それを端緒にして広がっている「黒人への差別」という人種問題である。 インドネシアのSNSではハッシュタグ「#Bla...

平和なデモが暴動と化す──オハイオ州コロンバス

5月28日に、米オハイオ州コロンバスにも広がったジョージ・フロイド事件に対する抗議デモは、平和的に始まったが次第に暴徒化した。 警察と参加者の間で小競り合いが発生すると、警察はデモ隊に向けてゴム弾と催涙スプレーを使用。 州議会議事堂の窓が割られたり、商店が襲撃されたりして、少なくとも男性2人が警察に拘束された。 <2020年6月16日号掲載> 【参考記事】黒人男性ジョージ・フロイドの霊柩車に、警官がひざまずいて弔意を示す 【参考記事】米政権のデモ弾圧を見た西欧諸国は、今度こそアメリカに対する幻想を捨...

「息ができない!」黒人暴行死への抗議、イタリアにも飛び火

ジョージ・フロイドの死に対する抗議は5月28日、イタリアにも飛び火した。 ミラノとローマでは、それぞれアメリカの領事館と大使館前に人々が集結。 「ジョージ・フロイドに正義を」などのメッセージを掲げ、警官に首を押さえられたフロイドが発した「息ができない」の言葉を書いたマスクを着用して、フロイドへの連帯を示す人の姿も見られた。 <2020年6月16日号掲載> ※画像をクリックするとアマゾンに飛びます2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え...

黒人男性ジョージ・フロイドの霊柩車に、警官がひざまずいて弔意を示す

<現場にいた警官4人全員が殺人で起訴されことで、司法上の「正義」は実現する見通しが付いたが......> ミネソタ州ミネアポリスで4日、警官から暴行を受けて死亡した黒人男性ジョージ・フロイドの追悼式が行われ、市内を霊柩車で移動するフロイドの棺に向かって、路上で警官が跪いて弔意を示す姿が見られた。 フロイドは先月25日、ミネアポリス警察に偽札使用の容疑で逮捕されたが、その際に警官のデレク・ショービン(懲戒免職処分)から道路に倒れた状態で首を膝で押さえつけられ、その後死亡していた。フロイドが「息ができな...