「人種差別」の記事一覧

BLM支持のBTSを生んだ韓国で、反差別運動が盛り上がらない訳

<世界的なBLM運動に韓国人が連帯しないのはなぜか──その理由は、長い間直視できていない自国の差別の現実にある> この夏、世界中の人々が街頭でデモに加わり、アメリカのBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動に対する支持を表明したとき、私は1人の韓国人として、韓国でも連帯のデモが行われるものと思っていた。 なにしろ、韓国の民衆が大規模デモにより当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領を退陣させたのは、わずか数年前のことだ。それに韓国は、Kポップの人気ボーイズグループ、BTS(防弾少年団)を生ん...

警官の暴力は許せないが、警官の顔撮影は禁止するというマクロンの二枚舌

<警官による黒人暴行の動画の視聴回数は1400万回を越えたが> フランスで、複数の警察官が黒人男性に暴力を振るう動画がネット上で拡散し、これまでに1400万回視聴されている。エマニュエル・マクロン率いる政府は、警察官の撮影を禁じる法案の成立を目指しているが、動画の拡散が法案の審議にも影響を及ぼすことになりそうだ。 オンラインニュースサイトの「ループサイダー」は11月26日、監視カメラの映像を公開。同21日に撮影された映像には、音楽プロデューサーのミシェル・ゼクレアがパリにあるスタジオで、数分間にわた...

多様性と平等を重視するはずの国連高官は白人ばかり

<本部機関の上級ポストは欧米人に独占され、途上国出身者には平等なチャンスが提供されていない──世界で最も多様性に富んだはずの組織内部で不平等の実情が明らかに> 誰もが平等で、人種や民族で差別されない世界を目指す。それが国連の使命。だからこそ世界各地の民族独立運動を応援し、アメリカでは黒人の公民権運動を、南アフリカではアパルトヘイト(人種隔離政策)反対闘争を支援してきた。 しかし今、人種的な正義を求める運動が世界中で盛り上がるなかで、国連内部のお粗末な実情が明らかになってきた。職員、とりわけ幹部職の採...

悪気はないのに黒人差別となじられた寿司店オーナーの嘆き

<アトランタの高級寿司レストランが黒人カップルの入店を断ったのは「ドレスコード違反」のためだったのだが> ジョージア州アトランタで先週、ある黒人カップルが寿司レストランで食事をしようとして入店を断られ、人種差別だという騒ぎになった。入店を断った理由はドレスコード違反だったが、レストランのオーナーは本誌に対し、事態を悪化させたのは自分の責任だと語った。 問題の寿司レストランは、アトランタのバックヘッド地区にある「Umi」。カップルが入店を断られた時の様子を捉えた動画がツイッターに投稿され、ネット上で拡...

黒人プラスサイズのヌードを「ポルノ」としてインスタグラムが削除

<キム・カーダシアンのようなスリムな白人セレブなら当たり前のトップレス写真が削除された黒人プラスサイズモデルの告発> インスタグラムはこのほど、黒人のプラスサイズモデル、ナイオム・ニコラス=ウィリアムズの訴えを受けて、ヌード写真の扱いに関するポリシーを変更した。 ニコラス=ウィリアムズは、インスタグラムのポリシーに「人種的な偏見」があると批判していた。白人セレブのトップレス写真は削除されないのに、自分が「どんな体型も美しい」ことを示すために撮影した同様の写真は削除されたからだ。 問題の写真は、両手で...

自然科学系ノーベル賞に根強い「白人男性偏重」

<優秀な女性や黒人を冷遇する科学技術界と社会の時代錯誤な悪弊に終止符を> 2007年、筆者はスウェーデン王立科学アカデミーのノーベル化学賞の選考で助言した関係で授賞式に招かれた。受賞者と同じホテルに滞在し、「知る人ぞ知る」存在だった彼らが一躍「時の人」になるのを目の当たりにした。 例年10月上旬の発表直後から受賞者は世界中で講演に引っ張りだこ。12月の授賞式前後の1週間はスウェーデンの首都ストックホルムで取材攻勢に遭い、王室の人々と懇談。その様子がテレビ放映される。 科学者と彼らの研究が世間の注目を...

オレゴン州ポートランド 米連邦職員が銃を市民に向けた

人種差別と警察の暴力への抗議デモが続く米西部オレゴン州ポートランドに、トランプ政権が迷彩服姿の連邦職員を投入したのは7月半ば。 大統領選に向けたアピールだとしてデモ隊の反発が一段と激化し、市内各地で衝突が相次いだ。 連邦政府は7月29日、治安部隊を撤収する方向で州政府と合意したが、町に平穏が戻る兆しは見えない。 <2020年8月11日/18日号掲載> 【話題の記事】 ・秘密警察や記章もない車両が市民をさらう──ここはトランプの独裁国家 ・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ ・コロナ感染大国アメリカ...

秘密警察や記章もない車両が市民をさらう──ここはトランプの独裁国家

<トランプがポートランドに送りこんだ正体不明の連邦職員によるデモ鎮圧に、地元当局もデモ隊も激怒> オレゴン州知事は、同州最大の都市ポートランドに連邦職員を送り込んでデモ参加者を逮捕させているとドナルド・トランプ大統領を批判。アメリカは「独裁国家ではない」と呼びかけた。 「この国は民主主義であり、独裁主義ではない」と、ケイト・ブラウン知事は7月20日夜のツイートで訴えた。「秘密警察が記章もない正体不明の車両で市民を誘拐するなんて。アメリカ合衆国大統領に、そんなことを訴えなくてはならないなんて」 ツイー...

「チャーチルは人種差別主義者」イギリスを救った名宰相がなぜ今、やり玉にあげられる?

<名宰相チャーチルの彫像にデモ隊が落書き──イギリス国内を分断する論争に現首相ボリス・ジョンソンも参戦> ウィンストン・チャーチルといえば第2次大戦でイギリスを勝利に導き、戦後も首相として国の再建に尽力した英国政界の偉人。まさか人種差別に抗議するBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は重い)運動でやり玉に挙がるとは誰も思っていなかった。 ところが先日ロンドンで行われた大規模デモで、ある参加者がチャーチル像の台座に刻まれた首相の名にスプレーを吹き掛け、その下に「こいつは人種差別主義者」と書き込ん...

警察を占拠したデモ隊の「自治区」に流れる不穏な空気

<デモ隊が「自治区」を宣言したシアトルでは、自治区内で2度も銃撃事件が発生し、市長は警官隊を突入させることも辞さない構えを見せている> アフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイドを白人の警察官が死亡させた事件以来、全米に人種差別への抗議活動が広がっているが、その一環として、ワシントン州シアトルでは、デモ隊が警察署の周辺を封鎖、警察官の立ち入れない「自治区」の設立を宣言した。 シアトルのジェニー・ダーカン市長は、この周辺で2度にわたる銃撃事件が起きたことから、自治区の解体を宣言。一方、デモ参加者は自治区を...