「地球温暖化」の記事一覧

人類は2040年代をピークに破滅? 世界に衝撃を与えたレポート「成長の限界」を再検証

<あの「成長の限界」の発表からおよそ半世紀が経った今日、社会の見通しはどのようになっているのだろうか...... > 世界に衝撃を与えた「成長の限界」は、スイスの民間シンクタンクのローマクラブが米マサチューセッツ工科大学(MIT)のデニス・メドウズ博士らの国際研究チームに委託し、1972年に発表した報告書だ。 「2040年代頃にピークに達し、その後、急激に衰退する」 この報告書では、人口、食糧生産、工業化、環境汚染、枯渇性資源の消費量という5変数に基づくコンピュータモデル「ワールド3」によって地球と...

北米で歴史的「ヒートドーム」現象、カナダで47.5度を記録

<上空を覆いつくした「1000年に1度」の熱の幕が森や水や人を脅かす> 北米大陸の太平洋岸北西部では、オレゴン州ポートランドやワシントン州シアトルをはじめとする各都市で気温が史上最高を更新、華氏110度(摂氏43.3度)を優に超える暑さが続いている。気象の専門家は、この強烈な熱波は少なくともあと1週間は続くと予測している。 この地域全体に居座る記録的な高気圧のせいで、半球形の熱の幕、いわゆる「ヒートドーム(熱のおおい)」が発生した。現在、ワシントン州とカナダのブリティッシュコロンビア州の上空を覆い尽くしている。気象学者によると、太平洋岸北西部の上空でこうした現象が起きる確率は「1000年に1回」だという。 【動画解説】ヒートドームとは何か? この地域では現在、平年と比較して摂氏約14〜28度ほど気温が高い状況が続いている。6月28日のシアトルの気温は、これまでの最高気温を約4度上回り、ポートランドでは2日連続で44度を超える暑さに見舞われている。 アメリカ国立気象局では、6月最終週に入って太平洋岸北西部を襲っている熱波は「歴史的で、危険で、長期にわたり、前例がないもの」になると予測している。地球温暖化がヒートドームの原因とも言われており、バーモント州選出のバーニー・サンダース上院議員を含む多くの議員が、世界的な気候変動に歯止めをかけるよう、改めて呼びかけている。 3分の2がエアコンもたず ニュージーランドの国立水・大気圏研究所(NIWA)の気象学者ベン・ノルは6月26日、記録的な熱波に見舞われているポートランドの27日の気温は、全地球表面の99.8%における気温を上回るとの見方を示した。この日地球上でポートランドよりも暑くなるのは、アフリカのサハラ砂漠、ペルシャ湾、そしてデスバレーを含むカリフォルニア州の低地砂漠だけだろうと、ノルは書いていた。 Putting the Pacific Northwest heatwave in perspective--Portland, Oregon will be hotter than about 99.8% of Earth as it smashes its all-time temp record on Sunday The only places expected to be hotter: Africa's Sahara Desert, Persian Gulf, California's deserts pic.twitter.com/ADIBN88ZWv— Ben Noll (@BenNollWeather) June 26, 2021 あまりの暑さに、ポートランドでは路面電車のケーブルが溶けた。 In case you're wondering why we're canceling service for the day, here's what the heat is doing to our power cables. pic.twitter.com/EqbKUgCJ3K— Portland Streetcar (@PDXStreetcar) June 27, 2021 シアトルでは27日、最高気温が40度を記録。ブリティッシュコロンビア州のリットンなどのカナダの町では、46.6度に達した。翌28日のリットンの気温は47.5度を観測した。 気象学者や環境安全の専門家は、太平洋岸北西部における森林火災のリスクが高まっていると警告する。記録的な暑さに加え、アメリカ西部の各州では干ばつが悪化の一途をたどっており、専門家は今後数日の間に、また新たな森林火災が発生する可能性が高いと警告している。 オレゴン、アイダホ、ワシントンの3州には現在、異常高温に関する注意報や警報が発令されている。カリフォルニア州北部の一部や、モンタナ州、ネバダ州でも、6月最終週に入って、気温が37.7度をはるかに超える状況が続いている。エアコン需要が高まる一方で、水力発電に用いられる水源の水位は通常より低下しているとの報道もある。 地域の統計によると、太平洋岸北西部に住む人のうち約3分の2は、エアコンを所有していない。気象やエネルギーの専門家は住民に対し、窓の外側をアルミホイルで覆い、さらに部屋の内側に面した部分に段ボールを置くことで、室内の気温を低く保つようにとアドバイスしている。 (翻訳:ガリレオ) ===== 【動画解説】ヒートドームとは何か?

温暖化で「溶ける」世界、浜辺の氷像が訴える子供たちのための国際協力

英西部ニューブライトンの浜辺にたたずむ氷像の子供たち。強い日差しで今にも溶けてしまいそうだ。 これは今年11月に北部グラスゴーで開催されるCOP26の重要性を訴えるためにアーティスト集団が設置したもの。前回のCOP25では、温暖化対策の詳細なルールで合意に至らなかった。 今年は、未来を担う子供たちに希望を示せるだろうか。...

気候変動の影響で地球の自転軸がずれた──最新研究

<地球温暖化で氷河が溶けたことで、地球上の水の配分が大きく変化したせいだという> 地球温暖化は地球の自転軸(地軸)にもずれをもらしていることが、最新研究で明らかになった。 地軸が地球の表面と交差する点である地理極(北極点と南極点)は固定しておらず、地球上の質量の配分が変われば、地軸と地理極が移動することもある。科学者たちは、(温暖化による)氷河の融解が原因で大量の水が移動したことが一因で、地理極が急速に東方向にずれていると指摘する。 1980年以降、北極点と南極点の位置は約4メートル移動したと推定さ...

習近平はなぜ米主催の気候変動サミットに出席したのか?

4月22日、習近平は米国主催の気候変動サミットに参加したが、参加の決断は16日に下しており、19日迄にプーチンにも誘いをかけたと判断される。パリ協定「出戻り」の米国に主導権を渡すまいとした狙いが見える。 「歓迎する」という言葉が欲しかったケリー特使 4月13日のコラム<ケリー特使訪中――アメリカ対中強硬の本気度と中国の反応>https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20210413-00232579/に書いたように、ケリー特使(気候変動問題担当)が就任と同...

ホッキョクグマとハイイログマの交雑種「ピズリー」が確認されるように……その理由は?

<ホッキョクグマは、海氷の減少に伴って内陸に移動し、ハイイログマとの交雑種「ピズリー」が頻繁に目撃されるようになった...... > 地球温暖化は、野生動物の生息地にも大きな影響を及ぼしている。主に北極圏の氷上でアザラシを捕食しながら生活するホッキョクグマは、海氷の減少に伴って内陸に移動する一方、北米大陸西部に広く生息していたハイイログマは、気候変動や人間の介入によって生息域が狭まり、カナダの高緯度北極圏でより頻繁に目撃されている。 2006年にはじめて確認された 2006年4月16日、カナダ北部の...

「日米蜜月」の陰で米中が気候変動対策で協力

<排出量では世界ワースト1位と2位。何かと対立が目立つ両国が手を組む> 温室効果ガスの2大排出国であるアメリカと中国は4月18日、気候変動対策で協力していくとする共同声明を発表した。 ちょうど日本の菅義偉首相が訪米してアメリカのジョー・バイデン大統領と「親交」を深め、安全保障や人権問題で中国を非難していた頃、バイデン政権の気候変動問題担当のジョン・ケリー米特使と中国の解振華(シエ・チェンホア)特使が15〜16日に上海で行った会談を受けてのもの。今月22日からは、バイデン主催の気候変動サミットがオンラ...

緑豊かな森林が枯死する「ゴーストフォレスト」が米国で広がっている

<米ノースカロライナ州東部のアリゲーター・リバー国立野生保護区では、1984年以来、伐採や開発が行われていないにもかかわらず、森林の4分の1が消滅したことがわかった...... > 気候変動に伴う海面上昇や異常気象によって、陸地により多くの海水が浸入し、かつて緑豊かであった森林が枯死してしまう「ゴーストフォレスト」が、米国の大西洋沿岸で急速に広がっている。 森林の11%がゴーストフォレストとなった 米デューク大学の研究チームは、地球観測衛星「ランドサット」が1985年から2019年までに高度430マ...

「ビル・ゲイツが太陽光を遮って人口を減らそうとしている」は本当か?

<もちろんそんなことはゲイツにも不可能だが、デマのもとになった研究は実在する。それは成層圏に塵を散布して気温を下げることを目標とするものだ> マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツが陰謀論の標的になるのは今に始まったことではない。経営の一線から退いた今は慈善活動に注力するゲイツだが、彼自身も彼が支援するプロジェクトの関係者も荒唐無稽なデマや中傷に悩まされてきた。 このところネット上で騒がれているプロジェクトは、ハーバード大学の研究チームが進めている「成層圏制御摂動実験」(SCoPEx)だ。 これは太...

インド氷河崩壊・洪水発生で問われる温暖化対策の本気度

インド北部ウッタラカンド州で、地球温暖化が人命を奪う悲劇が起きた。 2月7日、温暖化のせいでヒマラヤ山脈の氷河が急速に解けて崩れたことが原因とみられる洪水が発生。 8日時点で18人が死亡、約180人が行方不明となり、トンネル内に閉じ込められた約35人の救出作業が連日続く。 人類の温暖化対策に対する本気度が問われている。 <2021年2月23日号掲載> ===== 轟音をたてる鉄砲水と作業員救出の瞬間 South China Morning Post-YouTube...