「学校」の記事一覧

「社会は変えられない」と思い込む日本人に必要な主権者教育

<社会に関与して変えられると考える日本の若者の割合は、他の先進国と比較すると格段に低い> 社会は静態的なものではなく常に変化する。事実、日本社会は時代と共に大きく変わってきた。19世紀の半ばに明治維新で封建社会から近代社会に移行し、20世紀半ばには敗戦を経て人権を尊重する国民主権の民主社会となった。 ただ日本の場合、欧米と違って外圧によって社会の変化がもたらされてきた。そういう経緯があってか、日本人は「社会を変えよう」という意識が薄い。とくに若者はそうで、主権者教育の充実が必要と言われる。 内閣府の...

地域人材の「助教諭」登用で開かれた学校運営を

<戦後の人員不足だった1950年には、全国の公立小学校の教員の4分の1が臨時教員だった> 人手不足が言われて久しいが、教員の世界にまでそれが及んでいる。特定教科の担当や産休代替に普通免許状を持つ教諭を採用できないため、助教諭を雇ってしのいでいる自治体が多い。 助教諭とは、普通免許状を持つ教諭を採用できない場合に限り置ける職で、要件は臨時免許状を有していることだ。臨時免許状は、大学で教職課程を終えていなくても、教育職員検定試験に合格することで得られる(任命権者の都道府県内で3年間有効)。ピアノの個人教...

世界で最低レベルの、日本の教員の院卒比率

<日本の学校では、いったん就職すると膨大な業務に忙殺されて学び続けることができない> 2012年の中央教育審議会の答申で、教員の資格要件を大学院卒に引き上げようという案が示された。教員の資質能力の向上が表向きの理由だが、「今は保護者の多くが大卒なので、教員の学歴を一段高くする必要がある」という考えもあってのことだろう。 当時から10年ほど経ったが、現時点では実現を見ていない。大学院まで行くとなると、在学期間の延長により学費が上昇し、教員志望者が減ってしまう恐れがある。教育実習を1年間にするというのも...

大学受験で女子のチャレンジを妨害する「ジェンダー・プレッシャー」

<難関大学では、受験者数の段階で女子の比率が低くなっている> 東京大学は、新執行部の半数以上を女性にする方針を掲げている。意思決定に多様な視点を取り入れると同時に、女子学生を増やすこともねらいだ。 東京大学の公表統計によると、2020年5月時点の学部学生は6257人で、うち女子は1214人となっている。女子の比率は19.4%で2割に達しない。同大学の学生生活実態調査によると、2000年11月時点の女子学生比率は17.5%で、過去20年間で数値はほとんど変わっていない。このことも、上記のような判断の材...

不登校はもう問題行動ではない 情報化社会で変わりゆく学校の役割

<学校が「聖域」ではなくなった今、学校でしかできないことを説明できなければ子どもを呼び戻すことはできない> 日本の文科省は毎年、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」を実施し、結果を公表している。問題行動の公的統計といったらコレだ。 メディアでは、いじめの件数に注目されることが多い。毎年過去最多を更新しているが、これはいじめの把握に本腰が入れられているからだ。いじめの認知件数が、学校側の把握の姿勢に左右されるのはよく知られている。都道府県比較をしている記事を見かけるが、あまり...

政府が教育にカネを出さない日本に未来はあるか

<日本は教育費の公的負担率が極端に低く、そのぶん家庭に負担を強いている> 新型コロナの影響で、学生の生活が苦しくなっている。保護者の収入が減り、自分のアルバイトも切られるというのが現状だ。1日の生活費が200円、大学生の5人に1人が退学を検討しているという、悲痛なニュースも目につく(高等教育無償化プロジェクトFREEの調査結果)。 感染症によって学生の生活が脅かされる、退学まで考えないといけないというのは、大学の学費が高額な日本ならではの問題と言えるかもしれない。今は国立でも年間50万円超、私立だと...