「安倍晋三」の記事一覧

「インド太平洋」はどこからどこまで?「FOIP」とは何か?

<1分でわかる、2021年の国際情勢を理解するために知っておきたいキーワード> 最近ニュースに頻出するこの「インド太平洋」とはどこを指すのか。 本来は海洋生物学などで用いられた用語で、インド洋から(西)太平洋まで、アフリカ東端からアジアのほぼ全域までを包括する。 この広大な地域に自由貿易圏を確保しようというのが、2016年に安倍晋三前首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」戦略だった。 「インド太平洋」は今や、ジョー・バイデン米大統領からボリス・ジョンソン英首相までが口にするバズワー...

「クアッド」とは何か:安倍前首相が提唱し、豪州が怖気づいた対中戦略の枠組み

<1分でわかる、2021年の国際情勢を理解するために知っておきたいキーワード> クアッドは、自由や民主主義の価値観を共有する日米豪印4カ国による、安全保障や経済を協議する枠組み(日米豪印戦略対話)。 英語ではQuadrilateral Security Dialogueを省略し、QSDもしくはQUAD(「4個の」の意味)と呼ばれる。 基は2006年に安倍晋三前首相が著書で提唱した構想だった。 2007年から構築を目指すが、当然ながら対中国を意識した戦略対話であり、中国からの反発を恐れたオーストラリア...

「庶民派」菅首相を突き刺した、家族スキャンダルの破壊力

<「夜の銀座」、森発言に続き、長男の官僚接待問題が......総務省との深い関係は「政治家・菅」の本質を物語る> 昨年9月、菅義偉氏は無派閥ながら巧みな政略で自民党総裁選を制し、第99代首相に就任した。秋田の農家出身で苦学の末に議員秘書から首相に上り詰めた、という成功譚は好意的に受け止められ、世間は久しぶりの庶民派宰相の誕生に沸き返った。 ところがそれから半年。新型コロナウイルス感染拡大が続くなか、誰が政権を担っても批判されて当然という困難な状況にあることを差し引いたとしても、現在の菅政権はまさに満...

日本が「普通の国」を目指すのは正しい 間違っているのはプロセスだ

<安倍前首相の誤りは、憲法を書き換えさえすれば日本が「普通の国」になれると考えたことだ> ドナルド・トランプが4年前のアメリカ大統領に当選したとき、日本の安倍晋三前首相は世界の首脳の中でいち早く、そしていささか大げさに祝福した。 安倍がゴルフ場でトランプにお世辞を言っていたのとは対照的に、ドイツのアンゲラ・メルケル首相の態度はかなり冷ややかだった。メルケルはトランプへの祝辞の中で、民主主義、法の支配、人種・性別・性的指向の平等といった理念を共有するのであれば、ドイツは次期政権と力を合わせたいと述べた...

「ドイツは謝罪したから和解できた」という日本人の勘違い

<日本がドイツ・モデルを見習って謝罪しても、東アジアの近隣諸国との関係改善にはつながらない。本誌「ドイツ妄信の罠」特集より> 日本と近隣諸国との歴史問題の原因は、日本政府が戦時暴力を謝罪しなかったことにあるという意見をよく聞く。しばしば日本と比較されるドイツは戦後に謝罪し、被害者への補償を行い、歴史教育や追悼行事を通じて戦争の記憶を忘れない努力をしている。日本もドイツの例に倣えば、いずれ近隣諸国と和解できる、というのがこの主張の骨子だ。 こうした既存の「常識」には問題がある。ドイツ・モデルから間違っ...

スガノミクスは構造改革を目玉にせよ──安倍政権ブレーンが贈る3つのアドバイス

<安倍政権の成果を土台に菅首相が次の段階に進むには何が必要か。前内閣官房参与・浜田宏一氏が3つのアドバイスを贈る> 歴代最長の在任日数を記録した安倍晋三前首相の辞任に伴い、後継者の菅義偉が直面する最大の問題の1つは安倍政権の一丁目一番地だった経済政策をどうするかだ。 長年、安倍の下で内閣官房長官を務めた菅は既にアベノミクスの継承を誓っている。当然だろう。この戦略は日本経済の再生に大きく貢献した。特筆すべきは雇用の伸びだ。第2次安倍政権が発足した2012年から新型コロナウイルスの感染拡大が始まる直前の...

米中対立で試される菅外交のバランス感覚──超大国の狭間で日本が決断を強いられる日

<象徴的な意味合いの習近平訪日より、米中対立絡みで近くアメリカが求めるであろう「技術」「安全保障」に関する2つの要求によって、日本ははるかに難しい局面を迎えることになる> 安倍晋三の突然の首相辞任は、彼のレガシーについて多くの不透明な問題を残した。その1つが、米中の対立が激化するなかで地政学的なバランスを取ってきた安倍の戦略を、後任の菅義偉が受け継げるかどうかだ。 米中両国は日本の平和と繁栄にとって極めて重要な存在だ。アメリカは日本の安保の「保証人」であり、2番目に大きな貿易相手国。中国は最大の貿易...

安全保障は安倍路線を引き継がない……菅外交の不透明なこれから

<外国首脳とすぐに打ち解けるタイプではなく、安全保障上の制約打破を目指した安倍前首相のような欲求もない。菅の登場で米中はどう動く?> 日本の新首相となった菅義偉は、農家出身の地味な政治家。政策面では、前任の安倍晋三の路線をほぼ継承するとみられている。 しかし安全保障政策については、日本の防衛力を高めるために安倍と同様の努力をするとは限らない。安全保障面で日本の姿勢はどう変わるのか。中国やアメリカはこの点に注目している。 菅は安倍のように政界の名門の出ではない。国際舞台でおなじみの顔になった安倍とは違...

安倍前首相が約7年ぶりの靖国神社参拝 「退任を報告」とツイッターに投稿

退任した安倍晋三前首相が19日午前、靖国神社を参拝した。「今月16日に内閣総理大臣を退任したことをご英霊にご報告いたしました」とのコメントを、写真とともに自身のツイッターに載せた。安倍氏の靖国参拝は、第2次安倍内閣の発足からちょうど1年経った2013年12月26日以来。このときは中国や韓国から反発を招いただけでなく、米国も「日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに失望している」との声明を発表した。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株...

安倍流「抱き付き」作戦の外交成果と、新首相が問われるトランプ操縦術

<「猛獣使い」安倍の巧みなトランプ対応が日米同盟の崩壊回避に役立ってきたが> 2016年11月にドナルド・トランプ米大統領の誕生で不意打ちを食らった中に、日本政府の外交政策組織もいた。大統領選から数日間、安倍晋三首相の非公式の代理人はニューヨークにいながら、トランプ・タワーにいる誰とも接触できずにいた。 それでも最後は交渉がまとまり、11月17日に安倍は外国の首脳として初めて、当選後のトランプと会談した。トランプ・タワーでの会談には、長女のイバンカ・トランプとジャレッド・クシュナーの夫妻も姿を見せた...