「戦争」の記事一覧

アフガンの戦場から米兵が去った後、殺人マシンによる「永続戦争」が残る

<バイデン大統領はアフガン駐留米軍の9月11日までの完全撤退を表明したが、残酷な21世紀型の戦闘は見えない形で続く> ジョー・バイデン米政権がついにアフガニスタン駐留米軍を全面撤退させると決めた。イスラム原理主義勢力タリバンとの怪しげな「和平合意」を口実としたドナルド・トランプ前政権の日程よりは少し遅れるが、あの9.11同時多発テロから20年の節目までに撤退を終えるという。イラクでの戦争も、国際テロ組織アルカイダの掃討も過去の話、ということにしたいのだろう。しかし、アメリカの終わりなき戦争に終わりが...

硫黄島記念碑の星条旗にアメリカ人が見いだす真の意味

<歴史家キース・ロウが解き明かす、太平洋戦争が米国旗に与えた決定的な意味> 戦争の記念碑が立てられるのは、勝利を祝福し、敗北を嘆くためだ。建物の壁に多くの戦死者の名前が刻み込まれるのは、後世が彼らの犠牲の上に成り立っていることを知らしめるためだ。 しかし時代や社会の価値観が変わって、英雄とたたえられてきた人がもはや英雄ではないと見なされるようになったら、その記念碑や銅像はどうすればいいのか。 イギリス人歴史家のキース・ロウは新著『歴史の囚人──記念碑は歴史と私たちについて何を物語っているか』(セント...

1942年、日本軍による「オーストラリアの真珠湾攻撃」 97歳の元豪兵士の証言

オーストラリア・シドニー北部の海岸近くで暮らすリンゼイ・ダフティさんは、元気な白髪の97歳。18歳だった1942年2月、日本軍が同国への初の爆撃として北部港湾都市ダーウィンを奇襲した日に、爆弾を投下する爆撃機の操縦席パイロットの顔が見えたことをしっかり覚えている。 ダフティさんが砲火を経験したのは初めてで、そのとき、対空砲班の僚友を見殺しにすることになるのではと不安になったのも忘れてはいない。 「残念ながら私たちは全く不意打ちされた」とダフティさんは語る。「レーダーの用意はなく、戦闘機もなく、低空飛...

在日朝鮮人戦犯、最後の生存者 歴史の片隅に追いやられた75年

何も知らない人には、95歳の李鶴来(イ・ハンネ)さんは高齢化する日本社会で長生きする老人の1人にしか見えないかもしれない。東京の郊外で暮らす李さんは、家族の写真やひ孫たちの描いた絵を飾った居間で陶芸に興じている。 しかし李さんの心は、その後の彼の人生を決定づけた75年前の残酷な出来事にずっととらわれてきた。 1942年、占領下にあった朝鮮半島で日本の軍属になったこと、タイとビルマ(現ミャンマー)を結ぶ泰緬鉄道の建設に関わったこと、戦後に戦争犯罪人になったこと、そして日韓両国から歴史の片隅に追いやられ...

アメリカは長崎に2つ目の原爆を落とす必要があったのか?

<広島に続き長崎にも原爆を投下したことで、戦争の終結が早まり多くの命が救われたと主張する肯定論の背景にあるもの> 8月9日、長崎は原爆投下から75年の節目を迎えた。長崎への原爆投下は、第2次世界大戦の終盤における重大な出来事の1つで、広島に続く歴史上2度目の核攻撃だった。 1945年8月9日に長崎に投下された原爆「ファットマン」は、その年のうちに7万人以上の死者を出し、その多くは原爆投下から24時間以内に命を落とした。原爆により長崎市浦上地区は完全に破壊され、後に残ったのは一握りの建物だけだった。 ...

国連安保理「新型コロナ下での停戦」決議できず WHOめぐる米中対立が影響

新型コロナウイルスとの戦いに集中するため、世界に停戦を呼びかける国連安全保障理事会の試みが行き詰まっている。決議案の中で世界保健機関(WHO)にどう言及するか、米中が火花を散らしているためだ。14日にエストニアとドイツが代替案を示したものの、中国が難色を示してまとまらなかった。 常任理事国5カ国と非常任理事国10カ国で構成される安保理はこれまで7週間、決議案の調整を続けてきた。新型コロナウイルスの世界的な流行を受け、国連のグテレス事務総長が3月23日に世界に向けて呼びかけた「即時停戦」に、効力を与え...