「教育」の記事一覧

日本の小学生のスマホ所持率が、貧困層と富裕層の両方で高い理由

<低所得層には一人親世帯が多く、高所得層には共稼ぎ世帯が多いため、子どもに連絡手段として持たせていることも考えられる> 未来社会を言い表す言葉として「Society 5.0」がある。サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会のことだ(内閣府)。 生産・流通・販売、交通、健康・医療、金融、公共サービス等の幅広い産業構造の変革、人々の働き方やライフスタイルの変化を伴うのは必至で、スマホといった情報機器が生活に...

新卒1カ月で無職になった彼女を、Forbes選出の起業家に変えた1冊の本

<女子中高生向けIT教育などを手掛け、起業家として活躍するWaffleの田中沙弥果CEOだが、新卒入社した会社を辞め、再就職もできず苦しんだ時期もあった。そんな彼女には「人生を作る1冊」になった、20歳の時に出合った本があるという> 田中沙弥果(さやか)さんには、20歳の時から、ずっと読み続けている本がある。スタンフォード大学工学部教授のティナ・シーリグによる『20歳のときに知っておきたかったこと――スタンフォード大学集中講義』(CCCメディアハウス、2010年刊行)だ。 一般社団法人Waffleの...

飛び級、落第を許さない日本の「横並び」主義が生む教育の形骸化

<ヨーロッパは「内容を理解していないのに進級させるのは可哀想」と考えるが、日本は「下の学年と机を並べさせるのは可哀想」と考える> 現在、文科省の中央教育審議会が令和の学校教育の在り方について審議中で、間もなく最終答申が出される見通しだ。 答申の素案を見ると、令和の学校で実現すべき子どもの学びは、「個別最適な学び」と「協働的な学び」に分けられるとされている。後者は人との関係やリアルの体験を通して学ぶ集団学習で、日本の学校が得意とするところだ。前者は個々人のペースに応じた学びで、外国人の子や発達障害児な...

報道機関の「真ん中」の消失、公共インフラの惨状が深めた分断

<『ルポ トランプ王国』で話題の金成隆一氏は、アメリカ社会は「真ん中」が抜け落ちたようだとする。「真ん中」の2つ目は「パブリックの軽視」だ。論壇誌「アステイオン」93号は「新しい『アメリカの世紀』?」特集。同特集の論考「真ん中が抜け落ちた国で」を3回に分けて全文転載する(本記事は第2回)> ※第1回:労組に入らず、教会に通わない──真ん中が抜け落ちたアメリカから続く 真ん中が抜けたメディア メディアも、他者と出会える場としての中間集団と捉えることができないだろうか。メディアが多様な視点を伝えていれば...

子育て年齢の上昇で日本社会の何が変わる?

<家族の介護を担う子ども「ヤングケアラー」の支援が差し迫った課題となっている> 晩婚化・晩産化が進んでいる。40歳を過ぎてからの出産となれば、子育ては60代まで続く。子どもが大学院への進学を希望したら、定年後もかなりの費用負担が必要になることが考えられる。 こうしたケースがどのくらいあるかというと、2019年に生まれた子どもは86万5239人だが、このうちの5万840人(5.9%)は母親が40歳以上だった(厚労省『人口動態統計』)。これはまだ少数派だが、母親が35歳以上の新生児は29.1%にもなる。...

50代男性の体罰の許容率が他の年代より高い理由

<子どもの頃に体罰を受けた人は、それを愛情表現と歪んで認知し、自分の子どもにも体罰をしてしまうことがある> 2012年末に大阪の高校で教師から体罰を受けていた生徒が自殺する事件が起きて以来、学校現場での体罰が社会問題化している。昔なら不問に付されていた行為も懲戒処分の対象となり、最近では警察沙汰になる頻度も増している。 学校は、治外法権が認められる「聖域」ではなくなりつつある。学校の外で子どもを叩いたら即110番だが、こうした一般社会のルールが容赦なく適用されるようになっている。小・中学校でも条件付...

中国政府、少数民族弾圧はウイグルに留まらず 朝鮮族の学校からハングルを抹消へ

<ウイグル族、モンゴル族に続いて朝鮮族も習近平の圧政に苦しめられて──> 近年、中国当局が新疆ウイグル自治区のウイグル族に対し、強制避妊や強制労働をさせていたことが報告され、世界から批判の声があがっている。 また、ウイグル族に対する学校での授業を強制的に中国語に変更させる「言語の同化政策」が進められ、最近ではウイグル族のウイグル語だけでなく、内モンゴル自治区でも学校教育でモンゴル語の使用も大幅に減らされているという。 そして今、この対象が中国にいる朝鮮族にも拡大されている。 中国に存在する少数民族は...

韓国、0歳児が特許出願 過熱する受験競争、スペック重視の行き着いた先は……

<TOEIC850点に語学研修やインターン、ボランティア活動などまで必須といわれる韓国の就活生。そんな苛酷な競争社会では、受験スペックを上げるため、実態のない子供たちの資格取得まで......> 韓国の教育熱は、いまや世界でも有名だ。大学入試試験を、国をあげてサポートする姿は日本でもニュースで取り上げられている。遅刻寸前の受験生をパトカーで試験会場まで送り届けたり、英語のリスニングの邪魔にならないよう航空会社が発着時間を変更したりするのは、毎年の恒例行事のようになっている。 また、そんな教育戦争をベ...

急増する小学校での暴力の背景にある、幼児期の「母親との距離」

<小学校から始まる厳格な集団生活に馴染めない子どもが、2010年代に入って目立って増えている> 学校で荒れる子どもは、いつの時代も教師の悩みの種だ。2019年度の小・中・高校における暴力行為の発生件数は7万8787件となっている。学校がある日を10カ月(300日)とすると、全国で1日あたり263件も起きていることになる。 だが昔はもっとひどかった。全国的に校内暴力の嵐が吹き荒れたのは1980年代初頭、『3年B組金八先生』(TBS系列)が放映されていた頃だ。暴力行為は長期統計がないので変化を可視化でき...

スクールカーストの「階級」を決めるのは、体育の得意度?

<特定の教科が得意かどうかがクラス内での人気を左右する> 「スクールカースト」という言葉が流行ったことがある。クラスの中の階級という意味だが、こういうのがあるのは誰もが経験で知っている。 階級分けの基準は、メンバーの中でどれほど人気を得ているか、決め事などの際、どれほど影響力を持っているかだ。カーストが上位の子が遊びに来ると、わが子がいじめに遭わぬようにと、接待をする親もいると言う。 学級担任の教師にとっても、教室内のカースト構造は重要な関心事だ。それを可視化する技法として、ソシオメトリック・テスト...