「日本外交」の記事一覧

今からでも「五輪延期」を日本が発信すべき外交的理由

<歴史ある「文化外交」の観点からすれば、日本は堂々と「東京五輪の開催は平和になるまで待ちます」と言えばよいだけ。国際スポーツイベントは外交の一種なのに、この国はメッセージを発する気概も中身も失ってしまった> 忘れてならない「平和の祭典」という本義 東京五輪開催の予定日が約ひと月後に迫ってきて、開催か否か世情を騒がせている。CNNのニュース番組では日本国民の多くが開催反対なのに開催するのか、と疑問を投げかけてもいる。 政府はここまでやる構えを示してきた以上、体面上ここで中止とはなかなか言いにくい。IO...

「美しい真珠を血で汚さないで」 TASAKIの国軍系企業との取引停止を人権団体が要請 日本企業全体の動向をミャンマー国民が注視

<国軍系企業との関係を断てない日本企業に対するミャンマー市民の反発は強まる一方。一番人気だったビールさえ店頭から姿を消している> ミャンマーの国軍系企業と外資との提携に国際的な監視の目が強化されるなか、日本の高級真珠会社TASAKIの国軍系企業との提携を国際人権団体が停止するよう求めている。2月のクーデター後に在ミャンマーの日本人経営者らが日系企業に勤めるミャンマー人に行ったアンケート調査では、約76%が日本企業に「国軍や国軍系企業との関係を解消ないしは事業撤退をすべき」と答えている。TASAKIは...

利権がつなぐ日本とミャンマー「独自のパイプ」 ODAビジネスの黒幕と国軍トップがヤンゴン商業地開発で合弁事業

<クーデターを機に明らかになった、国軍と日本政財界のつながりと、日本政府が制裁に乗り出せない理由> ミャンマー国軍のクーデターから3ヶ月になる5月1日、東京など世界18か国の都市で「国民を解放せよ」と叫ぶミャンマー人らの抗議デモがあった。欧米諸国の国軍への制裁強化と世界で高まる国軍批判の声をよそに、日本政府がいまだに旗幟を鮮明にしないのはなぜなのか。その謎を解くカギとして無視できないのが、両国を結ぶ利権のネットワークである。一例として、ODA(政府開発援助)ビジネスの黒幕とされる日本ミャンマー協会の...

進む自衛隊とミャンマー国軍の将官級交流 クーデター首謀者も3度来日、安倍首相と会談

<ミャンマー国軍に「パイプがある」とされる日本政府や自衛隊との交流はいかにして始まったのか、そしてその目的は何だったのか> 軍事クーデターから3カ月が過ぎたミャンマーでは、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の暴力停止の呼びかけ後も国軍の市民の民主化運動への弾圧は収まらず、死者は4月末時点で750人を超えている。欧米諸国は国軍トップらへの制裁を強化しているが、日本政府はいまだに明確な姿勢を示していない。そんな中、在日ミャンマー人らは、4月14日に日本ミャンマー協会、4月22日には日本財団の前で抗...

オーウェル的世界よりミャンマーの未来に投資しよう、「人間の尊厳」を原点に

<独裁者の国軍か命を賭して抵抗する国民か、いつまでも旗幟を鮮明にしようとしない日本外交の破綻ぶりは、諸外国やミャンマー国民の目にも明らかになりつつある> 4月13日から1週間のミャンマー正月を祝う今年の「ティンジャン」は、2月の国軍クーデター後の「オーウェル的世界」の再来によって例年のにぎわいが影をひそめた。オーウェル的世界とは、ビッグブラザーを頂点とする監視体制下で人間の自由が窒息させられていくディストピア国家を描いた、英国の作家ジョージ・オーウェルの名作『1984年』になぞらえたもので、アウンサ...

クーデター直前にスーチー氏と国軍トップと会見した日本のODAビジネスの黒幕 狙いは何か?

<日本政府はミャンマーに関して「国軍とスーチー氏の両方にパイプを持つ強みを生かす」と言うが、それはビジネスになるならどちらの政権でも構わないという意味だった> 小雨に煙る東京・千代田区の「日本ミャンマー協会」前で14日、「軍事的企業との連携を直ちにやめろ」と叫ぶミャンマー人らのデモがあった。協会の渡邊秀央会長は、日本のODA(政府開発援助)ビジネスの黒幕とみられているからである。渡邊氏の大物ぶりは、2月1日のクーデター直前にアウンサンスーチー国家顧問とミンアウンフライン国軍総司令官と相次いで会ってい...

ウイグル人権問題、中国に牛耳られる国連

日米首脳会談の共同声明でウイグル等の人権問題に関し「懸念」を盛り込むらしいが、国連が機能しなくなった今、民主主義国家が連携して行動するしかない。中谷元防衛相等が主張する「人権侵害制裁法」が不可欠だ。 中国に国連を牛耳られた民主主義国家の悲惨 国連の重要な決議機関が中国などの独裁国家によって牛耳られているため、人権を守るための決議を出すことができず、民主主義国家の意思が反映できない状況に陥っている。 たとえば、ミャンマー軍は4月9日、ヤンゴン在住の若者ら19人が先月の国軍記念日に発生した軍幹部の殺害な...

「日本のお金で人殺しをさせないで!」ミャンマー国軍支援があぶり出した「平和国家」の血の匂い

<日本が本当に「平和国家」なら、今こそその精神に忠実であってほしいとミャンマー人は訴える> 「日本のお金で人殺しをさせないで!」──国軍クーデターから2ヶ月後の4月1日、外務省前で行われた「ミャンマーの平和と民主主義を求める集会」で、在日ミャンマー人が手にしていたプラカードである。この呼びかけは私に、日頃気づかなかった日本の平和にひそむ血の匂いをかぎ取らせてくれた。それとともに、「国際社会において名誉ある地位を占めたい」と記した日本国憲法前文の「平和」の実現に何が必要なのかを考えさせられた。 「人間...

日本の対ミャンマー政策はどこで間違ったのか 世界の流れ読めず人権よりODAビジネス優先

<ODAは軍政を民主化へと前進さていくために供与している、という日本政府の主張はやはり欺瞞だった> ミャンマーと日本にかかわる古くて新しい話をつづけたい(前回は「繰り返されるミャンマーの悲劇 繰り返される『民主国家』日本政府の喜劇」)。自国民だけでなく、世界中から爪はじきされている国軍に対して日本政府が毅然たる姿勢をしめせない理由を理解するには、戦後日本のアジア政策にまでさかのぼる必要があるからだ。そこで見逃せないのが、各国の開発独裁政治に果たしたODA(政府開発援助)の役割である。 アジアの開発独...

茂木外相は王毅外相に、本当は何と言ったのか?

日本の報道によれば5日、茂木外相は相当に厳しいことを言ったことになっているが、中国の正式報道によればその逆で相当に中国寄りだ。来週の日米首脳会談の対中強硬本気度が問われる。 日本の外務省の報道 4月5日午後18時、茂木外相は、王毅外相(兼国務委員)と1時間半にわたって電話会談を行った。日本の外務省の報道によれば、概ね以下のようになっている。 1.両外相は、来年の日中国交正常化50周年に向けて幅広い分野で交流・対話が進むことを期待した。 2.茂木外相は中国海警による尖閣領海への侵入、中国海警法、南シナ...