「日本政治」の記事一覧

成績不良が非行に繋がる割合は、70年代より今のほうが高い

<大学進学率が過半数を超えた現在の日本は、学業不振と非行の因果関係が昔より強くなっている> 未成年者による法の侵犯行為は非行と言うが、それが起きる過程は3つに分けられる。①生活態度が不安定化する過程、②非行を誘発しそうな環境に遭遇する過程、③行為が非行として当局に認知される過程、だ。少年を非行に押しやる過程(push)、非行に引き込む過程(pull)、行為が事件化する過程(recognize)、と言い換えてもいい。 非行防止の上で特に注意しないといけないのは、最初のプッシュ過程だ。思春期にもなれば子...

「庶民派」菅首相を突き刺した、家族スキャンダルの破壊力

<「夜の銀座」、森発言に続き、長男の官僚接待問題が......総務省との深い関係は「政治家・菅」の本質を物語る> 昨年9月、菅義偉氏は無派閥ながら巧みな政略で自民党総裁選を制し、第99代首相に就任した。秋田の農家出身で苦学の末に議員秘書から首相に上り詰めた、という成功譚は好意的に受け止められ、世間は久しぶりの庶民派宰相の誕生に沸き返った。 ところがそれから半年。新型コロナウイルス感染拡大が続くなか、誰が政権を担っても批判されて当然という困難な状況にあることを差し引いたとしても、現在の菅政権はまさに満...

飽食ニッポンで「飢餓」経験者が急増している

<食品ロスが社会問題になる一方で飢餓が広がるのは、それだけ格差が大きくなっているため> 新型コロナウイルスの影響で、日本社会は大変な状況が続いているが、昨年は天候が良く、農作物の育ちが良い豊作だったそうだ。しかし外食産業の落ち込みで需要が減っているので、供給過剰で値崩れが起き、農家は頭を抱えている。いわゆる豊作貧乏だ。 余剰の農作物は廃棄されるという。コロナ禍で1日1食という人もいるのだから、困っている人、お腹を空かせている人に届けることはできないものだろうか。食べられる物を捨てる、いわゆる食品ロス...

人口激減と超高齢化……2020年代以降の日本を待ち受ける未曽有の大変化

<40年後の日本は、5人に2人が高齢者で、毎年人口が100万人近く減る社会になる> 総務省統計局は毎年、『日本統計年鑑』という資料を出している。あらゆる分野の統計が網羅された公的な総合統計書だ。 この資料の「人口」という章を見ると、過去から現在までの日本の人口の長期推移が出ている。これによると、20世紀初頭の1900年(明治33)年の人口は4385万人で、現在の3分の1ほどしかなかった。しかし翌年は4436万人、その翌年は4496万人と右上がりに増加し、戦前期は毎年、人口が50~70万人ほど増えてい...

【緊急事態宣言】コロナ対策を拒む日本人の「正解主義」という病

※前後編の対談記事の後編です。前編はこちら:【船橋洋一×國井修】日本のコロナ対策に足りない3つの要素 シンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ」(API)が2020年10月にまとめた『新型コロナ対策民間臨時調査会 調査・検証報告書』が新型コロナウイルス対策に一石を投じている。同報告書は安倍晋三前首相をはじめ当事者への聞き取りなどを通じて日本のコロナ対策を検証し、種々の課題を指摘。デジタル化の推進や危機時に専門家を迅速に登用する「予備役」制度、経済活動の制限のための罰則と補償措置を伴う法整...

【船橋洋一×國井修】日本のコロナ対策に足りない3つの要素

※前後編の対談記事の前編です。後編【船橋洋一×國井修】コロナ対策を阻む日本の「正解」を求める病は8日掲載予定。 北半球への冬の到来とともに新型コロナウイルスの感染が世界で再拡大している。そんななか、コロナ対策に一石を投じているのが日本のシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ」(API)が2020年10月にまとめた『新型コロナ対策民間臨時調査会 調査・検証報告書』だ。同報告書は安倍晋三前首相をはじめ当事者への聞き取りなどを通じて日本のコロナ対策を検証し、種々の課題を指摘。デジタル化の推進...

飛び級、落第を許さない日本の「横並び」主義が生む教育の形骸化

<ヨーロッパは「内容を理解していないのに進級させるのは可哀想」と考えるが、日本は「下の学年と机を並べさせるのは可哀想」と考える> 現在、文科省の中央教育審議会が令和の学校教育の在り方について審議中で、間もなく最終答申が出される見通しだ。 答申の素案を見ると、令和の学校で実現すべき子どもの学びは、「個別最適な学び」と「協働的な学び」に分けられるとされている。後者は人との関係やリアルの体験を通して学ぶ集団学習で、日本の学校が得意とするところだ。前者は個々人のペースに応じた学びで、外国人の子や発達障害児な...

コロナ禍で加速する地方移住 東京が最大の人口流出地域に

<昨年まで東京の流入人口は全国で最大だったが、今年は人口流出が最大となっている> コロナ禍で国民の生活は甚大な影響を被っているが、生活不安のようなマイナスだけではなく、プラス方向の変化も見受けられる。対面での取引の見直し、テレワーク、そして地方移住などだ。 このうち地方移住では、東京の人口の出入りを見ると、今年7月以降、転入者より転出者が多くなっている。東京のような大都市は「転入>転出」すなわち転入超過の状態が常だが、変化の兆しが統計にも表れてきた。 総務省『住民基本台帳人口移動報告』によると、昨年...

日本が「普通の国」を目指すのは正しい 間違っているのはプロセスだ

<安倍前首相の誤りは、憲法を書き換えさえすれば日本が「普通の国」になれると考えたことだ> ドナルド・トランプが4年前のアメリカ大統領に当選したとき、日本の安倍晋三前首相は世界の首脳の中でいち早く、そしていささか大げさに祝福した。 安倍がゴルフ場でトランプにお世辞を言っていたのとは対照的に、ドイツのアンゲラ・メルケル首相の態度はかなり冷ややかだった。メルケルはトランプへの祝辞の中で、民主主義、法の支配、人種・性別・性的指向の平等といった理念を共有するのであれば、ドイツは次期政権と力を合わせたいと述べた...

ドイツは日本の「戦友」か「戦争反省の見本」か ドイツ人はどう見ている?

<良くも悪くも多くの日本人が特別視するドイツだが、そこから見える日本自身の問題点と「ドイツに学ぶべき点」とは> 国際交流イベントで、よく年配の日本人から「ドイツと日本は第2次大戦の『戦友』ですから!」「次回はイタリア抜きで!」など、自信満々の「ドイツ愛」アピールを頂く。昭和的な好意の表れではあるが困る。なぜなら、それは彼らの「脳内ドイツ」イメージに基づく好意だからだ。 一方、この「脳内ドイツ」には別バージョンも存在する。それは、立派な「戦争反省大国」「再生エネルギー大国」としてのドイツ。 好意的なの...