「日本社会」の記事一覧

地域人材の「助教諭」登用で開かれた学校運営を

<戦後の人員不足だった1950年には、全国の公立小学校の教員の4分の1が臨時教員だった> 人手不足が言われて久しいが、教員の世界にまでそれが及んでいる。特定教科の担当や産休代替に普通免許状を持つ教諭を採用できないため、助教諭を雇ってしのいでいる自治体が多い。 助教諭とは、普通免許状を持つ教諭を採用できない場合に限り置ける職で、要件は臨時免許状を有していることだ。臨時免許状は、大学で教職課程を終えていなくても、教育職員検定試験に合格することで得られる(任命権者の都道府県内で3年間有効)。ピアノの個人教...

最先端!がんセンター東病院トップが明かす「若者」「バカ者」「よそ者」な医師たち

<癌治療の世界では、患者の年齢やライフスタイルを考慮しない「標準化」の流れが進んでいる。そんななか、なぜ国立がん研究センター東病院は診療科横断的な雰囲気を保ち、患者中心の治療を続けられているのか。実際に当院で放射線治療を受けた筆者が、病院長に聞いた> 元日経ビジネス記者でジャーナリスト歴30年の金田信一郎は昨年3月、突然ステージ3の食道癌に襲われた。 紹介されて入院したのは、日本最高学府の東京大学医学部附属病院(東大病院)。癌手術の第一人者で病院長が主治医になったが、他の選択肢があったにもかかわらず...

マクドナルド化する医療「それが、あなたに最適な治療なのか?」

<患者の年齢やライフスタイルを考慮せず、「標準化」が進む癌治療の流れに歯止めをかけるには──食道癌患者として入院した東大病院から「逃亡」、転院先で手術を回避し、生き延びたジャーナリストが元主治医たちへの取材を基に硬直化した現代医療の構造を解き明かす> 元日経ビジネス記者でジャーナリスト歴30年の金田信一郎は昨年3月、突然ステージ3の食道癌に襲われた。紹介された東京大学医学部附属病院(東大病院)に入院し、癌手術の第一人者で病院長が主治医になったが、曖昧な治療方針に違和感を拭えず、セカンドオピニオンを求...

世界で最低レベルの、日本の教員の院卒比率

<日本の学校では、いったん就職すると膨大な業務に忙殺されて学び続けることができない> 2012年の中央教育審議会の答申で、教員の資格要件を大学院卒に引き上げようという案が示された。教員の資質能力の向上が表向きの理由だが、「今は保護者の多くが大卒なので、教員の学歴を一段高くする必要がある」という考えもあってのことだろう。 当時から10年ほど経ったが、現時点では実現を見ていない。大学院まで行くとなると、在学期間の延長により学費が上昇し、教員志望者が減ってしまう恐れがある。教育実習を1年間にするというのも...

学校の職業教育への評価が、日本で特異的に低い理由

<能力より社風に合うかどうかを重視する日本企業のメンバーシップ型雇用が、その大きな要因ではあるが......> 教育は、普通教育と専門教育に分かれる。前者は社会の全成員に求められる資質を育むもので、後者はそれぞれの職業に必要な知識・技術を養う。初等教育では前者に重きが置かれ、中等教育では両者が混在し、高等教育では後者の比重が高くなる。 だが日本の教育は普通教育に偏っていて、専門教育が脆弱との指摘が多くある。たとえば後期中等教育機関の高等学校を見ると、高度経済成長期の1960年では生徒の4割が専門学科...

ヤクザの腕を切り落とした半グレ「怒羅権」創設期メンバーが本を書いた理由

<中国残留孤児2世、3世が結成し、凶行で悪名を轟かせた怒羅権だが、元は生き残るため、助け合いのための集団だった> 「怒羅権(ドラゴン)」という名に聞き覚えのある人は少なくないだろう。1980年代後半の東京都江戸川区葛西で、中国残留孤児2世、3世によって結成された「半グレ」集団である。 『怒羅権と私――創設期メンバーの怒りと悲しみの半生』(汪楠・著、彩図社)の著者は、そんな怒羅権の創設期からのメンバーである。本作表紙に確認できる表情は柔らかだが、その反省は決して穏やかなものではなかった。 私自身、ヤク...

針が怖くて献血を嫌がる日本の学生にワクチン接種は広がるか

<新型コロナウイルスとの戦いは、いかにワクチン接種を進めるかにシフトしてきている> 日本で新型コロナウイルスが最初に確認されてから長い間、都道府県ごとの感染者や重傷者の数がニュースの常連項目だった。しばらく前からはそこに都道府県別のワクチン接種率が表示されるようになったことをみて時代の変わり目のようなものを感じた。メディアも今後ワクチン接種関連ニュースに軸足をシフトしていくに違いない。世の中の変化を確実に感じる。 世の先を占う株式市場を見てもコロナ明けを見据えた業種の株価が場合によってはビフォアコロ...

大卒者の県外流出で地域格差がさらに拡大する

<下位3県の長崎、秋田、佐賀では、大卒者の地元定着率は50%代しかない> 大学進学率は時代とともに高まり、今では同世代の半分(50%)を超える。地域格差は大きいものの、地方でも進学率は高まっている。 さて地方の親の関心事は、都会の大学に出たわが子が帰ってきてくれるかどうかだ。行政にしても、東京や大阪の有名大学に進学した生徒が地元に戻ってきて、地域の発展に尽くしてくれるかには関心を持っている。筆者は鹿児島県出身で、高3のクラスの半数以上が県外の大学に進学したと記憶しているが、どれくらい戻っているのだろ...

人生の「成功」を左右する子ども時代の読書活動

<30〜40代男性の高収入層では、子ども時代によく本を読んだと回答する人の比率が飛び抜けて高い> 「成功している人は、どういう子ども期を過ごしたか?」。雑誌でこういう特集をよく見かける。子育て中の親は非常に関心があるだろうし、「こういう教育をしたら、こういう人間になる」とは、教育学の観点からしても興味深いテーマだ。 この手の主題に接近する場合、長期にわたる追跡調査をするのが望ましいが、費用や手間の点で現実的でない。そこで、大人の対象者に子どもの頃を振り返ってもらう回顧法がよく用いられる。やや古いが、...

東京都4日のコロナ新規感染472人 前週比78.4%、重症者62人

東京都は6月4日、都内で新たに472人の新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。 昨日の508人から36人の減少、また先週金曜5月28日の614人から142人の減少となっている。 7日間移動平均の新規陽性者数では455人で前週比78.4%に低下した。 この日確認された陽性者の内訳は、 10歳未満:32人(約7%) 10代:27人(約6%) 20代:132人(約28%) 30代:99人(約21%) 40代:73人(約15%) 50代:63人(約13%) 60代:19人(約4%) 70代:19人...