「日本経済」の記事一覧

大卒者の県外流出で地域格差がさらに拡大する

<下位3県の長崎、秋田、佐賀では、大卒者の地元定着率は50%代しかない> 大学進学率は時代とともに高まり、今では同世代の半分(50%)を超える。地域格差は大きいものの、地方でも進学率は高まっている。 さて地方の親の関心事は、都会の大学に出たわが子が帰ってきてくれるかどうかだ。行政にしても、東京や大阪の有名大学に進学した生徒が地元に戻ってきて、地域の発展に尽くしてくれるかには関心を持っている。筆者は鹿児島県出身で、高3のクラスの半数以上が県外の大学に進学したと記憶しているが、どれくらい戻っているのだろ...

DXには日本の生き残りがかかっている──確実に訪れる変化への対応に必要なもの

<日本全体のDXの必要性を訴えるデジタルホールディングス代表取締役会長の鉢嶺登氏が語る「コストゼロ時代」の生き残り戦略> ※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。 近い将来、確実に起きるのが「ゼロ・インパクト」。テクノロジーの進化によって、あらゆる領域でコストゼロ化が進んでいきます。 特に影響度が大きいのは「モビリティー」「通信コミュニケーション」「エネルギー」の3つのインフラで起きるゼロ・インパクトです。また、GAFAの脅威が差し迫るなか、日本企業も既存のビジネス...

人生の「成功」を左右する子ども時代の読書活動

<30〜40代男性の高収入層では、子ども時代によく本を読んだと回答する人の比率が飛び抜けて高い> 「成功している人は、どういう子ども期を過ごしたか?」。雑誌でこういう特集をよく見かける。子育て中の親は非常に関心があるだろうし、「こういう教育をしたら、こういう人間になる」とは、教育学の観点からしても興味深いテーマだ。 この手の主題に接近する場合、長期にわたる追跡調査をするのが望ましいが、費用や手間の点で現実的でない。そこで、大人の対象者に子どもの頃を振り返ってもらう回顧法がよく用いられる。やや古いが、...

統計上の失業率では見えない「潜在失業者」に目を向けよ

<子育て中の女性など、働きたいと思っても求職活動すらできない人の数は統計値には反映されない> コロナ禍で生活不安が広がっているが、人々の生活困窮を可視化する代表的な指標は失業率だ。失業率とは、働く意欲のある人のうち、職に就けないでいる人が何%いるかを言う。分子には、調査時点でハローワークに行くなど具体的な求職活動を行った人の数が入る。 しかし、働きたいのに職に就けないでいる人をこのように限定していいのだろうか。就労を希望しつつも、様々な事情から求職活動ができない人もいる。上記の当局の定義だと、こうい...

バブルを生きた元証券ウーマンが振り返る日経平均の30年、そしてこれからの「3万円台の世界」

<現在、多くの人の保有株は大して上昇しておらず、バブルの実感などないはず。日経平均株価は今、30年前のバブル期とはもはや「別物」になった。明るい材料も暗い材料もあり、大きな変化があった> 世の中みんなバブルだった 「日経平均株価、本日も最高値を更新しましたー」 威勢の良い声とともにドッと拍手が沸き起こる──これは、30年前のとある証券会社でのワンシーン。日経平均株価は1989年11月に36,000円を超えると連日のように高値を更新、急ピッチで駆け上っていきました。 その様子を、実際の株式相場の中から...

日本の人手不足の背景にある「即戦力の人を採れない」事情

<単に人が集まらないだけでなく、資格やスキルを持つ即戦力が見つからないことも要因に> 人手不足が言われるようになって久しいが、その程度を測る指標として「労働者の過不足DI」というものがある。 労働者が不足している事業所の割合から、過剰の事業所割合を引いて算出される。厚労省が3カ月おきに実施している『労働経済動向調査』では、常用労働者30人以上の民間事業所に労働者の過不足を尋ね、上記のDI指数も算出されている。 2020年11月の調査によると、常用労働者が不足していると答えた事業所は32%で、過剰と答...

女子の理系学力を「ムダ」にしている日本社会

<高校生の数学力の男女差はそれ程大きくないのに、大学で理系を専攻する女子の比率は17%しかない> 日本は、リケジョが少ない国であることはすっかり知れ渡っている。理学・工学専攻の大学入学者の女子比率は17%しかない(2017年)。国際的に見て日本の女子生徒の理系学力は高いのに、これはどうしたことか。海外の人にすれば甚だ疑問のようで、OECD(経済協力開発機構)のスキル局長は、理系の成績が優秀な女子が理系を志望しないのは問題と指摘している。 理系の成績が優秀な高校生を取り出し、男女の内訳をみるとそれほど...

日本を目指す韓国ネイバー、LINEの個人情報海外流出で厳しい船出に

<LINE利用者の個人情報海外流出が発覚。事業の中心軸を韓国から日本に移す戦略を掲げているネイバーにとっても厳しい船出となった......> 無料通信アプリ「LINE」利用者の個人情報が中国の関連会社で閲覧可能になっていたことが発覚し、総務省は使用を停止、個人情報保護委員会がLINEと親会社のZホールディングスに、個人情報保護法に基づく報告を求めた。LINEとヤフージャパンを運営するZホールディングスが2021年3月1日に経営統合した矢先である。 経営統合で発足したAホールディングスの社長には、ソフ...

「4K」で高齢化のトラック業界を、輸送需要の急減と宅配需要の急増が襲っている

<かつては「3Kでも稼げた」仕事だったトラックドライバーの現状を、専門記者が裏側まで書いた。実態を知らない我々の目には意外かもしれないが、相反するように思える2つの危機に瀕している> 『ルポ トラックドライバー』(刈屋大輔・著、朝日新書)の著者は、物流専門紙『輸送経済』記者、『月刊ロジスティクス・ビジネス(LOGI-BIZ)』副編集長などのキャリアを経てきたという実績を持つ物流ジャーナリスト。 浪人時代、「短期間で稼げる」という理由から佐川急便でアルバイトをしたことが、物流業界と接点を持つきっかけだ...

弁護士の平均年収は4割減 過去十年で年収が上がった職業、下がった職業

<弁護士などいわゆる「士業」の年収の落ち込みが激しいのは、政策による弁護士の増加と都市部への集中が要因> 社会は、成員が一定の役割を果たすことで成り立っている。具体的に言うと、職業に就いて仕事をすることだ。 戦後初期の頃までは人口の大半が一次産業に従事していたが、その後の社会の高度化によって産業構造が変わり、職業の数も増えている。2015年の『国勢調査』の職業小分類では232ものカテゴリーがあり、もっと細かく分ければ数千にも及ぶと言われている。高度化した社会を維持するには、各人の持ち味を生かした分業...